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生成型AIの裏の仕組みはオープン愛だった

私たちの知らないどこかの話です。
その世界も私たちと同じような文化と生活習慣があり、どこを切り取っても一見ちがいがわからないぐらいだ。その世界の制度の特徴は、究極の民主主義の形態としてそこに住う人々の知恵を集約して意思決定しているということがある。具体的にはデータの形で集めるのでサーバーに蓄積されるわけです。集め方は割とシンプルで、ブラウザに常駐したプラグインが、そのPCなりスマホ所有者がちょっとのんびりしている隙をついて、色々質問を投げかけてくるという仕組み。そのプログラムは色々質問をしていく中で所有者が詳しいこと、得意な情報を学習していって、より質問も専門的に根掘り葉掘り進んでいく。これは知っていますか、これはどうですかと容赦がない。

住民は答えても何の見返りもない、かつ答えなかったからといって罰則があるわけでもないので無視してもいいのだが、マニアックな情報を提供するとプログラムがすごい!って褒めてくれるので喜んで答える人も一定数いるようである。トピックがマニアックであればあるほど、自分の知識を披露したいと思っても友人や家族も話につき合ってくれないのは我々の世界でも同じですね。どれだけディープな話をしても飽きることなく次の質問を浴びせ、答えると喜んでくれるプログラムが、格好な話し相手としてなくてはならない存在になっている人もいるとかいないとか。まあ、わかる。かくしてその世界の集合知は幾何学的なペースで蓄積されていたのです。そこに目をつけたのがオープン愛という我々が住む世界の企業で、AIはオープンでないとダメっしょ。愛だろ、愛っ、と永瀬正敏のCM(30年前のカクテルバー)のように迫って、業務提携したのである。

かくしてその集合知をマイニング、そしてリアルタイム知恵袋のようにマッチングして、我らが世界の住人のお悩み事や知りたいことにこたえるサービスとして提供されたのである。あまりの反響の大きさに、かの世界の住民にはこれまでより頻繁にプログラムからの質問が舞い込んだ。もうわけわからないので適当なことをでっち上げる人も結構いたようだ。かの世界の当局は、比較的しっかり答えている人にはちょっとした報酬を支払うことにした。オープン愛が有償でも需要ありとサービス体制を組むということで財源を確保したのだ。最近話題の生成型AIと呼ばれているものがこのサービスである。一方かの世界では、このプログラムを「SAYSAY型AI」と呼ばれているそうである。おしまい。

SAYSAY型AIという言葉を思いついただけだったのに朝からこんなに長く書いてしまうとは思わなかった。。


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