直取引トランスビュー

本屋のみなさまへ:トランスビュー直接取引(取引代行)について簡単に

2019/11/18追記・修正あり

トランスビューという、出版社なのか取次なのかよくわからないところでしこしこと働いているのですが、最近少しずつ世の認知度も上がってきて、というか取り扱い版元数の増加と良書の増加によって読者がトランスビュー扱いの本を所望する絶対数が増え、だがしかし書店側はあまりトランスビュー(の仕組み)を認知していない、故のあれやこれやが増えている、気がするので、ちょっとここらで簡単に、僕が知っている仕組みだけでも説明しといたほうがいいような気がしまくりまくりなので、はい。この本欲しいんですけど。(うーんよくわからないな。検索も出てこないし)取り寄せできない本ですね。とかなっちゃうとみんな悲しみ切なみ溢れまくりですし。おすしたべたい。


ここはちがうね!というところがありましたらお直しをおねがいしまする特に関係者のみなさま。


ちなみにトランスビューの仕組みについては『まっ直ぐに本を売る』(石橋毅文・苦楽堂)や『HAB 本と流通』(松井祐輔・エイチアンドエスカンパニー)などで詳しく説明されてますので、ええ。ちゃんとしたのが知りたいひとはそっちを買って読んでね。このnoteはあれです、ネットでちゃちゃっと無料で読みたい、THEネット社会的なあれをご所望する現代人(種名:ネイバーマトメスッキャネン)の皆さま用でございまする。
さらにちなむと、『まっ直ぐに本を売る』の発行元である苦楽堂はトランスビュー扱いなので、この本を自店で発注するともれなく直接取引(取引代行)を体感できるという優れものでござい。



とりあえずこれだけは先に言っておきたい。

本を扱うお店ならどこでも注文可能である。ということを。

何にも怖くない!直接取引!トランスビュー!

①概要
トランスビューは出版社であり、流通会社でもあります。星雲社やサンクチュアリ、日販IPSと同じようなものでちょっとちがう、そんな感じのものと思ってくださいとりあえずは。
2019年11月の時点で100社くらいの出版社の本を扱っていて、それらの本を書店(または本を売る意思のある場所)に送品しています。お金の管理も。
つまり小さな取次だと考えれば無問題です。モウマンタイ。ただ、自社本も刊行している「出版社」でもある(というかそっちが本業。途中から他社本も取引代行をはじめた)というのが特殊というかなんというか。

また、注文出荷制という方法を採用しています。つまり新刊の配本はありません。本屋側が発注しないと、いくら待てども本はやってきません。これ、実はとても大事なポイントなのよ、奥さん。

②流れ。大雑把に。
せっかくなので『まっ直ぐに本を売る』を例にとりましょうか。あなたはこの本を発注しようと思った。あるいは客注があった。さあどうしよう。

その前にやっぱりこの説明が必要でした。トランスビュー扱いの本は直接取引か取次経由かを選べます。これとても大事です。

・直の場合→7掛け。送料無料。取引口座を開いている場合はそこから、口座を開いてない場合はコンビニ支払い用紙を同封するのでそちらから(振込手数料は無料です)(かつては郵便振替でしたが変更になりました)。基本的には注文日から1~3日で届きます。取引口座を開いている場合、返品可能(送料は書店負担)。ちなみに口座を開くといっても大取次さんのような大層なものではなくて、簡単な覚書を交わすだけなので構えないで大丈夫です。
追記。支払いスパンについて。
取引口座あり→新刊発売日までの事前発注分は基本3ヶ月後の請求になります。発売日以降の注文は月末締めの翌月末支払いです。
取引口座なし→月末締めで翌月10日頃までに前述のコンビニ支払い用紙が行きます。

・取次経由の場合→掛け率は取次さんのものになります。だからとりあえず20%くらいとか考えてればOKかと。流れとしては、まず神田村にある八木書店(取次です、書店ってついてるけど。出版部もあるけど)に搬入され、次に日販やトーハンなどの取次に搬入されます。要するに仲間卸ってやつです。なのでだいたい1週間くらいは見込んでください。ちなみに大阪屋、あ、もう楽天なんちゃらですね、そこは八木書店を経由せずに直接行くので、搬入が数日はやいです。あと、自店の帳合取次内で出荷保留されることもあるようなので、ご注意を。トランスビューが把握できるのは八木書店から他取次さんへの搬入日までで、それ以降のことは確認できません。悪しからず。で、返品は不可。不可です。大事なことなので2回言いました。返品不可です。3回目です。

