20歳のとき、女一人でアメリカ大陸横断しました。⑤ワシントンDCと小さなアメリカの村

私は6年前の20歳の時、留学中のアメリカで大陸横断しました。

一人で電車に乗って揺られること120時間、約2週間の旅は一体どうなったのか?その一部始終をお伝えしていきます。


20歳のとき、女一人でアメリカ大陸横断しました。⑤ワシントンDCと小さなアメリカの村


シカゴからワシントンDCへ

前回は33時間電車に乗りっぱなしで、アリゾナのグランドキャニオン最寄りの駅から、アメリカ北部のシカゴへ向かった。シカゴでの観光は一旦お休みし、体を動かして早めに床に着いた。


さて、世が明けたら今度は東へ向かい、アメリカの首都「ワシントンDC」へ向けて出発する。シカゴからワシントンDCへはアムトラックで20時間。

うん、余裕余裕。(この時すでに時間感覚がおかしくなっている)


ワシントンDCへ向かうアムトラックの車内は、これまでの路線よりも人が多かった。


概してアメリカは西部より東部の方が人が混んでいるし、慌ただしい。ガヤガヤした車内だなぁと思いつつ、私はまた寝た。


ワシントンDCへ着いたっ!

さて、アムトラックはワシントンDCに着いた。ここから地下鉄を使って予約したホステルへ向かう。


アメリカは地下鉄が珍しく、ロサンゼルス以来の乗車だった。ただロサンゼルスの地下鉄は観光客ばかりだったのに対し、ワシントンDCの地下鉄は地元民や仕事で使う人が主だった。

上↑の写真がワシントンDCの地下鉄内。新聞紙が至る所に捨てられていて、むちゃくちゃ汚い。

汚いことを伝えたかったが、その上の大きなお尻の女性が目立っている。


ホステルへ向かう

*ネットが使えない環境で知らない土地に行く

さて、地下鉄はホステル最寄りの駅に着いた。駅を出るとさっきまでのガヤガヤしたステーションとは違って、のんびりとした田舎の雰囲気だった。


そして、暑い!ワシントンDCはシカゴやシアトルやサンフランシスコと違って、蒸し暑い!!ロサンゼルスの気候とよく似ている。

私は帽子をかぶってホステルまで歩いた。


そういや今になって疑問に思うのだが、当時(2011年)ネットが使えない環境で私は毎回どうやって歩いてホステルに向かっていたのだろう。地図をプリントアウトしていたのか?


多分そうだ。Wi-Fiスポットを探してはPCに地図を保存し、それを頼りに歩いていたのだ。今じゃ不要になった努力だな。技術の発展を感じる。


*ホステルでファンキーな兄ちゃんに出会う

ホステルに着くと早速スタッフの人が迎えてくれた。が!スタッフの兄ちゃん、とてつもなくファンキー!!全身タトゥーだぜ!!


私はだいぶ怖気づいたが、兄ちゃんはとっても優しく館内の説明をしてくれ、ご飯を食べている時もコンビニで会った時もずっとお話ししてくれた。


名前はマリオ、自分で「ゲームみたいだろ」と言っていた。アメリカでは見た目が怖い人ほど人懐っこかったりというのはよくある。


ワシントンDCは無料の観光スポットだらけ

さて、腰も落ち着けたし、ワシントンDCを観光しよう。ワシントンDCの有名スポットと言えば、


ホワイトハウス!


リンカーン!!


くらいなものではなかろうか?

アメリカの首都ということで名前はよく聞けど、「観光するとなったら、どこ行こう?」と戸惑う。


しかしワシントンDCはお一人様にもってこいの観光スポットである。


それは、 ワシントンDCには徒歩でいける博物館がたくさん&多くが無料 だからである。


無料の博物館たち

ワシントンDCにある博物館を全て見て回ろうとすると1日はかかる。

さっと「washington dc museum」でGooglemapsで調べてみてもこのとおり。


あまりにも博物館があるのでどれが無料でどれが有料か覚えていないが、いわゆる「スミソニアン系」と言われるのが無料のようである。具体的には

<国立自然史博物館>


動物系の博物館だ。無料だ。 (出典:トリップアドバイザー)

