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政治家は小さな書店を視察しない

今日はプリンターが動かなくなりました。家電売り場の担当者が言うには、おそらくセンサーが壊れたのだろうということです。売上が落ちているのでネット販売に頼らざるを得ない時に、なんということか…

そして今日、斎藤経産相が都内で書店を視察し、意見交換をしたというニュースを目にしました。

この記事の中で、店主は以下の内容に違和感を覚えました。

カフェの併設やイベント開催による集客や、デジタル技術を使った業務改善など、書店が成果を上げている事例を収集。全国の書店に周知し、経営に役立ててもらう考えだ。また、経営課題も共有し、補助金など今後の支援策を検討する。

これはつまり、「書店減れば国力弱まる」と記事は書いているものの、その書店とはTSUTAYAなどの大企業のことを指しており、そこに国のお金を流す準備をしているように思えました。

なぜなら、町の書店にカフェを併設する余裕などありません。イベントを開催する力もないでしょう。ましてや、デジタル技術を導入する資金もありません。

つまり、これらのことは、大企業が自社の事業を拡大するために、政治家と書店を利用したパフォーマンスをしていると見ることができます。本来ならば、政治家は、普通に町の小さな個人書店に視察に行くべきです。

もっと具体的に書けば、オシャレなカフェを併設して話題になっている「代官山蔦屋書店」のフランチャイズ店を全国展開して儲けるために、TSUTAYAが政治家に近づいているということだと思います。

もはや、TSUTAYAのお客さんは本を買う個人ではなく、「代官山蔦屋書店」のフランチャイジーです。

※フランチャイズ店の仕組みについて詳しくご存じない方も多いかもしれませんが、ぜひググッて調べてみてください。日本にはフランチャイズ法がないので、コンビニなどのフランチャイズ本部はやりたい放題で、かなりの利益を上げています。

であれば、店主は以下のデータも眉唾だと考えています。
①カフェの併設で集客に成功した。
②イベント開催によって集客に成功した。
③デジタル技術を使って業務改善に成功した。

今後、大企業のロビイング活動の成果として、日本全国にカフェが併設されたオシャレな大型書店が次々と開店するかもしれません。そして、そこに税金が投入されるかもしれません。しかし、その経営が成り立たない、継続できないのは火を見るよりも明らかです。

「じゃあ、どうすればいいんだ?」という話になりますが、当然ながら素晴らしい解決策などありません。この業界が斜陽産業であることは間違いない。とはいえ、出来ることとしては、やはり取次の問題や、再販価格維持法に手を加えることが真っ当な解決策だと思います。

営業が芳しくない古本屋の店主が書いても説得力がありませんが、やはり商売は王道を行くべきであり、本屋は本を売って儲かるようにせねば復活できないと思います。

公的資金をせしめる人たちが書店を利用して一儲けしようとしているのは、他人がどうこういう問題ではないかもしれません。しかし、その影で、恩恵にあずかれない個人の本屋が潰れていくのは納得できません。絶対におかしい。そういう意味では、もっと政治家の方々には、もっと小さな書店にも足を運び、突っ込んだ話をしていただきたい。

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