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効率の良いカイゴ=自立支援なのでしょうか?

A子さんと一緒にお出かけするときのこと。

A子さんは、家族や友人、タクシー会社などの電話番号をメモした小さめのノートをかばんの中にいつも入れておられます。

家から出るときも、帰りのときも、タクシーを呼ぶときには、ケイタイ電話の連絡帳機能は使わずに、ノートからタクシー会社の電話番号を探してかけます。

ぼくが、その動作を見守っているときに、ふと思ったことがありました。

「ヘルパーがタクシー会社に電話をすれば、スムーズに事が運ぶんじゃないかな、、」

そのことをA子さんに伝えようと思った瞬間、「いや待てよ! それをすることで本当にA子さんの為になるのだろうか、、」と踏みとどまりました。

スムーズに事が運ぶことは間違いないかもしれませんが、、

A子さんから『電話をかける』という動作を奪ってしまうことになります。A子さんからすると、『何もしなくても、タクシーが来て出かけることができる』という認識になってしまいます。

大袈裟な言い方かもしれませんが、それを続けていると、A子さんは一生、誰かがタクシーを呼ばないと出かけることができなくなってしまうことになる可能性だってあります。

A子さんの習慣は、自立した生活をおくる上でとても大切なことだと思います。ぼくたちヘルパーは、利用者さんのチカラを奪ってはいけないなと思ったできごとでした。

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