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涙ぐましいおはなし。


洗足の家で祖父と

知っている人は知っている祖父の口癖「涙ぐましいね。」
私が一緒に住んでいたころ、特に晩年は何かあるとよく涙ぐんでいました。嬉しい時も悲しい時も。

私は小学生の頃に両親が離婚したので母と祖父母と一緒に暮らしていましたが、女の子だった事もあって、それはそれはかわいがってもらいました。それが今の自分に繋がっています。私が音楽大学受験で出来が悪くて週に何回もソルフェージュの先生のところに通って、夕食を家族と一緒に取る事が少なくなっていたある日。テーブルの上に1通の手紙が置いてありました。差出人は小学生以来疎遠になっていた父。その日は私の誕生日で。会わなくなってから始めて届いたバースデーカード。
誰もいない食卓でそれを読みながらしくしく泣いていたら、居間にいた祖父が私の肩を抱いて号泣してくれました。あの祖父が私のためにこんなに泣いてくれている。あの時の事は疎遠になっていた父の手紙よりもその事がびっくりしたし、ありがたかったなと今でも時々思い出す出来事です。
なんとなくふと、数十年ぶりにこの事を書いておきたくなりました。

私は人のために泣ける人間かと言うと。。。
泣いてないよなー。

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