問答016
○:先生!読書のスピードをあげる方法を教えてください!
●:どうしたんだ、急に。
○:電車の中で本を読んでいる人がいたんですが、すごくページをめくるのが速いんですよ。 僕が1ページ読む間に、5ページぐらいめくっているんですよ。
●:つまり、君の5倍の速さというわけだな。
○:そうなりますね。
●:君は、もしかして心の声で本を読んでいないかね?
○:何ですか? 心の声って。
●:声にこそ出さないが、心の中で音読しているんだよ。
○:そう言われてみると、そう言う読み方をしている時があります。
●:やっぱりそうか。私もかつてそうだった。小学校時代、先生に突然「もくどく」をしなさいと言われた。
「もくどくは声を出さずに、だまって目だけで本を読む読み方です。」というようなことを言われた記憶がある。
しかし、いくらやってみても、心の中では声を出して読んでしまうんだよ。
○:先生は、どうやってそれを克服したんですか?
●:それが、よくわからないんだよ。 いつの間にか心の声を出さずに読めるようになったんだよ。
○:じゃあ、どうすれば、心の声を出さずに読めるようになるかは、先生には分からないんですか?
●:いや、そんなことはない。声を出さずに読むだけなら、君にもできるはずだ。これは、だまって読む「黙読」だ。しかし、君のように心の中では声を出してしまうことがある。これでは実際に音読しているスピードと同じなんだよ。
読書のスピードをあげるのには、目の動きだけで読む「目読」ができるようになればいいのではないかと私は考えてる。
○:どうすればその「目読」ができるようになるか、教えて下さいよ、先生。
●:だめだ。
○:どうしてですか!
●:君が私より速く読めるようになったら困るからだ。
○:そんなあ…
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