公式HP:National Museum of Natural History


国立アメリカ歴史博物館

その名の通り、アメリカの歴史が学べる。無料だ。 (出典:トリップアドバイザー) 公式HP:National Museum of American History


国立航空宇宙博物館


上記2つの博物館に私は行っていないが、この航空宇宙博物館は行った。

いろんな飛行機が置いてあるぞ。ここも無料だ。公式HP:National Air and Space Museum


ホロコースト記念博物館

ちょっとショッキングな博物館であるが、ナチスのユダヤ人迫害の博物館「ホロコースト記念博物館」にも行った。

色々と考えさせられる。こちらも無料。 公式HP:United States Holocaust Memorial Museum


ホロコーストが何かわからない人は映画「戦場のピアニスト」でも見て予習しておいてくれ。しかし結構ショッキングなので覚悟はしておいてほしい。



TVに出てくる建物を見に行こう

ひとしきり博物館を観覧したら、次は外に出て政治的建造物を見に行こう。

ワシントンDCは本当に観光しやすくて、博物館も建造物も歩いていける距離にある。


もう名前を忘れたが、これも政治的建造物だ。なぜか皆階段に座り、休憩している。


ちょっと歩けばリンカーン様にも会える。観光客がたっくさん。アメリカ横断中全然会わなかった日本人にも会った。

写真右下の二人はヒッチハイクをしているのかな?海外でヒッチハイクはよく見る光景だ。


えっと、これはなんだっけ・・・ホワイトハウスではなく・・・。まぁ、パーラメントかな。


そうそう。こっちがホワイトハウスだね。実際はしっかり柵があってこの芝生には入れない。

白いねぇ〜〜〜、オバマさん出てこないかな・・・なんて思いながら15分くらい待っていた(笑


これはなんだ?なんでワシントンDCの建物はみんな大きくて頑丈そうで白いんだ?どれがどれかわからないじゃないか。

それにしても建物周りの緑が綺麗で広くて、ここでゴルフできそうだな、なんて思う。


これも同じような建物に見えて、また別の建物だ。

一つ一つの建物の名前を覚えていなくて申し訳ない。

歴史好きの方はぜひ現地でしっかり勉強しながら見学してくれ。


ということで、ワシントンDCは一個一個をじっくり見る暇もないほど次から次に大きな建物や博物館があり、見所満載である。ちゃんと見るなら3日くらいかかると思う。


歩き疲れてホステルへ

見所満載のワシントンDCをとにかく歩いて観光した私は20kmくらい歩いたのではなかろうか?夕方にはげっそりとなっていた。


ホステルに戻り、精をつけようとCampbell’sのクラムチャウダーを食べようとして缶を開けた。

ザクっ


いっ!?


キャンベルの缶を開けた所に私の指が当たった。するとそこにザクッと私の指のお肉が刺さり、滴り落ちる血・・・(ヒィ〜)


ということで、アメリカの缶スープを開けるときは十分に注意しましょう。切れます。肉が裂けます。マジで気をつけて。



酔っ払い、起きると男の人の気配・・・

血が出た指を止血し、私はスープを食べていた。すると朝に会ったスタッフのマリオが「一緒に皆でご飯食べよう」と誘ってくれた。


私はスタッフの皆と楽しくおしゃべりしながらご飯を食べた。皆”ワケ”あってホステルで泊まりながら働いている20代から50代のメンバーでとにかく面白くて優しかった。


いろんな人が一緒に寝泊まりするホステルは、自分の常識をぶっ壊してくれるようで、とにかく楽しい。


あまりにも楽しい雰囲気と、適度(過度に近い)な疲労感で、またアメリカ原産のワインが美味しく、私は調子に乗って飲んだ。1本は飲んだ。・・・2本目も飲み干した。 。


翌朝


「ゴホッゴホッ」

ん・・・誰かの咳が聞こえる。まぁ、ここはホステルだから相部屋なのは当たり前。


でも、なんかおかしいな・・・・


「ゴホッゴホッ」


ん・・・なんかこの咳、変だな。エラく無骨な咳・・・・・


男性!?


私は目を開けて後ろを振り向いた!どうやら隣のベッドに黒人の男性がいる!


でもこちとら二日酔いで状況が理解できていない!体が動かない!


