税務調査編④ 調査官の種類と役割、日頃からの意識

マルサという強力な調査官

事前通告なしでの税務調査はマルサと言われ、国税局の査察部門が捜査令状を以て強制捜査に来る。ひどい場合だと事業所だけでなく店舗や自宅や工場や愛人宅などに一斉に同時調査に入られることもある。こうしたガサ入れでは経営者が覚えていないような原始記録たとえば社員の認印やかつて取引のあった企業の名刺など帳面にないものがどんどん出てくる。マルサは調査対象となった経営者を取り巻く人間関係を徹底的に調べるが、特殊関係人と言われる愛人については特に厳しい。マルサは令状を以て強制的に調査し、刑事事件として立件してその経営者を脱税犯とし逮捕することが仕事。ほかにも機動官という調査官もいて、一年中資料収集を機動的に行うことが目的。

ランチタイム中の調査官目線

調査官はランチタイムで飲食店に入るとレジの知覚やレジが見える席に座り、お金の出し入れを観察する。たとえば店のオーナーだけがレジを管理していたらお金の管理が甘い可能性がある(売り上げの一部をポッケにしまったり)と推察できる。また、席の数や客の多さ・スタッフの人数やメニューの価格から店の売り上げをおおよそ計算したり、伝票にきちんと金額や日付や一連番号などが記載されているかを確認する。実際の調査では売上伝票などが保存されていない場合、仕入金額を調べて粗利率と売上金を算出し、その金額で修正申告を慫慂(しょうよう・調査対象者に修正申告書を提出するように勧めること)することもある。

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