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禍福は糾える縄の如し。

西東京市の西武柳沢という少々マイナーな土地に越してきてから早くも1年と3か月を過ぎようとしています。一年目は、移転前にお店を構えていた三鷹との風土の違いに困惑することがありましたが、最近は逆にいいところもあると感じています。

具体的に紹介すると、三鷹にお店があったときはいい本を安く並べていたら売れていましたが、西武柳沢にお店を移転してからはそれだけでは売れません。ただし、100円まで値下げすればすごい勢いで買っていただける。こういったところに商売のやりずらさを感じていました。

しかし、逆に本をお売りいただける場合、あまり買取価格に拘らない人が多いとうメリットを最近は感じています。三鷹時代には、本の査定価格を聞くだけの冷やかしのお客さんが来ていましたが、柳沢ではそういったお客さんにお目にかかる機会は減っています。また、査定金額を聞いてキャンセルにするという人もほとんどいません。(もちろん0ではないですが)

更に書くと、本を無料でお譲りくださるお客さんも時々います。少しぐらいのお金なら必要ないというよりも、捨てるよりは誰かに使ってもらいたいという「シェア文化」のようなものが西東京市にはあると感じています。

そのような風土によって古本屋の経営は少し助かっています。たとえ古本屋の売上が少なかったとしても安定した仕入が店頭で行うことができれば、なんとか営業してくことができますので。

「禍福は糾える縄の如し」という言葉がありますが、まさにいいところがあれば、悪いところもある。悪いところがあれば、いいところもある。というわけで一喜一憂せずに、明日からも西武柳沢で古本屋経営を続けます。


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