知らない人んち シナリオ案その1

①過去にこの家にあった事件とは

●20年近く前、竹田先生にえこひいきされていた孤児の少年「北斗」に対し、アク・キャン・ジェミの三人は恨み、いたずらをしようとした(または実際殺意を持った)。
三人は北斗に高いところに飾ってある花を取ってこなかったら遊んであげないと言った。
北斗が脚立を持ち出して登り上まで行くと、三人は脚立を揺らした。
花瓶を持った北斗は転落し、打ち所が悪く死んでしまった。
●そのとき本物のきいろは遠くにいて、見ていたかは定かでない。
●ドラマ中では事件説明のナレーション(後のシナリオ内で出てきます)にあわせ、花瓶が割れるシーンに加え、本物のきいろが描いた子どもの絵のカット。明示はしないが絵は竹田・アク・キャン・ジェミ・きいろ・北斗の六人であることをにおわせる。
●竹田はえこひいきをした後ろめたさもあり、三人をかばい監視責任から業務上過失致死罪を一人で引き受けた。三人は転落にかかわっておらず、北斗単独の事故ということにした。
●北斗には全く身寄りがなかったために、ことを荒立てようとは誰もしなかった。
●三人は幼かったこともあり、故意に転落死させたとしても不処分に落ち着いただろう。だが罪を見逃されたことが、かえって三人の罪悪感を強くさせた。一方で罰を受けないまでも、罪が露見し名が傷つくことをおそれた。
▼竹田の「隠したりしなければ」とは三人を変にかばわなければ事件を引きずらずに済んだという意。


②キャンの裏切り(第3話で注意を要するシーン)

前提としてジェミは、時折様子がおかしいキャンを怪しんで、スマホを盗み見ていたとする。そうやってキャンがアク・ジェミを裏切ることを悟った。

以下第3話で寝る前にアク・キャン・ジェミの三人で話し合ったシーン。
ジェミ「気にしすぎだよ。本当に何にもなかったんだから」のあと、
ジェミはアクに視線を向け、キャンが視線を下に落としている状況で、アクはジェミの視線を受け取っている。
この場面、アクがジェミを見ているとき、後ろ向きのジェミの表情はカメラ上見えない。
この時にジェミは表情(ウインク)で「キャンが裏切っている」と告げたと解釈する。
ジェミは事前にアクに、キャンが裏切るだろうことを話し、いざキャンが決行することをつかんだら、ウインクでアクに合図すると教えておいたのだ。
その後急にアクがジェミの意見に賛成しだすところの意味が通る。


③シナリオ

○玄関~リビング 
家の中の様子をうかがいながら玄関から入ってくるキャン。
キャン「(小さい声で)ただいま…あれ?警察は?」

リビングではジェミが正体不明の佐知子に、ひそかにおののいている中、キャンはおずおずと入る。
佐知子「(不敵な感じで)警察なら一緒に出かけたじゃないですか」
キャン「(消え入りそうな声で)そうじゃなくて…」
佐知子「今頃別の警察が踏み込んできてるはずって言うんでしょ」
キャン「なんで…それを…」
ジェミ「2人とも何…?キャンも警察がどうしたのよ!」
佐知子「だって私、さっきの警察官の彼女だもん!」
キャン・ジェミ絶句。
ジェミ「ちょっと、何?きいろ!いや、あなたきいろじゃないでしょ!」
キャン「(予想外のジェミの言動に)え?」
佐知子「ただの文具店のバイトです」
ジェミ「ふざけないで!」
佐知子「バイト店員なのは本当。さっき言ったとおり警察官の彼女ってだけです」「ジェミさん怒る相手が違いますよ。キャンさんはあなたを警察に売ろうとしたんですから」
ジェミ、思い当たるような表情。
ジェミ「キャン、裏切るのはわかってたよ。でもまさか警察とグルだなんて!」
キャン「(佐知子を指して、本性をむき出し気味に)グルなのはこいつよ!だって私…警察…」
佐知子「(かぶせるように)警察官のパパがいますもんね」
キャン「(言い当てられてあわてて)何!あなたきいろじゃないの!?」
佐知子「本当はきいろさんではありません。私は警察官の彼女で、彼の上司があなたの里親、お父さんです」「私、彼に頼まれて潜入捜査したんです。」
ジェミ「ただのバイト店員が?」
佐知子「まあ、そこは私という民間人をおとりにしてしまっていたわけで、彼も警察やめるつもりみたいですけどね」「だってキャンさんの警察上層部のえらいお父さん、ヤクザ(表現が悪ければ言葉を置き換えてください)とズブズブみたいで、彼、そんな環境がヤダって言ってましたよ」
キャン「やめて…!」
ジェミ「キャン、ヤクザって…まさかあのハーブも?」
キャン「(何をばらしてるんだという意味で)ジェミ…バカ!」
佐知子「この家の暗室に脱法ハーブ(今話題の某逮捕事件を想起させるのでドラッグという表記を避けました)があることは、大体わかってますよ」「彼はヤクザから警察に脱法ハーブが横流しされてるのに気づいたころ、捜査資料からこの家で起こったある事件のことも知ったんです」「ここにあった養護施設で北斗という名前の孤児が事故で亡くなった。でも事故じゃなく事件だった」
ジェミ「聞きたくない!(そっぽを向く)」
キャン「怪しいとは思ってたけど、警察関係者とはね。どこまで事件のこと、わかったっていうの?」
佐知子「まだ大してわかってません。でももうひとつの捜査対象だったハーブのありかはわかっちゃいました。」
キャン「それは、ハーブのこと知られてるとは思わないから、ああまであからさまに怪しいと…ね(話しながら気づいて)ちょっと待って。わかっているとはいえ暗室には入っていない。事件のことも大してわかってない。あなたなにもできていないじゃない!」
佐知子「それはですね…」言いながら、はじめはそーっと体を廊下のほうに向け、突然ダッシュ!廊下へ。
キャンとジェミもあわてて追いかける。
そこへ、アクがすでに玄関の扉を開けて入ってきていて、それを見た三人の動きが一瞬止まる。
だがすぐ追いかけっこを再開し、階段を上ろうとしたところで
アク「何やってももう、俺たちつかまるぞ!」
三人は再び動きを止める。

その2につづく

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