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「たかがアイドル」って言う人にこそ観てほしい〜『なにわ男子natural』〜

「何を観ようかな〜」と何気なくAmazonプライム開いていたら、「あなたが興味のありそうなテレビ番組」として出てきた。

『なにわ男子デビューまで1100日のキセキ natural』

あらら〜私の「沼」がしっかりバレてますね(笑)
2年前に世界中に配信された全8話のドキュメンタリー。
にわか「なにふぁむ」としては絶対観たい!
でも、字幕が、、、、

ある!!

歌のシーンには歌詞も!!
感激!!
一晩挟んでの足掛け2日で全ストーリー鑑賞完了!


ストーリー1を観ただけで、不覚にも涙が出てしまいました。

今、喜多川氏の性加害事件により、「ジャニーズ」への風当たりが、「風」どころか「暴風雨」として、事務所に向けてだけでなく、所属タレントに向けても吹き付けています。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というか、逆に「袈裟(所属や肩書き、属性)憎けりゃ、坊主(それを着ている本人)まで憎い」というか、、事務所の創設者の犯罪や事務所としての対応の悪さへの批判が、事件時には関わっていなかったような現役のタレントさんたちまでも「悪人」であるかのような扱いになって、CMから消え、歌番組から消えていってます。

そんな情勢に「実力もないくせに、事務所の力だけで、美味しい思いをしてきたジャニタレが消えて、せいせいする」という声もあがって、すごく悲しいし、悔しく思っていた私。

そんな時にこの『natural』を観たのです。

この番組自体は、サブタイトルにあるように、「なにわ男子」結成の2018年からCDデビューの2021年までの3年間1100日の記録としています。
でも、実際は、「なにわ」結成の前のJr時代があってからの、なにわ男子結成、からの3年経ってのデビューなわけで、その「たどってきた道」や「たどっていくであろう道」への7人それぞれの思いが、この番組通して語られます。
そこに溢れる、自分たちが選んだ道の厳しさ、葛藤、覚悟、そして努力、、を知ったら、「ぽっと出のチャラチャラした、見せかけだけのアイドル」なんて、絶対に言えないし、言わせない。

入所してからJrとしての活動が始まるけれど、それは全く先が見えない時間。
ジョーくん(藤原丈一郎)なんて、デビューまで17年!
就活もしたことあるけど、面接で「やりたいこと」を聞かれて、改めて自分はこの道で生きたいとの思いでJrとして活動を続けた、と。
やはり同年代の子達が就職したりすると、みんなが「地に足をつけて生きてるのに、自分は?」って思っちゃうだろうな。
周りの「普通の」幸せとは隔たってしまうことへの焦りや不安、想像に難くない。
でも、はっすん(大橋和也)は、「普通の幸せではないけれど、普通にはない、普通以上の経験や幸せ」がある、と。そして、「みんなが頑張ろうと思えるような人になりたい」から、いろんな苦労も苦労でないと言い切る。
小さい頃からドラマなどに出てきたみっちー(道枝駿佑)は、見かけの「王子さま」キャラとは逆な、ネガティヴは気持ちを抱えての葛藤を語る。なにわでなくても、ジャニーズでなくても「道枝駿佑」で通用しそうな位置にいるように思えるのに、本人は「ジャニーズでなかったなら何もなくなる」と。
だからその不安を拭うため、いろいろなことにストイックに挑む。
りゅちぇ(大西流星)も、だいご(西畑大吾)も、なにわ男子前に組んでいたユニットの消滅からの葛藤を語る。東京へ行った永瀬廉くんがキンプリでデビューした時はどんな想いだったんだろう。

物置みたいな場所で人知れずキーボードの練習をしている、りゅちぇをカメラが捉える。

「舞台上に立つと、思ってる7割ぐらいしかできないので、120%くらいやっておかないと」

natural エピソード1より

きょへ(高橋恭平)も、ケント(長尾謙杜)も、「自分に足りないもの」に悩み、そして「自分に求められるもの」を見出そうとする。

衣装のデザインなどに参加しているケントは

「僕たちがこの服で立っても輝けないので。
衣装さんプラス照明の方々だったりとか、スイッチを動かしてくださっている他にもたくさんのスタッフさんがいたりしてやっと僕達が輝かせてもらっているので、ほんとスタッフの皆さんには感謝しかないですね」

natural エピソード5より

最年少、「元気いっぱい、自由奔放キャラ」のケントをして、こう言わしめるのは、やはり下積みあってこそ、なのかなぁと思いました。ちゃんと敬語も使えてる末っ子ちゃんにも感動(笑)

普段テレビや動画配信での、キラキライキイキと元気を振りまく7人とは全く違う顔を見せられ、ますます惹かれてしまいました。

そして、そんな彼らをプロデュースしてるのが関西組の先輩「関ジャニ∞」の大倉くん。
ケントが出る舞台の演出が横山くんだったり、レコーディングに丸ちゃんも駆けつけたり、、。
デビューの日、朝早いにもかかわらず、大倉くんが空港まで来て7人の写真を撮り、見送る表情に、なんだか、育てた子供の巣立ちを見守る親鳥みたいな「愛」を感じちゃました。
なにわのメンバーの中でも、最初の頃、年上組が、年下組の姿勢を問いただすシーンがあったし、あー、こーやって、先輩が後輩を育てるんだっていうことを改めて感じました。

