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本屋発注百景

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本屋さんはどんなふうに仕入れを行い、お店を運営しているのか。本屋発注百景は、本屋ライター・和氣正幸さんが様々なお店の「発注」にクローズアップする連載企画です。
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#仕入

本屋発注百景vol.1 本屋lighthouse

本屋発注百景とは 本屋さんはどんなふうに仕入れを行い、お店を運営しているのか。本屋発注百景は、独立書店、まちの本屋、チェーン系書店まで、様々なお店の「発注」にクローズアップする連載企画です。取材は、独立書店ウォッチャーであり、ライター・書店主の顔をもつ、和氣正幸さんにお願いしました。「本を仕入れる」という単純なようで奥の深い営みを続ける6つの書店の風景をお伝えできますと幸いです。 連載にあたって 独立書店と呼ばれる小さいながらも確かな光を放つ本屋のことを追いかけてもう

本屋発注百景vol.4 パン屋の本屋

「本屋×ベーカリー」組み合わせの妙 ここ2回は今野書店、書泉グランデと歴史のある本屋を取材してきたが、今回訪れた本屋は比較的あたらしい店だ。日暮里にある「パン屋の本屋」である。 日暮里駅の東口を出て住宅街の方へしばらく歩くと見えてくる三角屋根の建物がパン屋の本屋のある商業施設「ひぐらしガーデン」だ。コの字型の建物は、手前がパン屋部分のひぐらしベーカリーで、奥がパン屋の本屋となっている。 ガラスの引き戸が入り口で段差がほとんどなく、外に自然に開かれているのが印象的だ。パン

本屋発注百景vol.5 ROUTE BOOKS

コミュニケーションの道具としての本 BookCellarの取引先には本屋が専業の店もあれば中には兼業している店もある。兼業の内容はというと、デザイナーやライターなど表からは分からないこともあればカフェやギャラリーなど見てそれと分かるものもあり様々だ。東上野にあるROUTE BOOKSはその中でも特に変わり種の本屋である。 運営するのは住まいや店舗のリノベーション、リフォームを手掛ける工務店のYUKUIDO。事務所移転の際に現在の場所に移り、出会いのための場、学ぶための場を

本屋発注百景vol.10 Cat's Meow Books

猫と本屋が助け合う店 本屋の世界、特に新刊書店で専門店と言えば、写真集、料理、旅の本あたりが思い浮かぶところだろうが、ここ10年で少しずつ増えてきた種類の専門店がある。猫の本だ。 開業は1980年だが2012年から猫の本をメインに取り扱うようになり有名になった「猫本専門 神保町 にゃんこ堂」(姉川書店)、2013年にネット書店を開業し2018年12月には実店舗も開いた書肆吾輩堂、2022年8月に立川でオープンしたnecoyabooks(ネコヤブックス)……。 そんな中で