状況が整理できた
1時間ほどして頭がはっきりしてきたので私は状況を整理した。

ええっと、右隣には黒人の男性。左には白人の女性。部屋の奥の方には白人の女性が2人寝ている。


ああ、そっか、私は今日「男女混合ドミトリー」なるものを予約してしまったんだな。気づいていなかった。


※状況説明:そもそも私が泊まっていたのは知らない人と相部屋になる「ホステル」という宿泊施設。しかしこれまで「女性専用部屋」しか泊まったことがなかった。

しかし今回は男女混合の部屋を予約していたのを知らずに、また夜に寝たときの記憶もなく朝起きて、男の人が同じ部屋にいて焦ったということです。


間違って予約したこの経験のおかげで私はこれから「知らない男性と一緒の部屋に寝る」ことに抵抗がなくなりました。


体が動いた

2時間ほどして体が動いたので私は部屋を出た。

フラフラしながら下に降りると、マリオが爽やかに「おはよう」と言ってくれ、そして


「昨日、大丈夫だった?リビングで寝ちゃって、いくら起こしても幸せそうに寝てたから部屋まで連れて行ったよ」と言われた。


あああ、恥ずかしい


酒の席でここまで上機嫌になったのは後にも先にもこの時だけだった。


でもさすがアメリカ人。60kg超えの私(当時アメリカで10kg太った)をおんぶして階段を登るなんてたくましい。


というか一緒にいたのがマリオでよかった、他の人だったら変なことされていたかもしれない。ゾクッ


ということで、旅先でお酒を飲むときは十分気をつけましょうね。


思い出いっぱいのワシントンDC

ということで、ワシントンDCでは見物も含め思い出いっぱいになった。しかし頭がいたい(二日酔い)。

予定では次にニューヨークに行くのだが、こんな体調でニューヨークに行ったら人混みで死んでしまいそうだ。


そうだ、別の都市をかもう。私はワシントンDCの駅でチケットを1枚発券してもらった。行き先は「Charlottesville(シャーロッツビル)」というところ。

日本人でこの地名を知っている人はいないくらいの小さな街だ。

駅員のおじさんに「静かで、近くて、何もないところに行きたい」と言ったらここを勧められたのだ。

さて、次は何が待っているのやら・・・



第二幕・シャーロッツビルの村・編


体調不良の私は田舎町のCharlottesvilleへ

ワシントンDCでハチャメチャ楽しんだ私は翌日、二日酔いの頭を抱えながら、ワシントンDCのAMTRAKの駅に行った。


予定だとこのままニューヨークまで行くつもりだったが、まず①ニューヨークでの宿をとっていない(というか、とれない)、そして②二日酔いがひどすぎて、どこかでゆっくり休みたいと思い駅員に「ゆっくり静かに過ごせる 町へのチケット」をお願いした。


すると駅員は「Charlottesville」という町を勧めてくれた。ここは静かで、綺麗で、駅員さんが個人的に好きらしい。 追加の料金も30ドルくらいだったので、私はそこに行くことにした。


Charlottesville(シャーロッツビル)へ

ワシントンDCからシャーロッツビルへのAMTRAKは4時間ほどだった。アメリカの首都ワシントンDCといえど、出発してから1時間もすれば超田舎に入り、乗客もポツポツ・・・といった状況だった。


窓から風景を眺めていたら、ふと視線を感じた。なんだこの感じは・・・そう思い、振り返ると、同じ年くらいのアメリカ人の男の子がこっちを凝視していた。


アメリカ人男の子「珍しいね。アジア人の女の子がこの路線の電車に乗るなんて。」

私「本当は乗るつもりなかったんだけどね。ワシントンDCからニューヨークまでの寄り道だよ。」

アメリカ人男の子「そうなんだ。一人でこんなところに来るなんて勇気があるね。僕はEvan。よろしく。」

私「私はKayo。Glad to see you」


その後もEvanとは文化の話とか、政治とか人生の話とか、とにかく話が弾んだ。日本では初対面の相手と、ここまで深い話をすることは滅多にないが、アメリカならよくある。旅先で実のある話ができて楽しかった。


・・・・それにしてもEvanは興味津々に私に質問して来る。いくらアメリカでも初対面の相手にここまで深い話を聞くか?


1時間後、Evanの駅についたので、最後にFaceBookを教え合って私たちは別れた。


FaceBookを見ると、あっ!


