問答013

○ : 先生、お久しぶりです!
● : おい… 声がでかいぞ。
○ : はい、すみません… しばらく先生にお会いしていなかったもので、うれしくて…
● : キミは、あいかわらず元気なようだな。
○ : はい! もちろん元気です!
● : おい…  声がでかいと言ってるじゃないか!
◯ : どうしたんですか、先生、いつもと様子が違いますよ。
● : 例のものは持って来ただろうな?
◯ : ハイ、持ってきました!夏の読書計画ですよね?
● : おい!それを口に出してはいかんぞ!そのために「秘密文書」にして持ってきてもらったのだからな。
◯ : 秘密文書だなんて、大げさですよ先生。ハイ、これがプリントアウトしたものです。
● : これが君の今年の夏のどく、、、
◯ : どく、何ですか?
● : リーディング、、プラン。
◯ : 先生!普通にしゃべりませんか?会話が進みませんし、周りを見てください、誰もいないですよ!先生と僕の2人だけですよ!
● ; いや、君、忘れてはいかんぞ!我々の会話は読まれているのだぞ!
◯ : わかってますよ!だからちゃんと僕たちがしゃべらないと読者に伝わらないんですよ!
● : 君の真剣さに負けたよ。とにかくこの夏の読書計画の話だ。君のリストを読んでみるぞ。
「読書は格闘技」瀧本 哲史
「ロンドン・アイの謎」シヴォーン・ダウド
「虫眼とアニ眼」養老孟司&宮崎駿
「脳は世界をどう見ているのか」ジェフ・ホーキンス
「フルスロットル」ジェフリー・ディーヴァー
「潔白の法則」マイクル・コナリー
「苦しかったときの話をしようか」森岡毅
「いずれすべては海の中に」サラ・ピンスカー
● : 面白そうな本ばかりじゃないか!そして、私が君に薦めた本もしっかり入っているな!うれしいぞ!
◯ : 先生にそう言ってもらえると僕もうれしいです。サラ・ピンスカーの世界観にハマってますよ!
● : 君がSFにハマるなんて、めずらしいじゃないか!
◯ : 今度、先生の読書計画も教えてください!
● : いや、ダメだ。それは教える訳にはいかない。
◯ : どうしてですか?
● : 読書計画などないからだ!
◯ : 先生!この間、「私は毎年夏の読書計画を立てている。君も作ってみたまえ!」って話してたじゃないですか!
● : 「読書計画を立てていた」と言ったんだ!もう作るのはやめたんだよ!
◯ : どうしてです?
● : 計画など立てても、計画通りなんて読めるはずがないからだ!そして、挫折感だけが残る。そんなことを毎年繰り返してきたからだ。
◯ : なら、どうして僕に読書計画を作れなんて言ったんですか?
● : 君にはできると信じているからだよ。
◯ : 先生は、それでいいのですか?
● : いいのだよ。私は心の赴くままに、読みたいと思う本を読み続けることにするよ。
◯ : 先生、とってもかっこ良いと言いたいところですが、それが先生の積読本を大量発生させる原因かと思いますが…
● : 、、、しばらく1人にさせてくれ!
◯: 先生、、、

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