政府が掲げる食糧自給率向上の大嘘といい加減な数字
食糧自給率は金がかかっているだけのただの宣伝文句にすぎない
政府と農水省は輸入がストップしたら多くの人が飢えるため食料自給率を上げようという主張しているが、そもそも食料自給率というのはかなりいい加減な数字。2008年には17億円の予算を使って自給率広報宣伝を電通を使っておこない、それにメディアがのっかった。また、2009年の食料自給率向上に向けた総合対策予算は3015億円にも上った。日本は世界最大の食糧輸入国であり海外に食糧を依存しているという文言で食料自給率向上を叫んでいるが、そもそも農産物輸入で見ても一人当たり輸入量でみても世界一位ではない。
食料自給率のカラクリ
農水省によると食料自給率とは国内で供給される食糧のうち国産でどれだけまかなえているかを示す指標。重量や品目別や飼料など様々なベースがあるが、主にカロリーベースと生産額ベースの二つの指標による自給率がある。農水省や政府が叫ぶ食料自給率41%というのはカロリーベースでの計算であり、国民一人一日当たりの国産供給カロリーを一人一日の全供給カロリーで割って算出する。問題となっているのは、この際の分母である供給カロリーが実際に摂取しているカロリーのことではないということ。この計算の分母である供給カロリーには外食チェーンやコンビニによって毎日大量に廃棄されたり家庭で食べ残される食糧が含まれているため、実際の摂取カロリーとは大きくかけ離れた数字となっている。また、近年では摂取カロリーを控える動きも一般的になっているので、実際の消費カロリーで計算しないと実態を反映しているとは言えない。分母の供給カロリーがこのように大きくなればなるほど国産の比率つまり自給率は下がる。また、分子の国産供給カロリーには農産物を販売しないような自給自足的な農家または副業としての農家の生産物が含まれていない。さらには、飼料自給率というものを乗じて計算されるのだが、これは国産ではない餌を食べた国内の家畜が国産品として計上されないというもので、輸入品の飼料を与えた家畜を何億円も販売したところで国民に供給した国産品カロリー供給量は0のままとなってしまう。さらにさらに、日本は野菜の生産が強いのに(野菜の重量換算での自給率は80%超え)、野菜はカロリーが低いため農水省の計算方式では自給率に影響を与えにくい。そのため、実際の生産量や生産力はカロリーベース食料自給率よりもずっと高い。実際の摂取カロリーなどで食料自給率を計算してみると、農水省のものよりも10%以上高くなり、民主党政権期に目標としていた自給率50%をすでに大きく超えていることになる。それだけでなく、この計算方式だと輸入を減らせば食料自給率は簡単に高くなるので、日本の経済力が弱まって食料を海外に輸入すればするほど食料自給率は上がってしまうということになり、国民が実際に摂取できるカロリーは減少してしまう。もう一つの指標である生産額ベースの食料自給率はマスコミにはほとんど登場しないし、そもそもカロリーベースで自給率を語っているのは日本くらいだし自給率を計算しているのすら日本くらい。