今日も拾って歩く。

大ピンチなことに、あと少しで小山さんノートが終わってしまう。
これは大変なことになった。
あと少しで小山さんに会えなくなってしまう。

ということで、残りわずかな本を横に置いて、
何か他の資料はないか探してみたところ、
いちむらさんに辿り着く。

*路 上 生 活 か ら 見 え る こ と 一 ノ ラ の 活 動 と246キ ッ チ ン い ち む ら み さ こ*
https://gcoe.iss.u-tokyo.ac.jp/01_01_ichimura_j.pdf

そうか!この人だったのか!!

今日は一日を通してほぼ歩いていた。
いろんな事情で徒歩を提案して、歩くことになった。
ちなみに、昨日は2時間くらいただ待っていた。

今日は、前から気になっていたうどん屋さんに子どもが行きたい。
というので行ってみたのだけれど、
3人で食べて2千円行かなかったのですごくホッとした。
私は小さなおうどんに大きなナスの天ぷらを乗せた。
はみ出していた。

みんな色んな人がうどんを食べていた。
みんながザワザワうどんを食べて
速やかにお出かけしたり、
そのまま新聞を読んでいたり、
ゆったりしていたりした。

最近たまに、自分がどこにいるのかわからなくなる。
景色があまりに変わりすぎて、
つまり都市開発が進みすぎて、
以前あった場所がまるきり違ってしまい、
方向感覚さえ失われたような、
まるで違う世界に紛れ込んでしまったかのような、
そんな気持ちだ。
マトリックスかよ…。

名古屋駅は更に、新幹線とリニアの工事で、
まるで迷路のようだ。
子どもを産んだのも、
それ以前の生活拠点もほぼここ(裏側)だったのに、
もうあの頃の生活が思い出せなくなるくらい
ぐちゃぐちゃになってしまった。

これが終わったところで、
この国は発展することなく、
衰退に終わるのだということが
まるで予言のようにわかってしまう虚しさ。

それでも、歩きながら本を読みながら、
下ばかり向いて歩くのが好きだ。
下を向いて歩くと拾いものがたくさんある。

近頃は特に、植物の成長には目を見張るものがある。
子どもの成長同様、当たり前のようで、
見逃してはいけないもの。

カラスノエンドウの花が咲き、
実はまだなのかと子どもに聞かれ、
気づけばイネ科全盛期、
コバンソウが風に揺れる姿は、
夏を目指して一直線だ。

小山さんがルーラと共の時間が増えていく中、
自分の気力も消え入りそうになってしまい、
そんなときにいちむらさんの力強い
まるで雑草のような生き方に(もちろんとても好き)、
また元気をもらった。

働かないことが自分を貶める行為であると同時に、
自分を守る行為なのだということを改めて思い知る。

働かない時間で考えることができる。
働かないとお金はそんなにたくさん要らないことに気づく。

服も化粧品もいらない。
ごはんもたくさん食べなくてもいいし、
新しいものを買うより今あるものを大切にできる。
毎日毎日お風呂掃除をしている。
毎日毎日お風呂が綺麗になっていく。
温泉に行かなくても毎日のお風呂が温泉みたいにゆっくりになる。

毎晩忙しいくらい引越しの夢を見る。
川に流されて地球を飛んだり、
たくさんの駅に停まりながら色んなところに寄り道したり、
たどり着いた家は長屋かお寺か古いマンションのどれかだ。
夢の中でも、新しい家に住んだことは一度もない。