ということを確認して、イメトレに戻ります。あなたは『まっ直ぐ』を注文したい。とりあえずトランスビューに電話かファックスをお願いします。今のところノックスやトーネッツのような発注システムがないので。鋭意開発中とのことですが。ちなみにものによってはノックスやトーネッツで検索&発注も可能ですが、その場合問答無用で「取次経由」での納品になるのでご注意を。掛け率高めの返品不可です。
電話をするとトランスビュー人が出ますので、そのトランスビュー人に「『まっ直ぐ』くれ」と言ってください。すると直接にしますか、取次経由にしますか的なことを訊かれるので選んでください。

さあここでどっちにすればいいかわからない、または自店が取引口座を開いているかどうかがわからなくて不安になってしまったあなた!とりあえず口座に関しては全国チェーンなら開いてる場合が多いです。とにかく口座開いてるチェーン店なら、「納品は店舗に」「請求は本部に」いくようになってます。ご安心を。チェーンじゃないとことかとにかくよくわかんないところは、店長みたいな人に訊いてください!
ていうか口座なくても直接取引は可能なので、とにかく自店の都合が良いほうを選択してください。時と場合によって直と取次を使い分けてるお店もあるみたいですし。もちろん電話口のトランスビュー人に確認していただいても大丈夫ですよ。

ちなみにここでまた大切なことなんですが(思い出した)、ノックスとかには

「発行:〇〇 発売:トランスビュー 取扱所:八木書店」

のように表示されているようなんですが、取扱所の表記に惑わされて八木書店に電話しても「トランスビューにかけなおしてください」ってなってしまうのでご注意を!たとえ取次経由(つまり八木書店経由)での納品希望でもトランスビューにかけてください。わかりにくくてすいません!土下座ってます!しかも版元によってはトランスビューのほかに取次と独自に口座を開いているとこ(例:えにし書房→八木書店)もあるので、その場合は「取次経由をご希望の場合は版元へお願いします」となることもあるんですが!まじですいません!なんとかしたいねこれ!!土下座ってます地面めり込みで!!

とりあえずトランスビューに連絡を。これだけです。言いたいことは。トランスビュー(というか直接取引)は怖くない。ということ。だけ。こんなに長く書いといて。

とにかく「トランスビュー?なんじゃそりゃ?」ってなって気になった本があっても発注しない、客注がきても「取り扱えないですね」とか言ってしまう、なんてことが起きないように!いまこれを!書いた!のだ。 

最後に概略図を描いた。正直これだけでよかった感が半端ない。ぜんぜんネイバーマトメってない。

ていうか読めるのかこれ。字が汚い!

本の流通の仕組みはとかく複雑で、しかも手間がかかって、マジめんどいもうムリす、なのは僕も書店員なのでわかるんですが、お客さんにとっちゃそんなのは関係ないですし、仕組みを理解してないことが原因で本を手に入れられないなんてことが起きると、お客さんから版元までみんな悲しみ切なみブリンブリンなので、それはなんとかして避けよう、みんなよろしく、みんなでがんばろうね、本、ちゃんと届けようね、というアトモスフィア、バイブスを感じてくれれば完璧です。はい。

あと、トランスビュー扱い版元の新刊情報は、毎月月末にまとめてクロネコヤマトのDMで送っています。え!気になる!ウチには届いてないよ!というひとはトランスビュー(または僕)に連絡ください。次回から送ります。最初にも言いましたが、トランスビュー扱いの本はすべて「注文出荷制」です。新刊見計らい配本はありません。これからの時代、能動的に本(の情報)を仕入れる姿勢のない本屋はキツくなってくると思います。いつまで取次があるかもわかりませんし。注文出荷制に慣れておく必要があると、個人的には思ってます。

話が長い!タイトル変えたほうがいいね!

あとがき(?)
返品についてです。取引口座のある本屋さんは随時返品が可能です(もちろん直接取引で納品をしたものに限ります)。
返品了解という非常に手間な行為は一切いりません。指定の返品書とかもないので、
・店名
・書名
・冊数
のわかるものを用意してくれればなんでもいいです(本体価格ごとにまとめられると面倒なのでやめてください、書名ごとにまとめてください。なので本体価格とか書かなくていいです、上の3点だけで大丈夫です)。
また、お願いとしては「きちんと詰め物をして本を守ってください」ということだけは声を大きくして言いたい!返品時に本が傷むことほどしょうもないロスはありませんので。

あと、ほかの直接取引の版元の本が定期的に混ざってます。笑
たとえばミシマ社とかディスカバーとか、あるいはHAB扱いの本とか。スリップなどを丁寧に確認してから、箱に詰めてください。

送り先はスリップにあるトランスビュー事務所まで。送料は御負担願います。


noteの利用をやめています。記事を読んでサポートしたい!となった場合は以下のリンクへ飛び、下部にある「サポートする」よりご支援いただけると幸いです。 https://books-lighthouse.com/aboutthispage/