店主と、本のある暮らし June 2023
こんにちは。いどうほんやKOKOです。
Instagramにて連載中の、【店主と、本のある暮らし】を
noteにも投稿しています。
本との出会いや、交流のきっかけになればとても嬉しいです。
JAZZ SONG BOOK
June 6, 2023
先日、5歳の長男が珍しくYouTube以外のテレビを見ているなと思ったら
「おかーさん!これ、今度のおとーさんの誕生日にあげたらいいんじゃない?」
と何やら真剣な表情で、興奮気味に話しかけてきました。
何だろうと思って見てみると、ローカル情報番組で、ポータブルの髭剃りを紹介中でした。
スマホに挿すだけで、外出中にも使える優れもの!とのこと。
うーん、果たして……
我が家の父のおヒゲは、外出先でちょちょっとという類のものでもない気もするのですが、せっかくの長男の思いをくみ、父の日にと検討しています。
さて、実用的な贈り物も良いですが、絵本もいかがでしょうか!
当店でも、密かな人気の『JAZZ SONG BOOK』は、まさに大人の絵本。
『きんぎょがにげた』などでお馴染みの五味太郎さんが描く、おしゃれなジャズの世界は、音楽やアートが好きなお父さんにも、きっとお楽しみいただけます。
五味さんの絵には、どこかで一度は出会っているのではないかと思います。
絵本の絵をよく見ている子どもたちは、「この絵、あの絵本の絵に似てる!」ということにも、目ざとく気がつきますよね。
まだうまく言葉にできない時期のお子さんも、本棚から同じ作家の絵本を持ってきたり。
きっと、ご家族でのコミュニケーションのきっかけにもなる、素敵な一冊になると思いますよ!
(わたしの好きな「tea for two」も収録されています✦)
父の日にみんなで読みたい絵本、他にも取り揃えております。
ぜひ、お店をのぞきにいらしてくださいね!
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『JAZZ SONG BOOK』
著:五味 太郎
発行:オークラ出版 2022年初版(再構成復刻版)
パパ・カレー
June 14, 2023
みんな大好き、カレー。
ですが、我が家は長女が生まれてから、家でカレーをほとんど作らない時期が、数年続きました。
というのも、大人用のカレーと子ども用のカレーを2つ作るのが、片付けも含めて非効率で億劫に感じてしまい、それならと試した子ども用のレトルトカレーも、あまり食べなかったからです。
初めての育児で、油分だの塩分だのがやたらと気になっていた頃でもありました。
でも、カレー食べたいよね!
試行錯誤ののちにたどり着いたのは、作り分けの手間や油分や塩分を調節できるドライカレーで、これが大当たり!
ここから長男の誕生を経て数年は、我が家のカレーといえば、もっぱらドライカレーでした。
ルーカレーが復活したのは、ここ最近です。
お肉は相変わらずひき肉ですが、家族全員で、懐かしのルーカレーが食べられるようになったのには、感慨すら覚えてしまいます。
でも今度は、大人の方が油分と塩分が気になり始めるお年頃になってしまいました。
さて、ルーカレーといえば、隠し味が話題になったりしますよね。
コーヒーやチョコレート、ソースなどが定番でしょうか?
我が家は特に何も足さない派なのですが、この『パパ・カレー』を読んで驚きました!
好奇心が抑えきれず、パパでもないのに、先日試してみました。
うん、トロピカル!
味に敏感な子どもたちが気づかないはずもなく、「今日のカレーなんか違う……」と良からぬ雰囲気に。
子どもたちにとっては、冒険した美味しさより、いつもの安定の味が重要だったようで。
少し前なら残していたであろう長女。
でも、全部食べてくれた長女。
成長を感じます。
ありがとう!
家庭の数だけカレーがある!
パパ・カレー、お試しあれ!
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『パパ・カレー』
作:武田 美穂
発行:ほるぷ出版 2011年初版
ナマケモノヨガ
June 20, 2023
明日は国際ヨガデーです。
私が初めてヨガに出会ったのは、長男がお腹にいた時に産院で受けた、マタニティヨガでした。
当時はやや不安定な妊娠後期を過ごしていたのですが、ゆったりと心も体も安定していく感覚に、驚いた記憶があります。
その後は、時間を見つけてホットヨガに通ったりもしていました。
マッサージを受けた後のようなスッキリ感が得られることに気がつき、家でもやってみるようになりました。
体がかたく、膝も伸びない私ですが、ヨガは自分の状態に合わせて行えるのが良いところ!
