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令和2年度 事例総評

診断士試験の”偉大なる航路”後半に控える試験の皇帝たちに、挑戦しました。この時間と集中力を使えば・・・

無駄とは思ってませんが、最後の方は少し後悔しましたw
自己紹介しますと、私は令和元年度の診断士試験合格者で、8月にようやく3回の実務補習を終えたばかりのピヨピヨ診断士です。
Twitterでは界隈の方や受験生の方と意見交換したりしています。とあるユーザーさんが今年の事例試験を既診断士も実際に解いてみよう、それで解答見て格付けしたるわ!と発信しており、その煽りにのって挑戦しました。昨年からまったく触れていない中で、実際どれほど書けるか自分でも興味があったのも理由です。時間は70~80分程度で手書き解答したので、ある程度条件は合わせています。

なので、答案内容自体は完成度が高いわけではなく、今年受験された方に役立つものではないかもしれない点はご留意くださいませ。

以下、各事例の解答答案です。

きちんと時間も測った初見問題なので、ツッコミ所は満載です。
もちろん当日の緊張感などはありませんが、1年触れていなかったことと相殺でご容赦ください。
結論は、事例Ⅳ以外の出来栄えは昨年とそう変わらない感覚です。事例問題は慣れの要素が大きいと思うので、時間管理や文字数感覚など答案作成プロセスにブランクはありました。一方で、ふぞろいシリーズなどで定番だったキーワードからは解放された状態での答案記述ができたので、むしろプラスになった要素もあると言えそうです。
解きまくって沼にハマる方も多いと思われる試験ですが、いったん離れてみて、ニュートラルな状態で挑戦すると案外高得点になることもあるかもしれませんね。
また、実務補習という経験も事例を解くにあたりプラスに作用します。

事例Ⅰ

楽しい問題でした。それぞれ設問ごとに主語が異なっており、これまでの問題とは出題の仕方を変えてきましたね。グループ会社のビジョンはA社ではないですし。時制(現在・過去・未来)の意識がより求められたのではないでしょうか。執行役や、女性事務員を主語とした設問はこれまでと一線を画します。ただし、そこにも経営視点での解答が必要だったものと思われます。また、ブランド戦略やシステム化など本来他の事例で問われた内容の出題があり(昨年もですが)、各事例間での出題内容や事例企業の境がなくなってきているような印象も受けました。

昨年、今年と1次試験合格者が多く出たこと、予備校や個人レベルで事例の対策が進んでいること、を反映したように感じます。

事例Ⅱ

2年連続のSWOT分析せよ、は受験生側としてはどんな感覚だったのでしょうか。意外と前年の事例は回数解いてないとかあったんでしょうか。
加えてアンゾフの成長モデルでの説明など、フレームワークをダイレクトに問う問題が2つもあったのは驚きました。そんなに重要?と。
なお、このアンゾフはマトリクスのどの位置づけにしても正解だと思います。きちんと、こうだから〇〇戦略、という説明がなされていることが重要なのではないでしょうか。

参考までに、アンゾフのマトリクスは予備校などで使われる左上に市場浸透戦略がくるものより、左下に市場浸透戦略を置いて、グラフのようにあらわしたほうが見やすくわかりやすいと思います。

引用:知的好奇心を満たす 「ひっぺん」 米国株ブログ!
https://hipelog.com/2020/11/03/howtogrowth/

全体的には良問揃いだったように感じます。事例Ⅰ、事例Ⅱは基礎知識の応用力を求めつつ、ふぞろいシリーズに特化した過去問対策のみでは容易に記述させない、工夫を感じられました。
今年の事例で楽しかったのはここまででしたw

事例Ⅲ

事例は気軽に解くものじゃないな~と思い始めて解いた事例Ⅲ。若干飽きた感じで解いていたので記述は我ながら雑です。
が、事例Ⅲの作りもなんとなく雑な時があるなあと感じる年もあります。異物混入しまくる食品加工工場などまさにそれ。本年の事例Ⅲもほぼ納期遅延に集約・紐づけされており、わかりやすいような、極端なような、そんな印象です。
もう少し丁寧に取引先の情報や、工場レイアウトの図などが掘り下げられると、先の方向性提言や工場レイアウト設計にセル生産方式といった解答を呼びやすかったのではいのかな、と思います。
生産性に関する明確な出題こそありませんでしたが例年通りの事例Ⅲかな、という感想です。
真新しさがない点では退屈でした。

事例Ⅳ

ボリュームが非常に多く、タイムマネジメントや捨て問の選択といった試験への強さが問われた事例だったように感じました。
経営分析・CVPは確実に押さえて、最後のROI問題の序盤2つをしっかり取りに行けたが合否を分けそうです。
NPV計算は情報整理している間に時間が経っていきそうです。
計算問題ほど毎日やっていないと力が落ちていくので、ブランクの影響が一番あったのは本事例でした。現在価値への割引は、当期期首の発生なら行わない、などはさすがに意思決定会計の計算を日々していないと気づきませんね。肝心のCVP分析も計算ミスして10ずれていました。合格点には達しない出来になったと思います。

以上、全4事例の総評でした。

令和元年以前の解答や個人的な分析は別記事にも上げていますので、参考にしていただければと思います。

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