見出し画像

2023/6/12 気になるニュース⑫ 実質GDP1-3月期2次速報、NTT株式25分割、ソフトバンクG2022年3月期決算

⭕ 実質GDP成長率1-3月期2次速報、NTT株式25分割、ソフトバンクG2022年3月期決算について簡単にまとめてみました。

⭕ ④「まとめ」から読んでもらった方が分かり易いかも知れません。


① 実質GDP成長率1-3月期改定値 6/8

✅ 実質GDP成長率 +0.7%(前期比)+2.7(年率換算)

⭕ 大きく上方修正されましたが「民間在庫の押し上げによる」との意見が多いです。資金に余裕のある大企業に多い手法で、受注確定が入っている商品の原材料仕入れを前倒し消費税の税額控除を増やすのが目的です。

⭕ 単純に「需要の先食い」といえる為、それゆえ、4-6月期にマイナスの影響が出る事となるでしょう。

⭕ 根本的いは、現在の世界的円安基調がGDPを押し上げている事は言うまでもありませんね。

出典元 内閣府 国民経済計算(GDP統計)

② NTT株式25分割 5/12

✅ 5/12、日本電信電話株式会社(NTT)は2023年3月期の決算を発表、増収増益でいずれも過去最高を更新、そしてまさかの株式25分割を発表。

 4000円 ➡ 160円 と一気に低位株に。
このイベントに買いか?を検討。

⭕ 主要指標 6/12現在
● 株価 4,118円
● 時価総額 14,915,450百万円
● PER(株価収益率) 11.83倍
● EPS(一株あたり当期利益) 347.99円
● PBR(株価純資産倍率) 1.64倍
● 配当利回り(%) 2.91%
● ROE(自己資本利益率) 14.40%

★ バリュー株、社会インフラを担い不況に強い、13期連続増配当、1985年に民営化したとは言え、財務省が32.2%の株式を保有している為、倒産するリスクはゼロと言える。

★ 25分割となれば、株式発行数が36億株 ➡ 900億株 日本最高発行数となる。(トヨタ自動車は163億株)

※ 1株当たり純利益 EPS「Earnings Per Share」の略で、
EPSからわかることは、企業の稼ぐ力「収益力」と「成長性」の2つです。

⭕ 分割プラス面(思いついた事)
● 購入最低金額が1.6万円と小学生でも買え、投資家層が幅広く拡大。
(現在NTT株保有者は60歳以上の高齢者が圧倒的に多く、若年層の株式長期保有者獲得の為の分割)
● 株価の上値が重い展開へのテコ入れ。
● 来年より始まる新NISA制度への布石で、人気の低位株投資信託への組み込みを狙った大胆な分割。(政府主導にも思える)
● dポイント配布者を増やし、NTTドコモ経済圏への囲い込み。
● NTTにとっては、株式希薄する事により物言う投資家(アクティビスト)への対策。(主に海外ファンド)
● 2023年目標EPS=368円の為に業績が思わしくない時は、自社株買いを執行する事が想定され、株価は比較的安定する。

⭕ 分割マイナス面(思いついた事)
● 小口投資家が増える事により、議決権管理に大きな手間がかかる。
● dポイント配布コスト増。
● 物言う投資家(アクティビスト)が撤退する事により、機関投資家が成長率鈍化を察知し、連れ立って撤退するリスク。
● 株式分割は執行後に株価が下がる傾向がある。(投資家目線)
● 時価総額が巨大、株式発行数最多、低位株となれば、大きな値動きが期待出来ない。(投資家目線)

出典元 日本電信電話株式会社 2022年3月期決算
出典元 日本電信電話株式会社 2022年3月期決算



③ ソフトバンクG2022年3月期決算 5/11

1.営業損益9,701億円の赤字

⭕ 5/11 ソフトバンクグループ、2023年3月決算発表がありました。「守りの一年」というだけあり、数字だけを見れば損益改善していると言えますが、一兆円近い赤字です。(前年の赤字は1.7兆円)

売上収益 65,704億円 
(前年同期 +62,215億円)+3,489億円
営業損益 △9,701億円 
(前年同期 △17,080億円)+7,379億円
EPS △652.37円 
(前年同期 △1,018.58円)+366.21円

出典元 ソフトバンクグループ 2023年3月期 決算



2.セグメント別分析

⭕ 持株会社投資事業が大幅増益。しかし、柱である、SFV事業(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、ソフトバンク携帯事業は大幅減益。

 期待の半導体設計アーム事業は微増で少しの光明を見せた。

出典元 ソフトバンクグループ 2023年3月期 決算



3.アリババ株売却とアーム社上場へ

⭕ IRプレゼンテーション資料に乗ってますが、投資利益のほとんどは、虎の子のアリババ株売却による株式譲渡益で、ビジョンファンドの損失を辛うじて相殺しているといった状況です。

⭕ 頼みの綱の英国半導体「アーム社」を2023年中の上場を計画、米国NASDAQへ100億ドル規模(約1兆4000億円)の上場となれば起死回生の一手となり得るかも。

アーム社の主な事業
● マイクロプロセッサーのIPおよび関連テクノロジーのデザイン
● ソフトウエアツールの販売および関連サービスの提供
同社の半導体設計は、台湾積体電路製造(TSMC)や米アップル、韓国サムスンなどの企業が自社のプロセッサーを製造する際に使用している。

出典元 アーム社
出典元 ソフトバンクG 2023年3月期決算  IR向けプレゼンテーション資料



④ まとめ

⭕ 実質GDP成長率2023年1-3月期2次速報で上方修正されましたが、「民間在庫増の影響」が大きく、4-6月期にマイナス影響が出る為、実質プラスマイナスゼロとなりそうである。
 また、2022年との計算方法に変更があったと思われ、内閣府の「好景気アピール」の匂いがする。解散総選挙に向け内閣支持率を確保。

⭕ 株式25分割により、バブル期の象徴であるNTT株が低位株となり少額での投資が可能となり、流動性は高まり、若年層の投資家は増える。

 
分割となれば大きな値動きは期待出来ないが、不況に強い為NISAなどの積立長期投資向けとなる(分割執行日 7/1)

⭕ ソフトバンクGは国内経営はまだマシであるが、近年、企業の青田買いをしすぎたビジョンファンド事業は大不振。孫代表も今後はアーム事業に専念すると明言している。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?