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【読書会】宮本輝『流転の海』②:第4~5章

こんにちは。7月3日(日)13:58です。今回のnoteは、7月4日(月)21時からclubhouseで開催予定のオンライン読書会のレジュメとしてお使いいただけるように作成しています。今回の講読範囲は、第4章(82~123ページ)と第5章(124~166ページ)です。普通の太さがぼくが書いた部分、太文字は引用となっています。

第4章

・松坂熊吾が戦前にビルを構えていた土地にバラックが立ち並んでいたが、ほどなく立ち退いていたのは、辻堂の働きであったと熊吾は察する。

・そのふたりの働きぶりに目を注いでいると、かつてこの地球上に戦争という地獄が展開されていたことが、あたかも幻影であったかのように思われてきた。/人間というものは逞しいものだなと、熊吾は思った。その思いは、やがて熊吾の胸に、あらゆる国々の戦争責任者たちに対する煮えたぎるような怒りを生じさせた(88ページ)。

・かつて世話をしていた柳田との商談に赴く。また商いのために、米兵のアンソニー・オカダを手なづける。

・また戦争が始まるぞ(略)共産主義と資本主義との戦争よ。この資本主義っちゅう言葉は曲者で、金持ちはますます金持ちになり、貧乏人はますます貧乏人になるっちゅう落とし穴を隠しとる(略)金のあるやるだけが、ええめをするっちゅう政治も正しいとは言えんやろ(107ページ)。

・この理不尽な、粗野な、我儘勝手な、好色な男が、一瞬垣間見せる理知的な目の凄さは何だろう(108ページ)

・「お前は、わしより先に死んだらいけんぞ」(122ページ)

・熊吾は乳臭い伸仁の体を抱きしめながら、自分が何のために生まれてきたのか、漠然とではあるがわかりかけてきたような気がしていた(123ページ)。

第5章

・キャスリン(カスリーン)台風=1947年9月15日。

・戦争裁判についての会話。旧知の河内善助との再開。

・井草が裏切り、行方不明になる。

・人は、多くのものを喪いつつ生きて行くのだな。そんな思いが、熊吾をいっとき悄然(ものさびしいさま)とさせていた(137ページ)。

・朝鮮戦争の予感。

・辻堂が合流する。

・井草が去ったあとに、時をおかずして思いがけず辻堂があらわれたということが、熊吾の心に再び闘志を甦らせていた(143ページ)。

・そんな辻堂を見て、熊吾は、この男をしあわせにしてやりたいと思った(159ページ)。

次回の予定

次回第3回は、7月11日(月)21時からclubhouseにて開催いたします。講読の範囲は、第6章(167~229ページ)とします。7章を加えると、ややページが多くなるため、6章のみといたします。

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今回は以上です。最後までお読みくださり、ありがとうございました。それではまた!


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