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タクシー

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宿泊していないホテルを三人の男達がチェックアウトするまでのしばしに命がけで繰り広げる雑談
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#如何ものスキ

タクシー・1

「嶋田畜農養育園出身のマルキドホマレですね、徳川晩期、当時咎人から人気をとっていた風光明媚で米が佳く、つまりは酒がいい、女賊もいい、あの悪太郎どもが憧れた流刑島は中部の縊れお仕置き地区にほど近い括れ部落で発見された野生種が発端の栽培物で、只今小僧さん躙り込みと共に香る裏日本系の、若やいではいるがやや陰気に湿った軽い黒煙臭は、雌の幼鳥つむりに冠した黄なる硬きトサカが為、炭は左胸、右腿のどっちつかずです、実に分かりやすい、わたしこの桃源島で畜農の養育に服務する嶋田さんとは懇意でね

タクシー・8

    さすがに粘着性の毛穴は僅かながら表現されていますが、本物を知る私は失敗作と云っておきましょう、オセンチックな作品はそう安易に出てくるものではありませんね」 「お二人とも講釈が誠に新内節めいた妄想で驚きました、〝利胆〟の集いでは恥知らずの上、分からず屋な想像の力を総動員し上手より誇らしくハレ舞台に登場した宍、臓腑の、ここでは炭ですが、その出自が抱える地理的条件からはじまる幾多のコンディッション、徒や疎かにできない食餌の献立、加えて教育係の一般教養、製鶏哲学、管理者、

タクシー・9

  恥じる事はありません、元より〝利胆〟の徒たる者は標準型の唐変木ではなく、臆す、人の目、自分の目を気に病む、そんな感性を持たない進化の先頭を行く、或いは反対に脳に羞恥点を増設しようとするエヴォルションの手先、ダーウィンの犬たる進化ビールスを丈夫一式且つ機能不全の前頭葉と落ち着きのない小脳が阻止した、そのいずれかである筈の、いや非常に強力な筈の、否もっと絶対的な筈の超特級唐変木なのです、いいえこの際思い切って、おたんちんこなすびの佐渡おけさめ、と云い放ってしまいましょう、気

タクシー・10

  客席を離れてはいけません、喰らっておりましょう、イカレ容態は見事にどポンチでしょう、疲れ知らずは駿馬鹿のギャロップすっとこすっとこ、どこまでも止まる見境なしのドッコイ者でありましょう、がしかし道とは厳しくせつないものです、席を立つ訳にはいかないのです、ええ、この皮は正真正銘オセンチックな銅脈モノで本革を使った合成皮革です、工場というより実験室で作られた特一級品です、キンキ・ソドミー皮の本道イタリン・ウンブリア仕立てはあたぼうよ、とわたしは心中勇み足をしました、道を行く者