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バイブル



私は小学生の頃、夢色パティシエールというアニメが大好きでした。



日曜朝7:00からやっていた子供向けアニメ。
通称夢パティ。

ケーキが大好きな女の子いちごが、イケメンのパティシエに出会って、私も作れるようになりたい!!とスイーツ学校に通い出し、3人のイケメン王子に守られながら成長していく甘い甘い青春ストーリー。


ちなみに彼女だって彼らを助けているのはお約束ですし、小さい妖精(ここではスピリッツって読みます😌)だって出てきます。




小学生の私が好きそう。



そんで雑な解説でごめんなさい。


ディズニーチャンネル派だったのでプリキュアすら興味がなかった私がこんな早い時間に毎週毎週ちゃんと起きて見ていたアニメはこれだけです。

ほんとに心の底から大好きでした。
入りはアニメだったけど漫画だって全巻持ってます。

ちゃんとこれを楽しみに生きていたこの時が愛おしいナ。

夢中って素敵。


の気持ち。





私がハマる物語って大体食べ物にフォーカスしてるんですけどこれも例外じゃありません。


いちご1人じゃなくてさっきのスイーツ王子たちと4人で組んで学校内のグランプリを闘っていく、、、
みたいな展開なのでそれはそれは、たくさん。
ケーキが出てきます。




バラの香りのパウンドケーキ
天使と悪魔のロールケーキ
白苺のマカロン
スミレの花のボックスケーキ
レモンムーン
シンプルなプリン
砂糖と塩のアイスマカロン
樫野のショコラショー




キリがないのでエトセトラ。




もう何年も触れていない今でも思い出せるくらい食べたくなったケーキがたくさん。



ミルクレープとかザッハトルテとか、プロフィットロールとかオペラとかなんだか小学生にしては詳しすぎる知識はここで身につけました。



テンパリングとかね、笑



チョコの温度を調節して美味しくするやつだよ知らないでしょ(マウント)




出てくるケーキぜーんぶ、ゼンブ、全部。




繊細で可愛くて、ツヤツヤでキラキラ。


女の子の手に入れたいもの詰め合わせ。



それでどのケーキにも物語がある。

バックボーン、生まれた理由。万歳。



私が何かを“作りたい”って思うようになったルーツは、なんだかここのような気がしています。



もちろんははがお裁縫が得意だったり
さんざん世界ふれあい街歩き見せられたり
(関係ない。)


まぁそういうのもあるとは思うんですけど。



私から。




私の中に何かを具現化したい気持ちが現れたのって
夢パティを見てからな気がする。



というか、初めて夢中になった作品がこれだった。



あの夢色のスイーツたちが私の想像力のはじまり?


だったりしますか??


ほら、人生、ロマンチックに何かと何かを結びつけたいじゃないですか。


アイコニックは誰?


とか、



バイブルは何?

とか。


答えられるようになりたいじゃないですか。



卒制大変だし、

頭の中を形にしている今、

始まりが分かりたくなって、


形にしたくなった。



なんでそうなっているかの理由を探さなきゃ保てなくなる時がある。




本能で生きるには実力がなさすぎる。


まだ自信なんて持てない。




私を表すものに利用してごめんねの気持ちも少しだけ含みつつ。

私のバイブルはこれですって答えてみたい。


そんな感じで、過去を思い出していた今日この頃。



初めて買った漫画も夢パティだし、

事実上バイブルだな、すごいななんて思いつつ、
とっても素敵な物語を思い出したんです。
ぜひ、聞いてください。


初めて夢パティを買った場所。

あれを買ってもらったのは、西日暮里駅でした。


小学生の時に、ははと2人で日暮里に向かっていた時。

(ほら、ははお裁縫大好きだから、ね)



降りる駅を間違えて西日暮里駅に到着。


それで本屋さんに寄ったんです。
駅の小さいやつね。
なんで寄ったかは不明。覚えてないけど、

それで私も適当に本を眺めました。


んん、
あれ、


「夢色パティシエール⑦」



「?!?!?!」



でした。


まさか本があるなんて。


アニメが本になってるなんて。

この時は原作があるなんて知らなかったので
びっくりしすぎて、レアだ!と思って。


ははに買ってもらいました。




それで間違えた西日暮里にさよならをして、日暮里駅に到着。



ちょうどお昼。


目の前にあるマクドナルドに寄ります。
確かとっても晴れていて天気の良い日。


ゆるく差し込む光の中、
2階の窓際の席で、
フィルムを剥がして。


初めまして少女漫画。


開けばちょうど、グランプリ準決勝。

いちごたちが夢のケーキを作っているところ。

読んでる人はわかると思いますが、
ほんとにちょうどよく佳境。


だけどさすがに7巻。

アニメとは少し違ったところもあるし、
わからないお話だらけ。



でも楽しかった。


嬉しかった。


初めての漫画。


大好きなお話。



わくわくでページを捲る私を、
きっと愛しそうに見つめていたはは。


なんとなく思い出せる、淡い記憶。



あの日見た夢のケーキは、

羽ばたく飴の蝶は

今も私の中にある。
そう思う。

いちごたちが作ったケーキみたいに
壊れやすい、崩れやすい夢は
思い出の中に身を隠して。


ずっとずっと形を取らずに温度だけあって。


私のいくつもの「夢」にそっと潜んできた。




10数年後、その一つの夢を叶えて服飾学校に通い始めた私は、

今1人で日暮里駅に足を運んでいて。

西日暮里で開くドアの先にちょっとだけ微笑んで
日暮里で降りる。


駅を出るとロータリーの向こう側にはあの日のマック。





3年間でたくさん行った布の町。

行くたびにちゃんと
あのマックの2階を目に入れるようにしています。










繋げたかっただけかな。


あやふやな自分が怖いだけかな。


理由を見つけたかっただけかな。


偶然かな。




不安なんてなくなってはくれないし、
動けない自分が嫌いになることもある。


苦しい、
やりたくない。
もうやだ。

何回も思いたくない、
何回目の気持ち。


だけど、

それでも。


繋がったものを頼りに。

割れなかった飴の蝶を守るみたいに。


形のない温度は、テンパリングで保ちつつ。


ずっと消したくない、ルーツ。

バイブル。




そこにある限りずっと、
夢をつくって、形にするの。






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