今の自分を知って、認めて、大事にしてあげる時間だということを実感できます。
ヨガインストラクターの友人が以前、ヨガで心に余白をつくるということを言っていたのですが、なんだか本を読むことにも似てるかも!
ヨガでも絵本でも、何か自分に合ったもので、心に余白を作ることって大切なことだなあと感じます。
なんか最近いっぱいいっぱいだったかも、ということに気がつけるかどうかが、大事なのかもしれません。
余白の美
昔習っていた書道の先生が、よくおっしゃっていたことです。
何事にも、余白を意識する習慣を身につけさせてくれた先生に感謝!
『ナマケモノヨガ』は、親子でポーズを真似しながら、気軽にヨガを楽しめる絵本です。
夏至の夜、ヨガで余白を感じてみてはいかがでしょうか。
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『ナマケモノヨガ』
著:新井 洋行
発行:ポプラ社 2023年初版
た
June 24, 2023
小学生のころ、学校行事に、田植えと稲刈りがありました。
田んぼに足を入れた時のひんやりした感じ。
取られて尻もちをつき、立てなくなった時の絶望感。
虫に刺されて足がパンパンになったこと。
鎌の使い方。
秋の山の匂い。
木を組んで作られた、稲架と呼ばれる物干しのようなものに、稲を干す作業への不思議な憧れ。
冬には、そのお米を使った餅つき大会もありました。
私たちの体験したことは、稲作のほんの一部ですが、楽しい懐かしい良き思い出として、しっかりと心に刻まれています。
『た』は、畑を耕し、種を植えるところから、収穫してお祝いをし、いただくところまでを、全て「た」から始まることばで、力強く表現された絵本です。
見ているだけで力がみなぎってくるような、いのち、生命というものの力が溢れているような、そんな絵本です。
明日の道の駅にもお持ちする予定です。
ぜひ、体験してみてください。
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『た』
作:田島 征三
発行:佼成出版社 2022年初版
よつばのおはなし
June 29, 2023
先日、遠方から友人が遊びに来てくれ、久しぶりに当時の仲間たちと集まりました。
会うのは10年近くぶりなのに、「今日もおはよう!」という感じで会えるのは、不思議でもあり、嬉しくもあり。
みんなで出店中のお店をのぞきにも来てくれたのですが、ふと、そのうちの一人が、足元で四つ葉のクローバーを見つけました。
昔から四つ葉を見つけるのが得意だったよね!という懐かしい話から、押し花の話、何やら科学的な話も出て来て、それぞれが発する言葉に個性が表れているのが、ほんとうに面白いなと思う瞬間でした。
そのときに思い浮かんだのは、かとうまふみさんの新刊、『よつばのおはなし』です。
「どうしてわたしだけ(あの子だけ)、みんなとちがうの?」
誰もが一度は感じたことがあるかも知れない問いに、やさしく寄り添う、あたたかい物語です。
子どもに読んであげたいと思っていた絵本は、一瞬にして、ここにいる私たち自身の物語になりました。
ありのままの自分と相手を愛する、自由で自立した人の集まりが、今ここにあることを実感した気がしたのです。
絵本に登場するよつばの子たちのような気持ちの変化を、ゆっくりゆっくり時間をかけて繰り返し経験し、わたしたちは大人になってゆくのかなと思います。
わたしの好きなシーンは、表紙にもなっている絵が描かれたページです。
共感してくれる方、きっと多いのではないでしょうか。
ぜひ、読んでみてくださいね!
(絵本で四つ葉さがしもしてみてね!)
奇跡のような出来事は続き、その数時間後、なんと、作者のかとうさんにお会いすることができるなんて!
普通の毎日は、奇跡のような日々なのだと、しみじみと感じています。
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『よつばのおはなし』
著:かとう まふみ
発行:佼成出版社 2023年初版
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