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2024年グラミー賞生ブログ #7

トレヴァーが出てきてヒップホップ50周年のことを言いながら紹介するのは、トラヴィス・スコットのパフォーマンス。トラヴィス自身のアルバム『Utopia』についてのコメントや、彼のライブステージの様子を収めたドキュメンタリー映像を交えたビデオがまず流れて、ステージに登場したトラヴィスがちょっとしっぽり目に歌い始めた(そう、このアルバム、基本ラップじゃないんだよね)「My Eyes」。ちょっとディストピアな世界を思わせるようなステージに降りてきて曲は「I Know?」へ。ヘソ出し金髪女性と付かず離れずしながら歌った後、曲はどんどん変わって今度は「FE!N」。このあたりからだんだん曲のトーンもトラックのビートも少しずつ激しくなり、ステージにはパイロが飛び交って、更にディストピア的演出が。そしてバックでラップし出したのはどうやらプレイボーイ・カーティらしい。最後はトラヴィスが椅子のようなものをステージにたたきつけて壊しまくるという展開。うーんなかなかクールではあったけど、もう少し弾けて欲しい感じもあったかなあ。

さあいよいよ授賞式もフィナーレにだんだん近づいて来ていて、次はレコード・オブ・ジ・イヤーの発表らしい。スタジオでは音楽ライターの粉川さんが「SOYをビリーが取ったので、アルバムはテイラー、ROYはSZAが分け合うのが一番平和かなあ」と言ってたけど、うんうん、僕もそう思うよ。そういう風に予想してるし。その前にレコーディング・アカデミーCEOのハーヴィー・メイソンJr.のスピーチらしい。観客席中央の円形ステージで弦楽四重奏団が静かに演奏するのをバックに、ハーヴィーは基本的にグラミーがいかにグローバルな賞になってきたかを自慢するスピーチを延々やってるな。イスラエルやウクライナの状況に触れながら、音楽はすべて解決は出来ないけど、心の平和とハーモニーをもたらすんだ、と言ってることも結構クリシェが多いし、このセグメント、本当に必要だったのかな??

あ、どうやら先に最優秀新人賞が発表されるみたいね。本命◎ヴィクトリア・モネ、対抗◯ノア・カーンに最後予想を修正したんだけど、ヴィクトリア・モネ、R&B部門で既に2カテゴリーで受賞を逃してるんで、ひょっとしたらここ、危ないかなあ。さて会場に戻って、南アフリカ出身のトレヴァーアフロビートの話しをしながら、バーナ・ボーイのパフォーマンスを紹介。グリーンのアフリカン・コスチュームに身を包んだダンサーに囲まれて登場したバーナ・ボーイ。でもバーナ自身はヤンキースのキャップかぶって、ネクタイしめて赤いスタジャン風のジャケットというあまりアフリカンじゃない衣装(笑)だなあ。と、そこへ後ろから黒いロングコートに身を包んだブランディ(懐かしい!)が颯爽と登場、バーナ・ボーイとのデュエット曲「Sittin' On Top Of The World」を歌い始めると、そこに赤いレザースーツに身を包んだ21サヴェージが登場してラップをぶちかますという、短い間にいろいろおいしいのを詰め込んだパフォーマンスでした。

ここで最優秀エデュケーター賞、インダストリー・アイコン賞、ソーシャル・チェンジ賞などマイナーな賞をトレヴァーが発表しながら、さらっと最優秀プロデューサーをジャック・アントノフが受賞したことを発表。ジャックの両側に座ってるテイラーラナ・デル・レイジャックの頭を叩きながら喜んでるわ。これでジャックは3年連続受賞、ベイビーフェイスと並んだわけですね。そして続いて去年の新人賞受賞者、サマラ・ジョイが登場して発表するのは最優秀新人賞。さあ、ヴィクトリアかノアか?おおお!やはりヴィクトリアが取った!いやあ良かったね、ヴィクトリア。これでこの部門は7年連続女性が受賞するという、もともと女性が強いこの部門の傾向が維持されたわけだ。「この賞は自分が業界に根をおろした2009年から15年かかって頂いた賞なので心から感謝します」と言いながら、Dマイルへの感謝も含めて自分の可能性に賭けてくれたすべての人に感謝します、というメッセージは心温まるものでした。客席で一生懸命拍手しているボーイジニアスの姿も印象的だったね。

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