何かを立ち上げる話
ひとえに「立ち上げ」といっても、何を想起するかは人それぞれだ。
ただ、一般的には、会社や組織、イベント、何かのプロジェクト、色々なものの「始まり」を想起するのが「立ち上げ」という言葉だ。
ちなみに筆者は、4年ほど前にオパエウラという、よくバラエティショップなどで売られている「餌のいらない癒しエビ(※そんなことはない)」の閉鎖環境水槽……とは名ばかりのボトル水槽の立ち上げを行い、今なお手探りで飼育を行なっている。
地震でボトルが倒れるなどして、残念ながら数を減らしてしまったが、我が家に来た当初一番色の良くなかった個体が最後に一匹だけ残り、今も我が家で元気に暮らしている。
どうもエビは環境によっては20年近く生きる個体もいるらしく、一気に自分の寿命について考えるようになったのは言うまでもない。不摂生をやめよう⸺そう思った。思っただけ。不摂生は楽しいため……。
閑話休題、筆者には、エビの水槽以外にも、色々立ち上げてきたものがある。
最近になって、また一つそれが増えたので、どういうことをやっているのかちょっとだけ紹介ついでに、個人的な記録として残しておきたい。
筆者の場合、節目節目で「誰かが言い出しっぺになったことを受けて、それを大きく膨らませる」ということを、人生で繰り返して行なっている。組織の起爆剤ポジなのかもしれない。
それを活かして、大学時代あたりから、たとえばサークルの立ち上げに乗っかったり、イベントの立ち上げに乗っかったり、あとは存在しないロボットアニメの同人イベントを企画したり(!?)ということをやってきたのだが、今もなお、「言い出しっぺの誰かの話をでっかくする」ということがやめられないでいる⸺存在しないロボットアニメについては、かなり面白いことになっているので、また別な記事で。
そこで、なんと中学からの付き合いのある友人が、つい最近こんな話を持ちかけてきた。
そう、実は筆者たち、全員30代独身女性(戸籍および生物学的特徴上)である。
筆者は色々あって独身主義を貫こうと思っているのだが、人生何が起きるか分かったもんじゃない。
突然起業したくなるかもしれないし、銀行から融資を受ける時が来るかもしれないし、そろそろクレカを雰囲気で使い続けるのもどうかと思うし、なんか突然家庭の共同経営をしようと思って結婚をしようと思い立つ可能性だってある。それに、一応平均寿命と自分の年齢を比べたときに、人生はまだまだ余白がある。相続の問題だってある。
⸺お金の知識、あったほう、いいよなあ。
……というわけで、筆者はこの提案をほいほいと二つ返事で快諾し(筆者と友人は昔から結構こういう仲である)、そうして先日、ついにFinancial Literacy Clubが発足したわけだ。
内容としてはざっくり、「Web動画講座を用いて分野別に同じテーマを学習し、それぞれの視点で資料をまとめたものを、隔週で発表する」というものになった。
利用する動画講座は、日本銀行・金融広報中央委員会で制作しているWebサイト「知るぽると」である。
投資とか預金とか株について各々で勉強するという案もあったが、一次ソースの確認とファクトチェックがえらく大変になるので、日銀の後ろ盾を全面的に信頼しつつ、初心者向けの内容を取るという意味でも、こちらになった。
さて、こういう学習系コミュニティを運営するうえで、越えるべき壁が二つほどある。
・モチベーションの維持
・使用した資料やメモなどの格納場所
……である。
モチベーションの維持については、「知るぽると」内にある「マネビタ」というサービスが、90日以内にコースを修了し課題を提出すると「修了証が貰える」という、言っちゃ悪いが雑なアチーブメント&リワードがあるものだったため、「これをみんなで頑張って90日以内に終わらせたろう!」ということで、うっすら合意がとれた。
人間にとって、締切があるって大事だ。マジで。
また、「隔週」というところも外せないポイントだということを書き残しておきたい。
