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粘菌生活者の一歩を踏み出す

2020年8月24日(月)

ひたすら暑い毎日。今朝は少しだけ風の湿り気が弱い気がした。もっとカラッとしてほしい、山下達郎×鈴木英人ぐらいのレベルで。

この週末は我が家の“裏山”摩耶山に向かう。商店街から坂バス→摩耶ケーブル→摩耶ロープウェーと乗り継いで山上まで到着すると、下界よりは幾分涼しい。

この日は、一風変わった自然観察イベントが初開催された。本来は7月に予定されていながら、荒天で延期となっていた「摩耶の森クラブ『摩耶の森粘菌観察会』」。最近、粘菌(変形菌)にご執心の方がチラホラと出てきて、粘菌は知らないがキノコに滅法目がない自分としては、同じ「菌」として放っておけず、菌活の一環ということで参加したのだった。

「マメホコリ工房」を主催する片岡祥三さんがこの日の講師として、粘菌について教えたり、観察の手ほどきをしてくださった。(片岡さんのお子さんふたりも滅茶苦茶詳しくて驚いた。)

正直に言って、こ、細かい!小さすぎる!半分枯れた状態の木や、濡れた落ち葉が重なったところを探していくのだが、子実体がまとまっていても数mm〜5cmぐらい、ポツポツとまばらに単体でいると1体が0.5mmぐらいだったりして、それを自然の中で探していく困難さよ!アメーバ状態の変形体ならば、1mもの大きさに広がったものが見つかることもあるというが。

キノコを探す時とは、桁違いの解像度が必要なイメージ。これはなかなか難易度とマニアック度が高い、自然観察のいちジャンルだなーと感じた。

しかし、ユニークな形になった子実体は、観察すると大変面白い。自然の中に存在するのにどこか人工的ですらある佇まいは、人を惹きつける不思議な魅力がある。名前が「〜ホコリ」となっているのもかわいい。胞子を出す様子から、ホコリが付くようになったとのこと。

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このサイズ…

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トップ画像「ムラサキホコリ」の立派な子実体を、寄ってたかって観察

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参加者は見つけた!と思ったら講師の先生に報告→確認の流れになるが、極小キノコや何かの菌糸など、空振ることが多数

観察会が終わってから、ふと、とある現代アート作品を思い出した。

昨年、10回目となる節目の開催で、過去最高の入場者数を記録した「六甲ミーツ・アート 芸術散歩」。秋の六甲山上が現代アート作品で賑やかに彩られる大規模な催しで、個人的にも毎年楽しみに足を運んでいる。

その「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019公募大賞」グランプリに選ばれた岩谷雪子さんの「ここにいるよ」という作品の幾つかが、何となく雰囲気が粘菌の子実体っぽいんだよな…

作品を鑑賞した時は小さくて繊細で、モチーフが存在するならどのようなものだろう、とぼんやり考えたりしていた。点在した作品のうちの幾つかは、粘菌の子実体がモチーフかも知れないな…などと、1年経った今頃、また思い返して味わうことになった。

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さておき、新しく買ったルーペの使い道としても、粘菌観察は菌活の一環として、しばらくのんびりと続けてみようと思う。かくして私も、粘菌生活者の端くれとなったのだ。

詳しくなりたい訳でも突き詰めたい訳でもないが、今まで知らなかった世界に触れることは愉快だ。

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