藍染めの起業の現在地

春がやってきて、冬を生き延びたと蛙のような心持で最近過ごしている安藤です。
本当に寒いのが無理で、自分が死ぬならきっと冬だろうと勝手に信じています。

さて、今日はちょっと真面目に藍染めについてのお話。
実は藍染めの起業をしている安藤。始まりは徳大の授業で起業をするというプログラムでした。

最初の最初は、何かプロダクトを生産してECサイトにて販売するという目的でした。で、それまでのとくしま内でのフィールドワークで印象的だった、上勝町・ゼロウェイストに関連した、杉の木の間伐材を原料に使用した布を使いたい!というのがなんとなくあり。
その布をそのまま売るのでは面白くないし、徳島に縁のあるもの=藍染だ!ということで経験したことのない藍染め加工をしてプロダクトを生産することに決めました。

なんともふんわりとした理由からスタートした藍染の起業。屋号は「INDEEGO」としました。

メンバーと一緒にECでの販売と、スポーツクラブのインストラクターをしていた縁もあって、親子体験会をしました。
販売実績自体は本当に微々たるもので、全くもって商売といえるほどのものではなかったです。とはいえ、その中で感じたことが2つ。

①「藍染め」の身体性の豊かさ
藍染めを使用と思うと、藍液(染料)の中で布をも見込んで色を付けていく作業になります。藍液は、刈り取った藍の葉を発酵させて作るので、独特のにおいがあります。液に手を突っ込んで染めるので、液の冷たさを触覚で感じます。目で色の入り具合などを確認し、色の機微を感じとります。そうしてできたものは保存性も高く、フィジカルに長く楽しむことが出来ます。
これだけ豊かな体験を、親子で共有している風景には幸せがあふれているように感じました。

②創ることの正解のないたのしさ
藍染めの工房をお借りして作品を作っていたときのこと。工房の店主の方が、「藍染に正解は無い」ということをおっしゃっていました。世界には誰かの決めた「正解」があふれ、子供たちも大人たちも日々それを目指している。そんな正解主義の時間とは全く異なる時間が制作の時には流れていました。


そんな商売としての難しさと藍染の魅力を得たのち、授業は終了しました。

継続するのかどうか、これを考えたのち出した結論は「継続」

代表として自分の中で目標にしていることがあります

1.メンバーの時間にとってポジティブなことだけに活動してもらう内容を絞る。
僕以外に現在3人のメンバーがいるINDEEGO。全員後輩で学生です。学生の期間の時間は長いようで短い。みんな本当に優秀なので、きっとその分やれることの自由度は多く、周りの学生よりもその選択が難しいでしょう。周りの人間からもいろんな活動に誘われ、そこにも時間と労力を要します。
ときにはメンバーたちのことを利用したいがためのちょっと楽しそうな話なんかも舞い込んできます。実際僕の周りにもいました。そんなことをしてしまう人間になりたくない。

INDEEGOの事業自体の継続は僕のエゴです。そこに巻き込むうえで十分な金銭的報酬を払えるほど僕はまだ経営者として力がありません。
であれば、自分なりに彼女らのことを考え、相談し、必要最低限のことに時間を使って有用な経験としてほしい。

2.社会の幸福の総量を増やすことを目指す
これは僕の現在やっている活動全てに言えることです。
eureka(コワーキングスペース事業)、サワーズの活動(スポーツインストラクター)、その他、こまごまとした活動のすべてをここにつなげていきたい。
もちろん22歳のペーペーが抱くにはあまりに抽象的で壮大な目標です。正直難しい。しかし、社会に対してアクションを起こす際にはこれが必須であるというのが僕の信念です。

少し飛躍しますが、藍染めという伝統文化にはこれを叶える力があると感じています。
技術は日々進歩し、人間の生活は大きく変容しています。僕は平均寿命から言うと残り60年、人生100年時代がやってくるというなら残り80年生きます。価値基準は大きく変わるでしょう。仕事、というものもどうなっているのか予測もできません。コロナ禍、人は会わなくても必要な仕事をこなせるようになりました。それで際立ったフィジカルの重要性もあります。
フィジカルとバーチャルの関係性が技術の発展により移り変わるこれからの中で、藍染めは、「伝統」という時間軸での価値という点で技術に代替されにくく、「身体性」という観点で魅力は増していくと考えています。



現在地

そんなことを考えながら、今いる場所を少し具体的に書いていきます。
現在持っているプロダクトを販売(地域の対面型マルシェ等)をちょこちょこやっています。
ただ、今持っているのが、ハンカチ、シュシュ、マスクの製品で、少し寂しいラインナップなのと、プロダクトにもっとストーリーを持たせたいと考えているところです。
代表の僕が年度末になるにつれいろいろと環境の変化がありバタバタしていることもあり、スピード感のない活動になってしまっていますが、スラック整備したり、ミーティングしたりで準備を進めていきます。
ほんと、言ってることが二転三転したり、スピード感が無かったりとメンバーには申し訳ない状況ですが、よければもうちょっとだけお付き合い願えると幸いかなと思います。


おわりに

立ち上げてから1年半くらい、学校の先生方をはじめ、多くの人に支援いただきながら活動できていることに改めて感謝しています。
4月以降どんな環境になろうと活動する気でしますし、やっと未来像を固められるようになったと思います。マイペースですが、やりたいことをコツコツ進めていこうという所存ですのでたまーに思い出してくださると嬉しいです。

メンバーみんなへ、
大学生活折り返しにやってきたところだと思います。
いろいろ悩む時期かとも思います。が、人はすべからく悩みます。子供も大人も悩みます。考えても時間は過ぎていきます。個人的には悩みの解決方法の一つとして、「即決できるまで判断材料を増やし深めること」をすすめておきます。その材料を一つでも二つでも増やすためにINDEEGOを使ってもらえるなら僕は幸せです。

P.S. 新年に皆の成人祝いするって言ったのに、骨折って流れてすみません。そろそろ完治に近づいてきたのでまた飲みに行ってください。



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