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書店には地味な仕事が隠れている

今日は夏時間営業の初日でした。早朝より部活指導に出かけ、12時前に古本屋に出勤して店を開けました。売上は低調ながらもいつも通り。ただ、残念ながら買取はありませんでした。

開店後は、注文のあった本を出荷する作業に没頭し、夕方からはひたすら楽譜などをネットに登録していました。古いものが多かったため、バーコードが付いていなかったり、あってもネット上にデータがなかったり。

仕方なく、本を一つ一つタイトルで検索し、相場を調べ、写真を撮影し、コメントを添え、SEO対策をして出品しました。いや、その前に本をきれいに磨き、書き込みがないか調べ、痛みがあればそれを説明する言葉を考える。そんな地味な作業も行いました。

現代の古本屋は売上の半分以上をネットに頼っていますので、この地味な作業に追われます。20冊登録するだけでもかなりの時間を使いました。店頭で飛ぶように古本が売れていた時代が懐かしい。

こういった地味な作業は古書店だけではありません。新刊書店も取次への返本作業が大変だと聞いています。たくさん本が売れれば返本する必要がありませんが、そうならないのがこの時代です。販売に至らず、本を返本する作業はきっと体力的にも精神的にも辛いものでしょう。(新刊書店は取次という本の問屋から本を借りて販売しています)

つまり、本屋の仕事は新刊書店であれ古本屋であれ、それなりに大変なのです。その作業に比べれば、POPを書く仕事なんて楽で楽しい仕事です。

そこで「ふ」と最近話題になっているシェア型書店のことが頭に浮かびました。棚に自分の好きな本を並べ、見栄えを良くするためにPOPを書いたり、装飾したりすることが全てです。そして、本好きの棚主同士で本について談義したりして…そりゃ楽しいでしょうよ…

しかし、実際に本屋を経営するとなると、お客さんの目には見えないところで多くの労力を費やすことになります。つまらない仕事だってたくさんある。だから、シェア型書店の棚主で「俺、本屋になっちゃったんだ!」と自慢している人がいたとしても、「アホか」と言いたくなります。実際にテナントを借りて書店を経営すればわかるはず。シェア型書店はお金を払って遊ぶ場所だったということに…

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