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鑑賞メモ:ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END

『不思議の国のアリス』の挿絵のような細かい線画のイラストが好きで。はっきりした黒と白で濃淡や質感を出すような絵が好きで。ゲームブックやD&D(ダンジョンズアンドドラゴンズ)のようなファンタジーが入るとさらにうれしい。単に観ていて幸せ感がある。そんな子供でした。色々自分でやってみよう、とすることも多かった頃ですが、これに関しては真似する気も起きなかった。デッサンとかはやってみたくなったりもするが、これは全然別の特殊な職人技だ、と決めつけていたような気がする。

大人になってからも、好みというところではあったけど積極的に触れにいく、ということはなくなった。細かい絵、というところではミニアチュールやモスクの写真をフォローしたり、はしているのだけど。そんな中でヒグチユウコさんの絵やイラストは、ドンピシャに素敵で、MOEとか本のカバーに見入ったりしたことはあったが、それ以上掘ることもなく、作風とお名前を合わせて頭のどこかの「スキ」リストに入れてある感じだった。

今回東京で大規模な企画をやっている、というのを駅ばりポスターで見つけて、またそのポスターもとってもそそる感じで気に入ったのでこれは行かなくてはと娘を誘い、テスト前だからと断られ、テストが終わり春休みが始まり、あれもう終わっちゃうじゃんということで春休み最終日に行きました。企画の終了間際で時間を延長して18:00からの部。ということはやっぱ人気あるんだなあ、どういう人がきてるんだろう?とそれも気になりながらアリス展以来の、森ギャラリーを訪問。あら、10分前に入ったのに行列。周りはブローチを仕込ませている方、Tシャツをきている方、GUCCIであろう猫ちゃんがあしらわれているバッグを持っている方、なかなかに熱量あり、そして会話から、リピートしてるんだなと思われる空間にちょっとアウェイ感を感じつつ入場。

作品の数に圧倒された。作品展示の密度がもう、普通じゃなくて間隔も、密なのである。モザイクみたいに組み合わされ、何なら重ねられてディスプレイされている。2次元も、3次元も。猫ちゃんもワニもキノコも建築物も内臓も。いつまででもみていられるなあ。禍々しい+可愛い=まがまかわいい。これはすごいなあ、と思ったのが最後のブースにあった作品が描かれていく過程をタイムラプスで撮った動画。シュールな構図で緻密なタッチ、独特の淡い色使い、が一見ランダムに、気まぐれにも見えるような自在さで書き進められていく。下書きから緻密に描かれているというよりはいきなり本番という感じに見えた。これは圧巻。

とてもあったまった状態でミュージアムショップへ。娘はTシャツを、私は目録とトランプを買ってしまったよ。


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