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「環境認識」のやり方


・環境認識とは?


環境認識とは、「全ての時間足がどの方向にトレンドが出ているか?」を把握することです。
そのためには「ダウ理論(ダウ転換)」の理解が必須です。理論を言うと難しそうに聞こえますが、やることは至ってシンプル。まずは簡単にトレンドの定義について書きます。


上昇トレンドの場合、安値(戻り安値)を更新することなく高値を更新していくことで上昇トレンドが継続しています。これを切り上げと言います。 下降トレンドは、高値(戻り高値)を更新することなく安値を更新していることでトレンドが継続しています。これを切り下げと言います。これが続く限りトレンドが継続しているということになります。

では、どうなったらトレンドの転換と判断するのか?

下降トレンド継続中から、最後の戻り高値を上抜けた時点(矢印)で初めてトレンドの転換と判断します。 そこからの戻りを待ってロングエントリー。 損切り位置は最安値を割れたらカット(転換失敗)となります。

ショートも同じです。

転換線(直近の戻り高値or押し安値)を抜けたから即エントリーではありません。そこから準備に入りましょう。
上げ(下げ)止まりを待ち、戻りが入りだしたら最安値(最高値)を背にエントリーを狙います。こうすることで背中が明確に決まっているので、損切りはその最高値(最安値)を抜けたら損切りです。

では最初に上げた上昇トレンドへの転換をエリオット波動に当てはめてみましょう↓


転換を確認した後の戻りを待ってエントリーすること=3波開始を狙うこと。
これがエリオット3波狙いの基本です。
逆三尊や三尊は「相場の転換時に現れる」とよく言われますが、単純にダウ転換のトレンドが崩れて結果できる形と言うことです。
ダウ転換が確認できていないのに形だけで逆三尊や三尊を予測してトレードしてしまうと失敗しやすくなります。
エントリーの精度を上げる、勝率を上げるためにはトレンド転換のサインを確認してからエントリーすれば背にする価格は明確になり、リスクリワードの良いトレードが出来ます。


環境認識として、「どの価格を抜けたらトレンド転換を判断するのか?」の位置(価格)は各時間足によって違います。日足なら日足の転換線、4時間足なら4時間足の転換線〜というように各時間足での転換線を引いて、「今現在トレンドはどっち方向なのか?」を把握しておきましょう。

実際のドル円チャートで見てみます↓


日足(下へ転換)



4時間足(上へ転換)



1時間足(上へ転換)


オススメは水平レイを色分けして使い、どのラインを抜けるとどの時間軸の転換になるのかを引く練習をするといいです。
最初は山谷の感覚を掴むのに慣れが必要です。突発的な値動き(ファンダや指標など)でできたローソク1〜3本程度の山谷は、山谷と判断しにくいため無視です。
当たり前ですが、短期足になればなるほど転換の頻度は多くなります。
上位足の方向性に従って、短期足の転換で入る方が伸ばしやすい。もっと言えば、全足の方向性が同じになった時は伸びます。逆に各時間足で方向性がバラバラの場合はレンジになりやすいです。


・ダウ転換線の引き方


次のチャートは下げトレンドから上げトレンドに転換したものです↓

下降トレンドから上昇トレンドへ転換


まず左から。 安値(緑)を更新する度に、その直近の高値に戻り高値ライン(赤)を引きます。 再び安値を更新したら、、また一つ前の高値にラインをずらします。こうして安値を更新する度に一つ前の高値にラインをずらしましょう。
そして最後の戻り高値ラインを矢印のポイントで上に抜けています。この上に抜けた時点で(できればヒゲだけでなくローソク実体で抜けた方が望ましい)、下げトレンドから上げトレンドに転換した可能性が出てきます。
今度は高値(緑)を更新していく度に戻り安値のラインをずらしていきます。 この戻り安値を割り込まない限り上げトレンド継続となります。 これはどの時間軸のチャートでも同じことです。

まずはこのダウ転換と環境認識を理解しましょう。それから初めてエリオットやフィボナッチなどが加わってきます。たくさんある理論のほとんどはダウ理論からの派生と言っても過言ではないと思っています。


・まとめ


まずは長期足のチャートの左側から見て、トレンドの転換線を水平レイを使ってずらしながら練習しましょう。そして、最後の転換線と方向性の把握が出来たら、日足→4時間足→1時間足→15分足という風に時間軸を下げて転換線を引きましょう。
すると各時間足での方向性はどっちなのかを把握することができます。
短期足ばかり見て「転換した!よしエントリーだ!」と入ってみたものの、上位足の方向性とは逆でただの調整戻しだったなんてことになります。
ダウ転換の理解が深まったら、自分のトレードする時間軸を決めましょう。

例えば1時間足でトレードする場合、1時間足の方向性が上なら押し目を待って、下位足の15分足や5分足が上へ転換し、1時間足と方向性が揃ったのを確認してからエントリーすれば、リスクリワードの良いトレードが出来ます。


実際にエントリーする場合は、その3波開始になる押し目(戻り目)はどこ辺りになりそうかの予測が出来ていると準備ができます。その予測にはフィボナッチやチャネルを使うことで事前に準備ができます。それはまた別の機会に。
まずは何度も何度も練習して各時間足の波のサイズ感(山谷)を掴んでください。これが出来ないとその先に進むことが出来ませんので頑張りましょう!


ではまた。


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