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根回しは大事だと思ったから

そらが学校に行けなくなって1ヶ月半、
病名がわかり、
どうしてそうなるのかも分かり、
次に私がしたことは…
3つの根回し
でした。

この時したことは、
1⃣仲の良いママ友に伝える
ということでした。

そらが小学6年生の頃、
そらたちの学年には学校に来ていない子が1人いて、その子をめぐって憶測や噂が飛び交っていました。
そらの学年にとどまらず、下の学年のママからも聞かれたりもしました。

そういう流れを見てきているので、
黙っていることが美徳だとは思えなかったのです。
隠されると人は知りたくなります。
噂には人の憶測が加わって、
より面白おかしく、
時には悪意が加わって
拡散されていきます。

そうなると、訂正するのが難しい。
特に起立性調節障害は朝、本当に体調が悪くても、午後からや夕方からは動けるようになることがあるので、
「嫌なことから逃げている。」とか
「同じ時間にしんどくなるのはおかしい。」とか
…とにかく誤解されるネタに尽きません。
それならば、より印象に残る単語を使い、
そうだったのか、そんなことがあるんだ、
と納得してもらう方がいいと思いました。


ママ友数人に、

①夏休み中に意識を失って倒れたこと。
②県内に診察も検査もできる病院がないので、   
    大阪の専門病院に行っていること。
③家の中でも倒れていること。
④常に気分が悪く、食事がまともに食べられな
    いこと。

この4点にしぼって話し、
「もし、そらのことを聞かれたら、今の話言ってくれたらいいから!
ううん!むしろ言うて!」

「そらが怠けてるとか思われるのは嫌やねん。あんなに毎日しんどそうやのに。
外に出られる時は体調がいい時やから…
みんなしんどい時のあの子を見ることがないやろ?そやから、誤解する子は絶対誤解すると思う。
そら、学校に行きたいけど行けやんのよ…。
私ももっと調べて、治療法とか探すつもり。」

とお願いしました。

ほとんどのママは
「めちゃくちゃ大変やん…」
と真剣に聞いてくれました。
特に『意識を失って倒れた』というのが衝撃的だったようです。
やれることはやっていることもアピールしました。
余計な一言を言われたくないというのもありましたが、そらの「今」をどれだけ適切に私たち親が受け止め、動いているか、も伝えたいことの一つだったからです。
そして、我が家はそらのことを
「隠すつもりはない。いつでも聞いてきて。」
というスタンスであることを示しました。

2️⃣中学校にもお願いしました。
学校には早い段階で病名をクラスのみんなに伝えてもらっていました。
もちろん、そらの承諾を得た上で。
さらに
「身体を起こしたら血圧がものすごく下がって貧血を起こす。また倒れるかもしれない。」
「動けるようになるまで時間がかかってしまう。夕方になってやっと動けるようになる。」
「大阪まで検査に行った。」
ことを、クラスメイトに追加で伝えてほしいとお願いしました。

ただの風邪や熱、頭痛、腹痛などなら、「今日、誰々さんはこうこうでおやすみです」と言えるでしょうが、
ほぼ学校に来れないような病気や状態に関しては、学校は個人情報保護の観点から、勝手に生徒の病状を他の生徒に言うことは出来ません。
私も
「そらと同じ起立性調節障害のお子さんはいますか?」
と聞いたことがありますが、その時の担任の先生は、
「何人かいます。そらくんほど重症ではないんですけど。」
というぼんやりとした返事に察して、
「そりゃ言えないよね。」
「(言えなくて)ごめんね、お母さん。」
となりました。
なので、「クラスの子たちに言ってください」とハッキリ言って良かったと思っています。
そらがたまに登校できた時は、クラスの子たちが
「今日は体調ええんか!」
と受け入れてくれたそうです。
実際、先生がどうクラスの子たちに説明してくれたのか分かりませんが、そらが登校できた日に、周りの子たちの言動で傷ついたことはなかったようです。
最近になって、会った保護者の方に
「そらくん起立性調節障害…やっけ?どう?」
と話しかけられました。
子どもから親に伝わっているんだなと思いました。

3️⃣診断書も用意しました。
中学校は義務教育なので、診断書は特に必要ではないと学校から返事をもらっていましたが、「Dr.の後ろ盾」はあった方がいいと判断しました。
専門医さんから受け取っていた「診療情報提供書」を地元の小児科医さんに持っていきました。
診療情報提供書とは別に検査結果を見せた時、小児科医さんが
「起き上がってすぐにこんなに血圧が落ちてるんやなぁ…。そりゃ普通の血圧計じゃ見つからへんわ…。」
と仰いました。
そしてすぐに診断書を書いてくれました。
この時の診断書は
『起立性調節障害のため、
   日中の活動は困難です。』
と、ごく簡単な内容でした。

こうしてそらは、
『学校に行きたいけれど行けない、病気の子』
になりました。

起立性調節障害は軽度も含めると割と高いパーセンテージで、思春期の子どもたちがなっています。
けれど、近くに同じ症状で悩んでいる親子がいたとしても、なかなかたどり着けないし、出会えても、同じスタンスだとは限りません。
私は情報がほしくてTwitterを始めました。
そこで、いろんな世界を知ることになりました。

そらの体調不良を何とかしたいとあがくものの…
これからそらの体調はどんどん悪くなり、
回復するのは夕方以降、
食事は夜一食のみ、
ほとんどベッドの上でスマホをさわる、
スイミングも休みがち…
になっていくのでした…。

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