BTSの音楽

先週は家のエアコンが壊れていて本当に暑かった。10月に入ったとはいえほぼ亜熱帯の地に住んでいるとまだまだ夏の暑さだ。昼間はエアコンのある職場にいるから良いのだけれど夜眠れないのには困った。というわけで先週の土曜日、起きたくないのに早起きしてしまいおかげで韓国のThe Fact Music Awardを見ることができた。

その中でジンくんはスピーチで、彼らがとてもHYBEとBig Hitに感謝していて、"Permission to Dance" や"Butter"、 "Life Goes On"は素晴らしい音楽であり、良い音楽を見極めることのできるこの会社を選んで良かったと思う、というような内容なことを言った。

その数週間前からColdplayとのコラボビデオの中にある会社の音楽ディレクターに対するジンくんへの態度やその曲の中でのジンくんのパートの少なさに怒っているファンがいるらしかった。また私の近くにいるアメリカ人アーミーの中にも”Butter"や"PTD"の英語の曲を賞欲しさにやっている、らしさを失った、といってがっかりしている人たちがいた。

私がジンくんのスピーチを聞いてまず思ったことは、例え彼らがどんなに可愛くてかっこよくても彼らの音楽が好きじゃなかったら私はファンにはなっていなかっただろうな、という当たり前のことだった。最初はひたすら車の中で彼らの音楽をストリーミングで聴いていて、なんて良いんだ!と思ったのがきっかけだから。初期のヒップホップバリバリなのも、アダルトコンテンポラリー風のも韓国の伝統音楽?を取り入れたようなものも、バラードも色々あって飽きさせないし、どの曲もメロディが良くて、なんというかスッキリしているのだ。それぞれの声も個性的なのだけど上手くブレンドされているし。私はそんなに沢山Kpopを聞いているわけではないのだけれど、中にはビデオやダンスはかっこ良いけれど、車の中で曲だけ聴くのはちょっと辛いかも、と思うグループもあるし、ちょっとこれは一曲の中にあれこれ詰め込みすぎでは?と思うグループもある。もちろん音楽の好みというのはとてもパーソナルなものであって、これは私の個人的な好みにすぎない。でも初めてTXTの音楽を聞いた時もあ、これ好きだ!と思ったのでBig Hit, HYBEの作る音楽は私の琴線に触れるというか、好みなのです。

BTSは自ら作詞、作曲にも関わっている。以前一緒に働いていたミュージシャンが、「僕はアーティストだから常に新しいものを求めてしまう。あまりやりすぎると周りの人がついて来れなくなるから気をつけている。」と言っていたけれど、それはアーティストの本質なのかもしれない。クリエイティヴであるということは新しいものを生み出さずにはいられないということなのかも。だから彼らが新しいジャンルの音楽に挑戦するのもある意味仕方ないことなのかもしれない。自分たちがやりたい音楽とファンが求めるものとの妥協を見つける、と以前Sugaがインタヴューで言っていたけれど、そのバランスをとりながらも少しずつ自分達らしさを守りつつ進化していくのがミュージシャンでありアーティストなのだろう。そこで独りよがりにならないためには自分たち以外の存在(会社の人とか)のインプットというのは大切なものではないだろうか。

ジンくんのスピーチはその会社に対する音楽的な面での信頼を感じさせた。同時に一ファンである私にとってはこれからどんな音楽を聞かせてくれるのかな、とワクワクさせてくれた。彼らに出会って初めて音楽の持つ力、励まし、癒し、力づけてくれる力を味わうことができた。それまでそういうものがある、と頭ではわかっていたけれど味わうことがなかった。その音楽の力を彼らの音楽を通してこれからも味わっていきたいのです。



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