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食虫植物はなぜ虫を食う

 昨日9日、新潟県立植物園に行ってきた。日ごろはほとんど目にする機会のない食虫植物を特集していたからだ。
 この植物園では、食虫植物のほかにも熱帯に生育するものなど、日常では見ることのできない珍しい植物をたくさん見ることができる。特に子供などにとってはおもしろいだろう。
 まずは植物園の外観など。

入り口付近。駐車場は道をはさんだ反対側にある。
写真が傾いているのではない。モニュメントのせいでそう見えるだけ。
広大な池が広がる。周囲には散策路がめぐらされている。
池には白、ピンク、赤のハスの花が咲いていた。
散策コースのひとつ。
夏休み中とあって子供連れも多かった。
2棟ある建物のうち、手前のもの。
 この建物には植物は植えられていない。ここは冷房が効いている。




 2棟のうち、丸屋根のドーム型の建物のほうは岩や小さな流れなどの人工構造物が組まれている。かわいらしい滝も流れ落ちていた。
 ものすごく蒸し暑くて汗だくになった。


 この記事の標題「食虫植物はなぜ虫を食う」は、同展の解説用パネルのひとつにあった「食虫植物はなぜ虫を食べるのか?」をほぼ拝借したものだ。
 虫が植物を食うのはあたりまえだが、逆ならあたりまえではなくなる。なぜ植物が虫を食うのか。解説パネルには〝湿地や岩場など、栄養分が少ないところに生えているので、虫をつかまえて栄養を補給する〟という趣旨の説明が記されている。
 解説パネルを参考にしながら、代表的な食虫植物を少しだけ紹介しよう。


 もっともよく知られていると思われるウツボカズラ。1科1属70種で、やたら仲間が多い。大さや色などはさまざまだ。
 捕虫嚢(のう)と呼ばれる袋があり、そのふたから香りが出ていて、これで虫を呼び寄せる。袋のふちは滑るので虫が落ちやすい。袋の内側も滑りやすく、落ちると這い上がるのがむずかしい。

 袋の底にはいつも一定量の消化液が溜まっていて、落ちた虫は溶かされる。




 ハエトリソウは1属1種で、よく知られているように、葉は二枚貝が開いたようなかっこうだ。その間に虫が入ると葉を閉じて捕まえる。
 両側の葉の内側にそれぞれ3本、合計6本の感覚毛があり、これに獲物が2回触ると閉じる。1回では閉じないというところが知能犯的ですごい。

獲物は10日間ほどかかって消化され、その後はまた葉が開くという仕組みだ。




 タヌキモ属は水中に生育するものと地上に生育するものがあり、合わせて約200種類ほどある。袋の先にあるアンテナに触れた虫を、100分の1秒で水ごと吸い込む。
 地上で生育するものはミミカキグサという種類。

タヌキモ。写真ではわからないが、水中で繁茂している。



 ほかにこんなものもある。

モウセンゴケ
サラセニア




 食虫植物以外のものをざっとピックアップ。




 ところで、「食虫植物はなぜ虫を食うのか」だが、「栄養分が少ないところに生えているので、それを補うために虫をつかまえて栄養を補給する」ためという理由は正しいと思うが、私はなんとなくもの足りない。
 生育条件の劣悪なところに育つ植物はほかにもたくさんある。岩場や砂地で生育するものだってある。ウツボカズラなどより悪条件のところに生える植物はたくさんあるのだ。

 これは、キリンの首が長いのは「高いところの葉を食べることができるように」とか「遠くを見渡せるように」とかというのと同様で、こじつけ気味ではないだろうか。その論で言えば、シカやウサギだって首が長くなってもいいはずではないか。

 キリンの首については突然変異説もあるようだが、食虫植物も同様に、単なる「栄養補給」などではないような気がする。まあ、専門家が「栄養補給説」を唱えているのだから、やはりそうなのだろうな、とは思ってしまうのだが、さて、真相はいかに。






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