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2023/1/27 日本経済指標まとめと日銀金融政策決定会合

★ 今月発表の日本経済指標日銀金融政決定会合の簡単なまとめ


① 消費者物価指数 1/20

総合 +4.0% 生鮮食品除く +4.0% 生鮮エネルギー除く +3.0%

★ 前年同月比で、電気(+21.3%)、ガス(+23.3%)、携帯電話機(+22.1%)の値上げが特に数値寄与度が大きいです。オイルショック時代以来の物価上昇率との事。物価高に賃金インフレが追い付くでしょうか?
 東京都のみの1/27発表の速報では+4.3%の結果。次回の全国指標でも同じような数字になるのではないかと思われます。

 総務省が20日公表した2022年12月の消費者物価上昇率は生鮮食品を除く総合で前年同月比4.0%と、41年ぶりに4%台となった。資源高や円安でエネルギー価格が上がり、食品など身近な商品に値上げが広がった。食料の伸び率は7.4%と、46年4カ月ぶりの水準に達した。新型コロナウイルス禍後に回復してきた消費の先行きは、今春の賃上げ水準が左右する。

日本経済新聞 2023年1月21日 2:00
出典元 総務省 統計局
出典元 tradingeconomics.com

② 企業物価指数 1/16

前年比 +10.2% 先月比 +0.5%

★ 消費者物価指数同様、日銀調査によれば電気・ガスの上昇影響が大きいとの結果です。
 経済新聞はあまり取り上げられないが、とんでもない数字です。
※ 米国の直近の数字は、消費者物価指数+6.5% 企業物価指数+6.2%
参照ページ

 消費者物価指数との差異が6%程あり、企業はまだまだ、商品価格に転嫁出来てないのが実態です。

 この状況で政府は企業に賃金インフレをお願いするのはかなり酷でしょう。円安で利益が出ている大企業は対応出来るでしょうが・・・

出典元 日本銀行調査統計局
出典元 tradingeconomics.com

③ 日銀金融政策決定会合 1/18

★ 金融政策の基本維持が発表になりまりた。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、インフレ率が上昇している一方、前回の10年国債利回りの変動許容範囲を0.5%まで拡大した事も含め、名目金利が低位で安定しているため、実質金利の低下を通じ、金融緩和効果は強まっているとの説明がありました。

 確かに言葉通りで、インフレ率との差異を考えれば実質低金利で、金融緩和継続と言えます。

 市場参加者の一番の興味は「4月の日銀総裁人事で次の総裁とその政策の方向性」であり、いきなり利上げするか、金融緩和継続となるか、今回の政策会合発表ではどちらも匂わせた結果となったのではないでしゅうか。
 2/10に政府が日銀の人事案を提示する見込みです。

 余談ですが、今回の会合発表前に「利上げ」を織り込んだ債券投資家が国債の「空売り」をし、結果、利上げとならず(=国債価格の下げ)踏み上げとなったとの事。
 為替は一時的に132円台円安に動きましたが、現在は129円前後で推移。

出典元 政策委員会金融政策会合決定合議議事録

日銀が18日、金融政策の維持を決めたことで、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは急低下(価格は急上昇)した。一時前日比0.140%低い0.360%となり、昨年12月下旬以来3週間ぶりの水準まで低下した。日銀の政策修正を見込んで国債を売っていた投資家が、国債を買い戻す動きが広がった。

日本経済新聞 2023年1月18日 13:01

④ GDP需給ギャップ 12/28

★ 2022年7-9月のGDPギャップが内閣府のHPにアップされました。

 -2.0%と未だマイナスという事は需要より供給が多い事を意味し、デフレ基調はいまだ脱していない事を示しています。(供給が多ければ値段は⤵)

 2020年Q3(7-9月期)の-9.2%は流行り病の真っただ中で、GDP金額に換算すると(年次GDP550兆として)50兆円ほどの需要不足でした。
 安倍、菅政権連結にて先を見越しての100兆円ほどの景気対策費を国債で賄い、世界各国の中で上位になる程に失業率の上昇を抑える事に成功しました。
 
 失業率の上昇を抑える = 就業の継続 = 税収の確保

 普通に考えたら、GDP需給ギャップの-2.0%とインフレ率の+4.0%を合わせ、6.0%の需要不足の為、政府は33兆円ほどの景気対策の予算をつける必要があると言えるでしょう。(インフレ率+4.0%でも国民の所得は上がっていない)

 一番効果的な景気対策方法はもちろん消費税減税でしょう。

出典元 内閣府
出典元 内閣府

⑤ まとめ

● 日本のインフレ率の上昇はあくまでコストプッシュインフレであり、生活は豊かにはなっていない。

● 企業は販売商品にコスト分の価格転嫁を今後もする必要がある。でないと賃金アップが出来ず、人材流出を阻止出来ない。

● 日銀金融政策会合において、金融緩和政策継続の意思を示したが、長短金利操作も黒田総裁の任期と共に節目にしようとする兆候が見える。

● 日銀の長期的な金融緩和が歪に感じられるのは、政府の景気対策に対する財政出動不足や、消費増税により経済成長が鈍化した為で、日銀が片輪走行でよく踏ん張ってきたと言えるのではないでしょうか。

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