成年後見制度で老いじたく! ③法定後見制度を使って遺産や悪特商法等のトラブル回避へ

①法定後見制度と起こりうるトラブル例

成年後見制度のうちのひとつで、任意後見制度とは異なりすでに判断能力が不十分になっている人のための制度。配偶者が家庭裁判所に申し立てをして対象者の成年後見人を選ぶ。子供などが老いた親に代わって法定後見人制度の契約をさせる際には注意が必要で、本人の判断能力が不十分かどうかが確認できないままに子供が財産争いの主導権を握るようになってしまうトラブルがある。そのため家庭裁判所ではどちらの親族にも関係しない公平な立場の弁護士を成年後見人に選ぶ。また、夫が亡くなったとき妻の判断能力が低下していて夫の兄弟と遺産分割協議ができないので、妻に後見の申し立てをするというケースもあるので、その場合は代理権の中に遺産分割協議や遺留分減殺請求を入れておくべき。亡くなったあとの医療費や介護費の支払い、葬儀や納骨などを任意後見契約を結ぶ際に特約事項として依頼しておくこともできる。

②選ばれる法定後見人の種類と与えられている強力な権利

法定後見制度は本人の判断能力の程度によってそれぞれ成年後見人・保佐人・補助人が家庭裁判所によってえらばれる。法定後見人は本人に代わって預貯金や不動産などの財産を管理し、介護や福祉サービスなどの契約をして本人の療養看護にあたり、本人が悪質商法(床下補強・外壁の工事や高級羽毛布団の訪問販売など)に引っ掛かって契約を結ばされた場合はそれを取り消すことができる(日常生活における買い物や成年後見人がつく前の契約に関しては取り消しができないし、先物取引で被害に遭った高齢者はその商圏会社から示談金として全額返還してもらえたケースはあるが、仮に訴訟を起こしても相手に資力がなければお金は取り返せない)。ちなみに任意後見人には代理権はあるが取り消し権はない。保佐人は強い同意権を有しており、悪質商法や訪問販売契約などを取り消すことができるが、預貯金の管理などは本人が預けたくないと言えばあずかれないため、代理権は強くない。補助人は代理権も同意権も本人の同意がある時だけ付与されるていど。

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