宮本輝『流転の海』全9部読書会をふりかえる②
こんにちは。
「~ふりかえる①」が途中で力尽きてしまい、引き続きの記事となりました。①は以下から読めますので、よろしければご覧ください。ただし、この記事単独でも完結できているように努めます。
さて、この『流転の海』は、宮本輝さんの半自伝的大河小説です。ご本人(松坂伸仁)、父君(熊吾)、母君(房江)の三人を中心として形成される、まさに「小宇宙」を描いたものです。この「小宇宙」のことを、仏教では「眷属(けんぞく)」と言うそうで、似通った性向を持った者、過去世からの縁(えにし)