Evanのプロフィール写真は、アジア人の彼女とのツーショットだった。わかったぞ、彼は「Asian Lover」なんだ。つまりアジア人の女の子専門ってこと。


アメリカは人種のるつぼで、自分と違う人種の人と付き合うことも多い。とはいえ人種が違えば見た目は大きく変わる。つまり「私は黒人が好み。」「俺はアジア人が好み。」と行った具合に、シュミが人種で分けられるのも多いのだ。


国によって人の好みの分かれ方も変わるんだなー、日本にはない感覚だよなーと思っているうちに、電車はCharlottesvilleについた。


一人も歩行者のいないCharlottesville

シャーロッツビルの駅は小さかった。駅から最寄りのホステルへは結構歩いた。 道を歩く。 ・・・ ・・・ さっきから歩けど歩けど、誰一人として歩行者とすれ違わない。たまたまだろうか。まぁいいや。


お客さんが少ないホステル

ホステルは綺麗だった。いや、清潔でシンプルと言ったほうが良かろう。ホステルにはベッドとトイレとシャワーしかなかった。キッチンや談話室もない。1ルームっていうか、体育館って感じ。私は20ドル(当時1,600円)払ってチェックインした。


同室には女の子が2人いた。いつもなら自己紹介でもして旅の話をするが、いかんせん私は二日酔いだ。早速寝た。



zzz zzz



寝ただけでその日は終わった。



翌日

よく寝たのでそろそろニューヨークに行くべきと思うが、大都会に行く前にもうちょっとゆっくりしたい。私はホステルのスタッフにもう一泊お願いした。

同室の女の子たちはもう旅たっていた。私はホステルのフリー朝食をいただく。

お腹が減っていたのか、パンを3枚も食べた。 朝食後もなんだかベッドが恋しく、私はまた寝た。しかしホステルの人がうざったそうにこっちを見ている


・・・仕方ない、外に行くか。


私はしぶしぶ外で時間を潰した。近くに綺麗なショッピングモールがあるというのでそちらへ向かった。


ズンズン歩く。

ズンズン、 ズンズン・・・


2km歩いたところで何かに気づく。そうだ、この町にきてから誰一人ともすれ違っていない。車はビュンビュン走っているが歩行者がゼロなのだ。不気味だ。


さてモールに着いた。綺麗なモールだ。だが、 やっぱり人がいない

ひととおり雑貨を見て、コーヒーを飲んでホステルに戻った。戻る間も誰一人として会わなかった。アメリカの田舎は誰も外を歩かないんだろうな。

そして昨日からずっと感じていたもう一つの違和感にようやく今気づいた。


この町、白人しかいない。


これまでシアトルやサンフランシスコ、シカゴなどの有名な町にいた時は、白人も黒人もアジア人もごちゃ混ぜだったが、このシャーロッツビルには白人しかいないのだ。アメリカの古い田舎は白人社会なのだ。


アメリカに来て初めての田舎を経験することができた。


ニューヨークでの宿と帰りの飛行機を予約する

さて、Charlottevilleに2泊もしたし、最後の目的地、ニューヨークへ行く準備をしなくちゃならない。 でも、ニューヨークに行くのに困ったことがある。それは


ニューヨークでの宿が全く取れない


のである。


一週間前からニューヨークのホステルを探しているが、全然空きがないのだ。夏のニューヨークは旅行者でいっぱいなのだ。


ニューヨークからシアトルへ帰る飛行機のチケットを4日後に取ったから、ニューヨークには3泊する予定。だが、今のところニューヨーク1日目の宿しか取れていない。


かろうじて取れた1日目のホステルも一泊50ドル、高い!(通常は20ドル)。2日目以降に空いている宿は、ホステル、ホテル含め、「リッツ・カールトンの1泊15万円」の部屋のみ!無理!


ニューヨークで宿が取れない。どうするか

ニューヨークに行っても宿がない・・・・どうしようか。方法は3つある。

①ニューヨークのセントラルパークで野宿

②ニューヨークのマックに泊まる

③SNSでSOS


①は女ひとりがアメリカの公園で寝るのだから、危険だ。

②は店員に追い出される可能性あり。

③はニューヨーク在住の知人なんて思い当たらない。


とはいえ何もしないより、いい。私は③SNS(FaceBook)で、「ニューヨークに行くけど、宿がない、困った!」と発信した。


するとその日の夜FaceBookよりこんなメッセージが。 「カヨちゃん!ニューヨーク来るの?私先月ニューヨークに引っ越したばかりなんだ。よかったらウチに泊まりに来る?」


なんと!


なんとたまたま、シアトルで出会ったアメリカ人の女の子がニューヨークに引っ越して来たという。こんな奇跡があるのか!?


私は「お願いします」と即答した。やったやった、ニューヨークでの宿が取れた!これで安心してニューヨークへ行けるぞ♩


私は胸をなでおろし、最後の街、ニューヨーク行きの電車に乗った。


アメリカに来て初めての田舎町、Charlottesvilleを体験し、最後はニューヨークです。アメリカン・ドリームが詰まった街、ニューヨークで無事に4日間過ごせるのでしょうか。


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