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六甲山の巨石・巨岩を愛でる

2020年9月16日(水)

すっかり朝晩は涼しく、一気に秋らしい気候になった。灼熱の8月は、朝の通勤時に家から会社までフルに歩くことが2回しかできなかった。これから巻き返しを図る。

先週末、いつもお世話になっている六甲山の歴史研究家・前田康男さんが主宰する「六甲歴史散歩会」の授業に参加した。(元々『六甲山専門学校』という勉強会からスピンオフ的に生まれた会なので『授業』。)

今回のテーマは「東六甲の磐座を訪ねる」。古くから巨石信仰などが伝えられる六甲山の、巨石・巨岩を巡り、それにまつわる歴史を紐解く内容。

昼過ぎに山上に集合すると、天気が良く、さらに眺望はこの季節にしては最高レベル。遠く友ヶ島や紀州の山々までクッキリと眺めることができた。

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予定していた講師の方が急な体調不良で来られないというトラブルがあったものの、それ以外は予定通り座学→フィールドワークという流れ。

六甲山記念碑台の六甲山ビジターセンターを出発して、途中の歴史遺構などを確認しつつ、心経岩〜六甲比命大善神社〜雲ヶ岩〜仰臥岩という4つの大きな磐座群を順々に見て回った。

このエリアは、元々は修験者の修行の場で、7世紀ごろインドからやってきた法道仙人が修行し、開基した裏六甲・唐櫃「多門寺」の奥の院。

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周辺は特に有名なハイキング道という訳でもないけれど、スピリチュアル的な方向に興味のある方たちがwebで検索しては訪れる、密かに人気急上昇中のパワースポットらしい。

目指す磐座群が近くなると、山道が急になる。到着していざ岩を目の前にすると、その大きさと迫力に圧倒される。

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般若心経が彫られた「心経岩」、超巨大な岩壁の脇に社がある「六甲比命大善神社」、落雷で真っ二つに割れたと言われる「雲ヶ岩(以前は紫雲賀岩と呼ばれたものが略されたとのこと)」、海抜913mに位置して六甲山系で2番目に高所と言われる場所に鎮座する「仰臥岩」。

こんなところに、こんな大きな岩が…と、参加者で見上げて眺めて撫でて、巨石・巨岩鑑賞を満喫した。

古代の六甲山は、山岳仏教・修験者の山で、霊場に付きものの「天狗岩・天狗谷・天狗の鼻」といった地名もそれらを示している。
平安初期の山岳密教から派生した修験道の行者が修験者で、当時は真言宗・天台宗が山岳密教を代表する宗派だった。
古寺山(山号は六甲山)の多門寺と摩耶山の天上寺がこの地帯の山岳仏教を代表する寺院として知られている。

なんてことを今回はお勉強した。以前にも、六甲山系の磐座研究をされている方の1時間ほどのセミナーをお聞きしたことがあった。この方は古代宗教における磐座群の研究をされていて(ちょっと難解ではあったが大変興味深い内容)、古代人の信仰の名残が、六甲山系に点在することは確かなようだ。

この日訪れた巨石群は、六甲山カンツリーハウスの近くから道を入り、企業の保養施設を幾つか越えてすぐのところにある。観光地として開発された地域のすぐ裏手に、こんな場所が見られるのも六甲山の面白いところ。(その六甲山カンツリーハウスも、広い敷地内には祀られた巨岩やストーンヘンジのようなものが存在するのだけれど。)

スピリチュアルや古代ミステリーなどのジャンルでなくても、巨大な石や岩の前に立つと、人間の力が及ばないレベルの自然に圧倒されて充分非日常を感じることができる。観光コンテンツとして六甲山系の巨石・巨岩・奇岩をグイッと押し出しても良いかも知れない。

心経岩

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般若心経が彫られている。元々彫られていた岩は流失してしまい、現在の岩は 大正5年に再建された物とのこと。

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六甲比命大善神社

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大きな岩がオーバーハングしていて怖い。

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雲ヶ岩

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改めて手刀で叩き割ってみたり。

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仰臥岩

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お祀りされている。祠の扉は開くが中は何もない。

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おまけの「タモンヂ」。

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