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町田そのこさんに出会う | 読書

間違いなくここ最近で出会った作家さんの中でも、秀逸な作家さん。

なぜ面白いのかというと、その構成。漫画的とも言える構成がなんとも言えず、心地よい。エンタメ…と言い切れない、というかエンタメを突き通した潔さが最近の小説の傾向でもずば抜けている。

『うつくしが丘の不幸の家 』 創元文芸文庫

不穏なタイトルから、この小説の主人公が不幸になってしまうのでは?と思ったら、その予想は大きく覆される。
他人が見たら不幸なことでも、当事者にしか分からない事情がある。
家の主人が次々に変わり、その物語が綴られていく、この作家のお得意な手法で展開される物語は、読んでいて清々しい。

『コンビニ兄弟1,2』 新潮社文庫

テンダネスという北九州限定のコンビニで巻き起こる短編集。
全く似ていない兄弟に共通するコンビニへの愛。なんと言っても登場人物のキャラが立っている。個人的にはフェロモンだだ漏れの店長におばさま方が熱狂するのに対し、思春期の女子からは刺激が強すぎてキモいと思われるところがなんとも言えず、良い。
続編が待たれる。

『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』 新潮社文庫


R-18文学賞大賞受 賞のデビュー作「カメルーンの青い魚」。を収録。
初めて読む方にはお勧めしたいタイトル。何故か爽やかな読了感がある。




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