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夢売る百貨店とアヨディアパレス

読んでいてワクワク楽しい気持ちになって、その上、こういうエッセンスを何か仕事に取り入れられないかなと思うことは珍しいかもしれない。自己啓発や心理学系の本を読むことが多いから?本の中の不思議な世界と現実世界を行ったりきたりしながら、その時間を楽しめるって最高の幸せ&贅沢だと気づく。
『夢売る百貨店』も私の100冊の本棚にぜひ並べたい一冊になった。

主人公のペニーはいろんな夢を売っている百貨店で働くことになる。ペニーは百貨店での仕事を通して、いろんなことを学んでいく。私たち読者もペニーと一緒にいろんな気づきを得られる。ちょっとファンタジー的だけど、近未来には現実になっている気がする不思議な世界観。『夢売る百貨店』は小説だけど、その様子が目の前に浮かぶような文章で、読んでいて楽しい。想いを込めて夢を作る夢師に、その夢を大事に売る百貨店、何かに困ったり悩んだりして夢を買いに来る人々。夢を買うといってもお金は後払いで、自分が見た夢の感情の半分を夢値として支払うという仕組みも素敵だ。

夢は無意識だけど、夢が人生に与える影響は大きい。だから作る方も売る方も真剣。物語に出てくる人たちの人生が夢のおかげで良い方に動き出していく。
夢っていう言葉は、本当に夢があるなと改めて感じた。寝ているときにみる夢もそうだけど、将来の夢もそう。なんだか無限の可能性を秘めた言葉だ。

良い本に出会うと、現実世界で少し嫌なことやがっかりすることがあったって、全然気にならなくなる。本にここまで夢中になれると思わなかった。自己啓発本をたくさんたくさん読むぐらいなら、こんな風に心がときめく本を読んだ方が自分の人生に良いのかもしれないって思い始めている。

「夢売る百貨店」みたいに、こんなこと仕事になるのかなってこととか、今まったくない何かを仕事にできたら楽しいな。
百貨店の経営者のドルグートさんのように、儲けではなくてその人の人生のためになるような仕事ができるようになりたい。

今回『夢売る百貨店』を読んだのは、バリのヌサドゥアにあるアヨディアパレス。ちょっと古びた歴史のありそうなホテル。白いビーチが見えるチェアに座って、夢の世界を堪能した。
7月のバリはベストシーズン。心地よい風が吹いて、暑すぎない。ずっと外で本を読んでいても快適。
ホテルの居心地の良いラウンジからビーチに向かう小さな出入口はとてもかわいい。ホテルのスタッフさんは親切で、ホテルでのんびり過ごす人たちも自由で自然体で、バリらしさも満喫できた。
若い頃はニューヨークとかの大都会が好きで、ホテルもスタイリッシュなタイプを好んだけど、古くてちょっと難ありのホテルにも愛情を感じる自分がいる。価値観が広がっていくなんて、歳をとっても良いことがあるなって思う。


ラウンジとビーチの出入り口
アヨディアパレスの小さなプール
ラウンジのアフタヌーンティー

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