ぼんやり猫の店番
ぼんやり猫(やれやれ猫とも呼ばれている)は店番を頼まれた。
飛行機に乗っている時に頼まれたものだから、飲んでいたブラッディ・メアリも一緒に持って来てしまった。せっかく窓の外のオーロラを眺めながら優雅な時間を味わっていたにも関わらず。
ぱたん。
本を開けるような音とともにぼんやり猫がカウンターに現れた。
店内には数人の客がいたが誰もその小さな変化には気が付かない。
ぼんやり猫がまた次の一文を読んでいく。
そのまた次の一文を読んでいく。
ぼんやり猫の頭の上にあるライトがハートのカタチになっている。このライトはぼんやり猫が考えている内容によってそのカタチを変えるのだが、関連性は謎のまま。
でもやっぱり店内にいる誰もその小さな変化には気付かない。
「慣れない事を考えていたらお腹が空いてきたぞ」
すると、下の棚に美味しい豆料理のレシピが書かれた本が現れた。
「面白いエッセイを読みながらブラッディ・メアリを飲みたいなあ」
すると上の棚に面白いエッセイが書かれた本が現れた。
真ん中の棚には、どこの国の言語なのか不明な本がずらりと並んでいる。
「椅子を貸してください」
ずっと立ち読みをしていた客がそう言った。
ぼんやり猫はブラッディ・メアリを一口飲んで、
「うちは立ち読み禁止」と言った。
「だから座って読みますので椅子を貸してください」
ぼんやり猫は「やれやれ」と言った。
🐈 🐈 🐈
先日西日暮里のBOOK APARTMENTさんで行われた、
noteオフ会的ゆるイベント「まつりのあとのお茶の時間」に、
サプライズで登場した異次元からの使者、ぼんやり猫のミニチュア模型。
いやもう可愛すぎるし、とても好きな世界観。
ミニチュア模型作者のramさん、志麻さん
(ramさんと志麻さんは姉妹疑惑がある母娘です)
ありがとごじゃいます!
志麻さんがイラストでイメージを伝え、
ramさんがカタチにしてるんです。
そんな共同創作、ほっこりしますし見習いたいです。
素敵なミニチュア模型にふさわしくないかもしれませんが、
(それほど世界観を壊してないことを祈るばかりです)
何かが書きたくなってしまって書いちゃいました。
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