「喫茶店で松本隆さんから聞いたこと」
今日も猛暑でした。店主は6時間ほどテニスコートに立ち仕事に励んだところ、人生で初めて手首から肘までの筋肉が攣りました。慌てて塩分を補給し、30分ほどしたら元通り。塩の大切さを知るとともに、寄る年波には勝てないと痛感しました。
そして古本屋に戻り、「疲れてる!眠い!今日は何もできない!」と思ったので、涼しい店内で読書することにしました。いくつか前のブログにも書きましたが、本によっては、眠たい時でも読めるものがあります。
今日は、店内にあった「喫茶店で松本隆さんから聞いたこと」という本を読みました。
この本、すごく薄いにも関わらず定価は1400円。詩集並みのコスパの悪さです。店主としては、この文量はちょっと…と少し引いた感じで読み始めました。しかも事前情報なく本を手に取ったので、この本の著者も題名の由来もわからない。状況もよくわからないし、著者が何を言っているのかもよくわからない。
しかし、読み進めていくと、ああ、あの有名な作詞家さんに、著名人が話を聞いた内容が書かれていたんだなぁということがわかります。
そこで、その有名な松本隆さんの作品をググッて調べると、「君は天然色」などの作詞を担当された作詞家さんだということがわかりました。その事実を知ってから読むと、本の見え方が変わってきました。その曲を聞いてから読むと、臨場感が増しました。妹さんの死と「君は天然色」が繋がっているような気がしたのです、
すると、この本の価値がぐっと高くなりました。本が生まれたバックグラウンドを理解してから読むと、違った景色が見えました。つまり、調べることで読書の価値が高まったのです。
トドのところ、この本をつまらなく読もうと思えば、簡単にそうすることが可能です。しかし、読者が本をリスペクトし、跪き、ひと手間かけてから読むと、より素晴らしく読めるのです。
「本を面白く読むために、なんで読者が気を使わなければならないのだ」と考える人は、この本を買わない方がいいでしょう。時間とお金の無駄だと思います。でも、そのひと手間をかけてでも本をより良く読みたいと思う人にとっては、価値がある一冊です。そしてもちろん、松本隆さんのファンであれば、そんなこと関係なく手に取るべき本です。
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