【読書会】宮本輝『流転の海』全巻読書会:第3部『血脈の火』第2章を読む
【23/01/10 追記あり】
こんにちは。
新年第一回めの読書会を開きます。今回は、『流転の海』第3部『血脈の火』第2章を読むこととします。なお、今回からmocriを使い、時間帯も20:30から22:00前後くらいまでと変更していますのでご注意ください。
主な登場人物
松坂熊吾 本編の主人公。50歳となってから、妻・房江との間に初めての実子・伸仁をもうける。2人の健康のため、故郷に戻っていたが、再び事業を展開するために大阪に戻ってきた。
呉明華 熊吾が開業した中華料理店・平華楼のコック。
松坂タネ 熊吾の妹。進学のため大阪に出た、実子の明彦とともに暮らしたいと房江に泣きついてきた。
杉野夫妻 明彦を預かった夫婦。
観音寺のケン 伸仁が仲良くなったヤクザ。地域の「顔役」。
琴井鉄次 筒井医師の義弟。熊吾の新事業に使われる消防用ホースの接着剤を開発した。
坂田照夫 馬引き。ビルマに出征していた。ケンに上納金を納めている。
丸尾千代麿 熊吾の大阪時代からの知己で、人のいい運転手。
井手秀之 熊吾の知己・周英文の娘である麻衣子と結婚するが、元の妻と逢瀬を重ねていた。
麻衣子 井手と結ばれるが、夫の不義を知ることとなる。
米村喜代 千代麿の子をもうけるが、死去。
浦部ヨネ わうどうの伊佐夫の子・正澄をもうけた女性。
丸尾ミヨ 千代麿の妻。麻衣子をかわいがっている。
あらすじ
昭和28年(1953年)6月、熊吾は①消防用ホースの接着剤の事業、②中華料理店、③麻雀荘を同時に始める。
伸仁、小学校1年生。一人でバス通学できるようになる。地域の住人たちとの交流を深めていく。
タネから房江に連絡があり、明彦と暮らしたいと言われる。ダンスホールや実家についての問題が起こっている様子。
接着材の開発者である琴井と会う。
馬引きの坂田と共にケンと会う。
消防用ホースのデモを行う。
熊吾、井手から千代麿に連絡があったと聞き、井手と会う。麻衣子が夜帰宅してこないと聞かされる。
祇園まで出向いた熊吾は宿泊先で麻衣子に会い、井手との件について真相を知らされる。
中華料理店「平華楼」開店初日。伊佐夫の子を産んだヨネからの連絡がある。会って千代麿の母と子を世話するように言い含める。
ポイント抜書き
息子は、ほんの短い時間に、じつに多くのものを目にしたのだと思った。なぜか、これであいつは生きていけると思ったのである(p.73)
賢いけど、雛鳥を親鳥から離したらあかんてことだけは、あんたよりもよう知ってると思うねん。それは、可愛い子には旅をさせっていう言葉とは別の問題やと思うねん(p.78)
自分は、たった六歳の息子の、いったい何を知っているというのであろう。/熊吾は、なんだか崇高なものを見る思いで、頼りなさそうに歩いている伸仁を見つめた(p.84)
泥棒に物を貰ったら、こっちも泥棒だ(p.107)
書いても書いても、きりがないくらい、お前のお父さんに報告したいことはいっぱいあった(p.127)
人間というのは、つまるところ、矛盾だらけの奇っ怪な心にひきずり廻されるものなのだ(p.134)
追記
23/01/10、読書会のライブ音声を作成いたしました。前半・後半とも、約30分ずつです。お手数ですが、URLから飛んでください。
後半です。
1月9日(月)分の「レジュメ」は以上となります。最後までお読みくださり、ありがとうございました。それではまた!
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