2018/08/18
現状、lighthouseは仕入れを八木書店で行なっている。買切り。現金を店売で。ある程度の金額以上なら送料無料。
この環境で本屋を開き、客注が入った場合。あるいはテレビ紹介などで一気に売れ始めた本を仕入れたい場合。などなど。店着は、はやくても1週間はかかる。発注はメールでもできるけど、八木さんの店売在庫にない本の場合は日販からの仕入れだし、日販にない場合は版元→日販→八木となる。八木店売にあっても、僕が八木店売に行ける日が限られているから、どちらにせよ少なくとも1週間くらいはかかる。
では、急ぎで。と言われたらどうしようかと。とりあえずいまは志津でなんとかする。社割で買ってlighthouse在庫にする。もちろん志津にない場合もあるけど。在庫がある可能性としてはいちばん高い。それがいまはできる。じゃあ完全にlighthouse1本になったら、どうするのか。例えば取次帳合を持っている近隣書店に「仲間卸」の協力を頼む。具体的にはくまざわイトーヨーカドー幕張店さん、とか。幕張近辺の書店。
とりあえずいままではそういう思考回路でいたんだけど。大手取次(いまのところトーハン日販大阪屋栗田、としておく)がなくなって、いや、なくならなくても、毎日のように納品返品があるという環境ではなくなったとしたら。実際問題、そんな未来は現実に近づいているわけで。取次(=毎日納返品できるとこ)を前提にした本屋論「だけ」を続けていていいのか。という思いが強まっている。
そしてもっと観念的なものになると、「速さ」への違和感みたいなもの。それだけを追い求めていいのか。みたいなものがどうしても浮かんでくる。
少なくとも。ひとが本をピックアップして、ひとが本を詰めて、ひとが運転する車で本が運ばれている環境下において、速さを追求していくことはひとを消耗させることにも繋がっている。いまも、そしてこれからも。
さらに。情報の速さにおいても、ネットには勝てないわけで。いまも、そしてこれからはもっと。
本の物理的な移動の速さは、全機械化されれば解決するのかもしれない。機械がピックアップし、機械が詰め、機械が運転する車(あるいはなにか)によって運ばれる、そんな世界が実現すれば、「勝手に」解決する。僕らがなにをしようと、あるいはなにもしなくても、解決してしまう。
ならば僕らは、僕らが「何かをしなければ」解決しない環境下において、なにをしなければならないのか、を考えたい。つまり、本は素早く作られないし、素早く届けられることもない、そんな世界のなかで、どう生きるのか。これから本屋を開こうとしているひとは、取次がない世界で本屋を営むイメージをしたほうがいいのかもしれない。あったらラッキー。なくても問題ない。あるいは、取次はあっても、納品スピードはいまより遅い。そういう世界。はやく納品されればラッキー。遅くても問題ない。
そういう仕組みを、運営方法を、次世代の本屋は考えないといけない。そんな状況にある、と思っている。
秋の花粉が出てきたのか鼻水タランティーノ監督で頭が重い今夜は、この問いの答えを出すことはできないのでここまでにする。スローな世界が好きだ、みたいな話ではなく。もっと実際的な問題として、「遅くても問題ない」「不便でもなんとかなる」を成立させないといけない。
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