というのも、(こっそりオンラインスクールに通っている身からすると)こういうグループ学習系は、毎週より隔週の方が安定して課題に取り組めるということが、経験上わかっていたからである。
人間生活を送ってらっしゃる皆様(?)なら同意いただけると思うが、普通に暮らしていても、結構一週間なんて割と秒(単位の定義が矛盾したフレーズ)で過ぎていく。
そこにたとえば、仕事と急な残業、プライベートの用事、なんか体調が悪い、ちょっとこれ災害かも、みたいなことがぶつかると、7日間でできることなんてほぼ皆無である。
一週間で天地創造して一日休めるのは神くらい(※例え話)なもので、人間はそこまで無理をするようにできていない。
そして、「じゃあ次のミーティング延期しようか」なんてやってしまおうものなら、人間は怠惰なので、あっという間に集まらなくなってしまうのである。こういう時は性悪説を採用したほうがよい。
こういったコミュニティ運営において重要なのは「小さな成功体験」と「成果の実感」の積み重ねであるため、それを実現するには「最初の一週間くたばっていても残りの一週間で全部大丈夫にするための余裕」を用意しなくては、と思ったのであった。
ということで、隔週でのWeb会議の開催を友人に強く提案し、採用してもらった。ありがとう。
次に資料等の格納場所についてだが、仮に会社や学校でやるのなら、いわゆる物理保管が一番安定していると思う。同じオフィスの仲間なら、それを見ればいいわけだし。
だが、いかんせん今回はそれぞれ居住地の違う友人同士であり、大学が同じだっただけで頻繁に会う予定もない。なんなら国が違う人もいる。お仕事お疲れ様です⸺
そこで筆者が提案したのが「Discordのコミュニティ機能の活用」だった。
Discord、かなりミーティングスペースと格納庫としての取り回しが効くため、
・ビデオ会議(と音声通話)
・資料の共有および保管
・日程調整とその参照
が一本化できてしまうのである。便利すぎる。
もうなんか、推さない理由がなかった。
実は一年ほど前にも、ツイッ……エックス……のフォロワーから「勉強したいという意欲はあるけどどうしたらいいかわからない」「フォロワーの研究テーマに関する話が聞きたいけどそんな機会ない」という話が出ていたことがある。
その折に、「フォロワー義塾」という、フォロワーのフォロワーくらいまでなら招待可能なdiscord鯖を立ち上げ、とりあえずのインフラ整備的なことをしつつ、自分も投稿する、ということを行なっていた。
そのため、フォロワー義塾内において行なっている、
・テキストチャンネルを利用した雑談場所の確保
・上記チャンネルから枝分かれした問題提起用のスレッド
・投票機能の活用(discordに最近内部機能として実装されたよね、神)
・フォーラムに資料などを投稿し、見やすく整理(質問コメントのスレッド化)
……このあたりの機能を参考にしながら、利用できるように体裁を整えたうえで、規模縮小版をサッと作成し、置いておいた。
また、かねてからTRPGを遊ぶ上で活用していた日程調整ツール(デイコード)や、ほかロール付与bot(Carl-bot)などを導入し、ついでに案内板的なものを作り、Discordなんもわからんの人でもなんとなくわかりやすくなるように整備をした。
ちなみに、議事録などの細かい記録を共有する用途として、補助的にNotionも利用している。全部オンライン完結である。いい時代になったもんだ。
それでも取り残される人が出てくれば、まあ管理人たる筆者がなんとかすればよい(というか、それをするのが管理人の仕事である)ので、そこはさほど深刻に考えないようにしている。
気の置けない友人たちと、再びゼミのような活動ができるのかと思うと、本当に嬉しい。
というわけで、今後筆者がちょっとずつお金に詳しくなっていくかもしれないところを、楽しみに見ていただければと思う。
がんばるぞ〜!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?