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よくよく、沃野 皮の野

あーー、デーー、べろーーーん、、、オーー!

わたしは2013年7月7日より「側の器(カワノウツワ)」と名前のドローイングを毎日制作しています。

「側の器」(かわのうつわ)の〝側(かわ)〟は、川(カワ)の語源の一説で、流れる水を受ける側(ガワ)から着想したもの。「側の器」という名前は、名付けた2013年のわたしから遠く離れてしまい、どうして浮かんだのかもうはっきりしない状況です。


上:2013年7月7日の「側の器」
下:2020年6月7日の「側の器」

長年続けていくうち少しずつ「側の器」に言葉を頂く機会がありました。それが糧になり、「側の器」はわたしだけで考えるのではなく、イメージは常に外側にあり、うまくいくとただ手が動いて出来上がるだけのとても自然な、息をすって吐くような流れになっていきます。そしてそれにわたし自身も驚かされ揺り動かされていきます。     

あーー、デーー、べろーーーん、、、オーー!

今回個展に展示している皮を使った作品は、この「側の器」から生まれました。動物の皮に描いてみたら?というアドバイスを頂いた事がきっかけです。素材となる"皮"も、色々探しているうちに犬ガムも牛の皮であることを知りました。そして親愛なる犬君のために牛さんから頂いて加工されたものをまたわたしが加工するという、引き寄せられたり引き離されたりする皮膚感覚が自身の腑に落ち、手探りあうようにかたちが出来ていきます。


「側の器より 井戸-モデル」


「側の器より ポン・デ・リング」


「側の器より ポン・デ・ケージョ」

ポン・デ・リングは2003年にミスタードーナツにて販売開始された食べ物です。もちもちした食感とまるっこい可愛らしいフォルムで現在も不動の人気です。わたしはこの形を見た時、所謂"ドーナツの穴"達が成仏した感覚と、食べ方を限定されるような気持ちになりました。一口が8個分、時間まで操られる感覚になったのを覚えています。ポン・デ・ケージョはポン・デ・リングのもとになったという、ブラジル生まれのパンです。ポルトガル語でチーズパンの意味だそうで、ブラジルでは定番の食べ物。日本でもパン屋さんなどに置いてある事があります。
食べ物のかたちは面白いです。一般的に広く普及しているかたちは、口から発せられる言葉(音)での対話とは違った他者との深い繋がりを感じさせてくれます。

残り3日になってしまいましたが、「よくよく、沃野」どうぞ宜しくお願いします。

あーー、デーー、べろーーーん、、、オーー!

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