見出し画像

田舎で~本屋営業日記 R4.2.19

小さな本屋を始めて2年が過ぎた。
改めて『私は本屋なんだな』と、今更ながら実感している。
感覚としては、本屋≒(ニアイコール)書店員といったところだろうか。
公私ともに、生き方としての「本屋道」を歩ませてもらっている。

個人書店を開いてから、お客様(読者)の要望はオールタイム承るようになった。企業書店員の頃なら、○○書店という店舗に向いていたお客様の視線が、営業時間などは関係なく、直接、私に向けられることが増えたということなのだろう。
電話やFAX、メールは言うまでもなく、SNS(twitter、facebook、instagram)からのメッセージや、SMSといった各ツールで連絡を下さる方は多くいて、いつも読者と繋がっているような感覚でいる。

そして気付くのは、大きな書店でも面倒と敬遠されがちの本の問い合わせが多いことである。例えば、官報(役所発行の本)、洋書、地方小出版の本、直販本、学術書、サイン本、絶版本など・・・、即書店から断られるような類の本の問合せである。
これらは確かに手間がかかることが多い。web上に無ければ、電話やFAXを多用して手配するしかない。また、流通過程で問屋を複数経由しなければならないケースもあるので時間だってかかる。且つ、買切りなど。

けれども、小さな街の本屋を最後の「砦」として頼ってくれる、そんなお客様の存在が嬉しくて、いつも最善を尽くしたいという気持ちになる。
「教科書を無くしちゃった」と訪れる子どもや、「絶版」とされた本でも、稀に取寄せられた時などに見るお客様の反応笑顔は、本屋として、なんともいえない喜びである。
身体の不自由な方や、ご年輩の方に行っている配達・走る本屋さんも同様である。

なんでもそうだが、「面倒くさい」或いは「手間がかかる」と思わせるものの中にこそ真理は眠っているのではないだろうか。
小さな本屋の生きる道として、痒いところに手が届く存在であり続けたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?