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レティシア書房店長日誌

「銭湯生活2」発売です!

 えっ、こんなに町の公衆浴場を愛する人がいたなんて!と驚いたのが、おしどり浴場組合が2022年に発行した「銭湯生活」(880円)でした。当店でロングセラーを続け、今も売れているミニプレスです。高い評価?を受けて、なんとその第二弾「銭湯生活2」(1100円)が発売されることになりました。

 ページをめくると、「銭湯夜景」という夜の街角に浮かび上がる各地の銭湯の姿。ひっそりとした商店街で、お客を待つ「栄町温泉」(兵庫県尼崎市)の写真が哀愁を誘います。「ゆるやかな 風に流れに身を潜め 下町の夜に 孤独が溶ける」添えられた詩が、昭和歌謡のように沁みます(笑)
 2号の目玉は二つ。最初は、「電浴漫遊記インタビュー編」。電気風呂を導入しているお風呂屋さんの大将、女将さん、あるいはスタッフの方に、設置されている電気風呂への思いや、来店されるお客様の声を聞き出したインタビューです。元気で、楽しそうな表情の皆さんの写真もあって、おそらく、こんなに多くの銭湯の経営者のお顔を見ることができる雑誌って、本邦初じゃないですか?登場するのは京都、大阪、神戸、そして鹿児島の銭湯です。「電気風呂での好きな体勢は?」という質問が用意されているあたり、さすが電浴研究家のけんちんさん。

 目玉の二つ目は2022年6月5日に閉店した錦湯について、その後のレポートです。京都以外の人には、錦湯?どこ、それ?という感じかもしれませんが、地元では閉店がかなり話題になりました。
「錦湯は錦市場のすぐ近くの京都の中心市街地で、戦前築のレトロな姿のまま営業していたことに加え、定休日には脱衣場で音楽ライブや落語会など様々なイベントを行うことでも知られた銭湯だったから、閉店のニュースは瞬く間に広まった。名物店主だった長谷川さんにお世話になった人や、錦湯に楽しい思い出を持つ人も多い。東京など遠方からも最後の挨拶に来る人は後を絶たず、ラスト1週間は芋の子を洗うような混雑ぶりだった」と、この記事を書いた林さんは書いています。
 そして今回、錦湯の屋根裏から建築時の棟札が見つかったのです。そこに、昭和5年10月吉日の文字が見つかりました。
「京都市の調査報告書にも昭和2年と書かれているし、僕自身も長谷川さんからそう聞いていたが、実際は昭和5年(1930)築だったのだ」と林さんは驚きを込めて書いています。さらに、湯屋建築棟梁の水野榮蔵さんの話へと広がりをみせて、次号が楽しみになってきます。
 銭湯の記事だけでこれだけの雑誌が2号まで出るなんてすばらしい。銭湯文化の奥深さ、そしてそこをこよなく愛する人々の思いがぎっしりと詰まった雑誌だと思います。(現在第1集も再入荷しています)

 ●レティシア書房夏休みのお知らせ 8/21〜8/29日。よろしくお願いいたします。

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