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ねぎ坊主の花咲く夏


 いつの間にか、本格の夏がじわじわと姿を見せはじめている。拙宅の、自家消費用のねぎにねぎ坊主がついた。
 ねぎ坊主の正体は花序(花の集合体)だ。

この薄皮は総苞(そうほう)と呼ばれる。その中に入っているのはタネではなく花だ。





 そのねぎ坊主が変身しはじめた。
 花を包んでいる総苞は、花の生長に耐えきれないかのように、真ん中からきれいに裂ける。

総苞は無秩序に裂けるのではなく、普通はふたつに裂けるようだ。
いったいいくつの花が詰まっているのだろう。
一応花だから、こうしてハチが仕事をしに来る。残念ながら少々ピントが甘い。



 ひとつのねぎ坊主でも、日が当たる上半分のほうが開花が早い。

ねぎ坊主の真ん中あたり。上と下ではこんなに生長のしかたが違う。





 たぶん、黄色いのが雌しべで、薄茶色のが雄しべだ。きちんと調べればいいのだが、まず間違いないだろうと勝手に納得して手抜きをした。

この小さな花がそれぞれ受粉してタネになっていく。





 イメージ的な雰囲気で撮ってみた。ねぎ全体(この一群はせいぜい十数株程度しかない)を撮ればいいのだが、ねぎ坊主を取り除いたものや一部が枯れたものがあったりで、絵にならないのでやめた。





 ひとつのねぎ坊主全体が開花した状態。

下のほうに総苞の残骸が垂れ下がっている。
開花した花のアップ。




 ねぎ坊主は食用になるというが私は食べたことがない。理由は簡単。少なくとも、見た目の感じではうまそうに思えないからだ。もちろん、大好物だという人もおいでだろうけど。
 そして何より、ねぎそのもののほうが絶対うまいに違いないと思うから。

 花序を摘んで乾燥させれば「ねぎ坊主茶」として利用できるとも言われるが、これまたその気にはならない。
 花序が小さいうちなら薬味としても利用できるらしい。薬味としてならなんとなくうなずけるが、それでさえ、ねぎそのものを使ったほうがいいような気がする。
 そもそも、自家栽培でもしていなければ、ねぎ坊主自体、入手がむずかしいのではないか。

 なお、ねぎ坊主ができる時期になると、ねぎ本体は硬くなって食用には適さなくなってしまう。
 私の場合は、ものぐさが原因で放置したためにねぎ坊主ができてしまったが、利用する気がないならねぎ坊主ができる前に処分したほうがいい。
 私は採種するつもりもないし、この後は廃棄処分にする。






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