問答009 2度読んだ本ってありますか?

○:先生は、同じ本を2度読むことってあるんですか?
●:私には、買って1度も読んでいない本がたくさんあるんだよ。だから、2度も読んでいる暇などないんだよ!
◯ : 先生が次から次へと本を買いまくるからですよ!
● : 君は、私の本の買い方について、イチャモンをつけるつもりなのか?
◯ : いいえ、そんなつもりは、、、では、2度読んだ本はないんですね?
● : いや、あるよ。
◯ : よろしかったら、本の題名を教えていただけませんか?
●:うーん、確か漱石の『こころ』は2回は読んでいるな。あと、志賀直哉の『小僧の神様』。梶井基次郎の『檸檬』。
○:それって古典ですか?
●:きっと読んだことはないのだろう?
○:漱石の『こころ』は読みましたよ。でも、かじい何とかっていう人は知りません。
●:そうだろうなあ。
○:ミステリー好きで、最近SFを読んでいるっていう先生のイメージとは何だか違いますね。でも、ミステリーは1度読むと話が分かってしまっているから、2度は読みませんよね?
●:そんなことはないと思うが、あまり読んでいないかもしれないな。
○:でも、すごく面白かった本をもう1度読んでみるのもいいかもしれませんね。先生は忘れっぽいから、どうせストーリーを忘れてしまっているんじゃないですか?
● : 君は、私を記憶力の低下した老人だと言いたいのか?
◯ : いいえ、そんなつもりはあったかもしれませんが、今はないです。
● : なに?
◯ : まあまあ、先生。そんなことより、もう1度読んでみたいミステリーってありますか?
●:ローレンス・ブロックの『八百万の死にざま』をもう1度読んでみてもいいかな。
○:じゃあ、僕それ読んでみます! 先生が2度読みたくなるミステリーならきっと面白いですよね。
●:君に読んでもらえたら、私もうれしいよ。

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