前田日明デビュー15周年記念大会
私がRINGSに営業として入社して最初に仕事をしたのは7月の大阪大会の営業の応援からでした。大阪から戻ると翌月8月に横浜アリーナで開催予定だった前田さんのデビュー15周年記念大会に向けての企画・準備。当時はRINGSには前田さんの師匠であったプロレスの神様”カール・ゴッチ”さんの連絡先を持っていなくて、それで電話番号を持っていた私が拙い英語でゴッチさんに電話を掛け、前田さんのデビュー15周年を祝って欲しい旨をお願いしたのでした。すると前田さんはゴッチさんに暫く連絡してない、不義理をしてるって感じで急遽一緒に渡米することになったのでした。
私に取っては正しく”恍惚と不安”でした。英語は本当に身振り手振り、現地でどうすればいいことやら・・・
更にはゴッチさんの家は住所を言ってもTAXIですら分からない様な所なので、どうしたもんじゃらのう〜ってところで思いついたのが、当時のカール・マレンコに案内して貰うことだった。
カールに連絡を取ると快く引き受けてくれたので、取り敢えずホッとした。ホテルも以前空中さんが仕事をされていたホテルを予約して、段取りは順調。
そして、アメリカ フロリダ州タンパへと飛び立ったのでした。
現地について一泊し翌日お昼くらいにゴッチさんの家に着くと、ガレージのトレーニング場に座って待たれていたゴッチさん。『遅いぞ、AKIRA!!』ってゴッチさんは言われた。『俺は朝からお前と一緒に練習するつもりで待っていたんだぞ』
流石はゴッチさん。練習しか頭にないところが凄い!!
前田さんは膝の手術からのリハビリ中でまだ100%練習が出来る状態ではなかったので、そのゴッチさんの期待にはお答えすることが出来る状態ではなかった。
それでも、久しぶりに会ったのに直ぐに技の話になり、前田さんがロシアのサンビスト達の交流で疑問に思われていた技の掛け方などの話になった。それは昔ゴッチさんに教授して貰った技と同じ様なものだったらしい。当時は理解・習得が出来なかったものをロシア人選手によって思い出さされたものだった様だ。
ゴッチさんはその技を前田さんに掛けて、丁寧に教えて下り、今度はAKIRAがやってみろと。前田さんは、長年の疑問がやっと分かったと喜ばれていた。
多分、その技は他の色んな技にも通じる様なものだった。
で、私の仕事としてはゴッチさんに15周年記念のビデオメッセージ取り。2〜3回コメント取らさせて頂いたものが、横浜アリーナの大型ビジョンに映し出されることになったのでした。
しかし、技術練習の後はゴッチさんの部屋で積もり積もった話をお二方が延々6時間くらい続いたのでした。いつものことですが、ゴッチさんの家ではワインとビスケットを出してくださるのです。ゴッチさんは食べ残すことは絶対に許されない方なので、出されたものには当然ながら手をつけるのですが、6時間・・・時差ボケにワイン・・・ずっとビデオを回していた私でしたが、流石に何度も寝落ちしてしまいました
あの時のビデオテープは大会ビデオを制作していたクエストさんに渡していたのですが返却ないまま・・・かなり興味深い話が沢山詰まっていたと思います。
そして前田さんが試合をしないというデビュー15周年記念大会が開催。今なら考えられないですが、あの頃の前田ファン、RINGSファンの方々は本当に温かい方達だったんだなぁ〜と今、改めて思います。
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前田日明デビュー15周年記念大会
BATTLE DIMENTION'93
~格・闘・新・次・元~
TOKYO BAY AREA CIRCUIT #3
1993年8月21日 横浜アリーナ
トーナメント参加決定戦 30分1本勝負
○ 成瀬昌由 vs ティグル・レバニ ×
トーナメント参加決定戦 3分5ラウンド
○ 山本宜久 vs ミハイル・シーモフ ×
30分1本勝負
○ ピーター・ウラ vs ウィリー・ピータース ×
30分1本勝負
○ ニコライ・ズーエフ vs グロム・ザザ ×
3分5ラウンド
○ ビターゼ・タリエル vs ハンス・ナイマン ×
スペシャルマッチ 3分5ラウンド
○ ウィリー・ウィリアムス vs ディック・フライ ×
スペシャルマッチ 30分1本勝負
○ ヴォルク・ハン vs クリス・ドールマン ×
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