確かに喜多川氏やメリー女史が名実共に力を握っていた時代は彼らの完全統治だったのかもしれないけれど、彼らが歳をとってからは「名」だけが動き(その力はきっととてつもなく大きかったのでしょうが)、実際の若いJr.の育成は、タッキーが滝沢歌舞伎で若い子を出し、育てたように、先輩から後輩へ、と受け継いでいくシステムになっていってたんじゃないかな、と感じたのです。
そうやって育てられた最初のグループがもしかしたら「なにわ男子」なのかもしれません。

入所してJr.、、つまり「その他大勢」として活動し、なんの確約もないまま、時間だけが経つ。
先輩が夢破れて去っていったり、同期や後輩が先にデビューしたり。
「自分はこのままでいいのか」
「自分はこの先どうなるのか」
そんな不安を抱えながらも、エンタメの世界で生きたい、夢を叶えたい!という思いを持ち続けていくために、自分にできること、やれることをストイックに取り組み、それを自信と励みにしながら、夢が叶う日を祈る日々。
そんなデビュー前の名曲が「夢わたし」。

熱闘甲子園のテーマソングに選ばれた曲ですが、彼らにピッタリ。歌詞にも泣かされます。

コロナ禍で、魅せるはずだった舞台もステージも踏めない日々を経ての、2021年7月横アリでの「CDデビュー決定発表」。
このシーン、何度も見たことあるのに、今回この番組で7人のバックストーリーを知っちゃった私は、あの時のステージ裏でも涙が止まらずにいた恭平にも負けないくらいの号泣しちゃいました。

発表後のステージでも歌った、みっちー作詞の「Time View 〜果てなく続く道〜」
これも泣けます!
※歌詞付きの動画がなかなか見つからず、TikTok「ちょびけんもり」さん(@kento_0815nagao)から引用させていただきました。


番組は、デビュー発表後のツアー、そしてそこでの彼らを成長を見せてくれます。
高所恐怖症の恭平が、オープニングのフライングで初めての時は表情も硬くマイクを両手でしっかり握って固まってたのに、ツアー進むにつれ、片手で振りをしながら歌ってるし(笑)
ダイゴが構成を考えたり、ケントは衣装、りゅちぇがグッズ、、というように、メンバー全員がそれぞれ役割を持ち、ツアーを「作ってる」姿に、アイドルって出来上がったステージでただ歌って踊るだけでないのねーって思いました。

そしてデビュー。
出来上がったCDを見て、「CDショップで売ってるやつ〜」っていうのがかわいかった(笑)
それだけJr.にとっての「夢」なんだろうなぁ、CDデビューは。
飛行機のチャーター、空港でのデビューイベント、、もしかしたらこんな形の華やかなデビューは、もうこれからのグループにはないかもしれない、、そんなことも思いながら、彼らの笑顔にまた涙する私。

ほんと8ストーリー全部見て、「たかがアイドル」と言っている人に観てもらいたいって思いました。
キラキラした笑顔振りまく、チャラチャラと笑いを取る、そんな表舞台の裏側で、どれだけ葛藤し、どれだけ努力し、どれだけ涙しているのか。  

「タレントは事務所の商品だから、事務所が問題起こした時にその不買運動が起きるのは当然」なんて意見もある。
でもタレントは単に機械的に作られる商品なんかじゃない。
それぞれに思いがあり、積み重ねてきたものがある、1人の人間であり、彼らの人生がある。

事務所の創業者が犯した許し難い罪と、それを見逃してきた会社や関わった人たちの罪。それは断罪されるべき。
でも、事件と隔たった今この時、自分の夢のために頑張ってきた人たちの人生まで奪うのは、いかがなものか。
「ジャニーズ」の名がなくなったとしても、彼らの「軌跡」を否定することはできないし、これから掴もうとする「奇跡」が奪われることがないように。

「なにわ男子」7人がこれからも「なにわ男子」として、そして他のジャニーズ事務所のグループ、タレントさんたちが、これからも私たちに夢や喜びや笑顔を与えてくれることを改めて願います。

「推し」への愛で、かなり偏ったかもしれませんが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

『なにわ男子 デビューまで1100日のキセキ natural』
7人がグループを結成した3年前から、デビューの日まで1100日にわたり、山あり谷ありの毎日に密着。アイドルを目指す互いの覚悟を確認しあい、覚醒した夜。コロナ禍により活動が滞る中、人に夢や元気を届けるエンターテインメントという仕事の意味を自問自答し続けた日々。どんなときも諦めることなく、デビューを目指した「なにわ男子」の“汗と涙と笑いに満ちた青春”の記録。

配信:AmazonPrimeビデオ
オーディオ言語:日本語
字幕:日本語 [CC]
出演:なにわ男子
ナレーション:上戸彩
初回: 2021年11月5日 (日本)

AmazonPrimeビデオより


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