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2024/9/7 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、ISM製造業景況感指数(9/3)、ISM非製造業景況感指数(9/5)、米国雇用統計(9/6)について簡単にまとめてみました。



① まとめ

🟡 レーバーデー明け

 波乱含みのレーバーデー明け。ISM製造業景況感指数は先月より改善されたが依然縮小領域。エヌビィデアの反トラスト法調査文書提出報道など、影響力のあるニュースも続き、「やはり9月は」と思わせる新学期スタートとなりました。

🟡 雇用統計

 発表直後の結果を見て、非農業部門雇用者数の予想が下回っただけで、自分の直感では「それほど悪い結果ではないのでは?」と思い静観。暫くは上昇局面もあったが最終的には大幅な下げに転じた。

 予想を下回っただけや、本当に些細な情報で多くの市場参加者が振り回され、ちょうど一か月前と同じ悪夢が甦り、より敏感にさせていると感じます。また、今回の結果で次回の利下げ幅の決定要因に欠け、不確実性、不透明感を嫌う機関投資家の売りに後押しをしたのも一因と考えられます。

 それに伴い年内の利下げ回数が5回分(125bp)の観測も出てきた。※2024/12/18「58.62%」

🟡 来週はCPI、PPI

 雇用統計に比べ注目度や影響度は低くなりましたが、より良好な結果が出れば利下げの正当性が強化され、仮に50bp利下げとなっても、FRBはやらされた感が薄れ、雇用と株式市場に悪い印象を与えないで済むかもしれません。



② 8月 ISM製造業景況感指数 9/3

🟡 結果 47.2(予想 47.5 前回 46.8)

⭕ 総合は47.2と予想(47.5)を大幅に下回る。新規や生産が先月よりさらに低下から需要環境が縮小している事を示している。先月と比較し、雇用がやや回復したが依然縮小圏内。
 
 購買担当者の声は特に、11月に行われる大統領選挙における不透明感が加速した事により経済の停滞を示唆するコメントが多い。

● 生産 44.8 (▲1.1p)
● 新規 44.6 (▲2.8p)
● 雇用 46.0 (+2.6p)
● 価格 54.0(+1.1p)

回答者の声
●「新規受注はせいぜい低迷しています。興味深いことに、注文が減っているにもかかわらず、問い合わせは増えています。顧客は、機器の購入のための資本が承認されたことを示していますが、2024年の第4四半期までプロジェクトを保留するように指示されました。これは、選挙をめぐる不確実性を示しています。年末は力強いと予想しており、2025年に向けて受注残が増加すると予想しています。」 [機械設備]

● 
「ビジネスは冷え込んでおり、選挙が終わるまで回復は期待できません。2025年の予算を組むにあたり、エネルギーに対する環境コストの増加について、引き続き深い懸念を抱いています。」[紙製品]

● 「請求が堅調に推移しているため、受注残は半減しましたが、注文は大幅に減速しています。第4四半期から2025年にかけて受注が回復することを期待していますが、第3四半期の受注は低迷すると予想しています。[輸送機器]

出典元 ISMレポート 2024/9/3

③ 8月 ISM非製造業景況感指数 9/5

🟡 結果 51.5(予想 50.9 前回 51.4)

⭕ サービス業の総合は51.5と予想(50.9)を上回る
 活動拡大、特に業況(+4.9p)、新規 (+5.1p)が先月と比べ大きく回復し、サービス業は緩やかなペースで成長している。
 製造業の不振で景気後退の懸念が強まっている中、米国経済、株式にとって良いニュースとなった。

● 業況 53.3 (▲1.2p)
● 新規 53.0 (+0.6p)
● 雇用 50.2 (▲0.9p)
● 価格 57.3(+0.3p)

● 「活動は増加しています。」[金融・保険]

● 「ビジネスと活動がアップ」[運輸・倉庫業]

 「一般的に、ビジネスは順調です。しかし、当社の製品が販売されているレストランやその他の場所での客足が遅くなるという懸念があります。」[農林業・漁業・狩猟]

● 
「食品コストの高騰は顧客の需要に影響を与えており、販売実績の低迷により、全体的にマイナス成長となっています。事業活動は安定しており、サプライヤーのコストは概ね横ばいです。」[卸売業]

出典元 ISM Reports 2024/9/5/



④ 8月 米国雇用統計 9/6

🟡 非農業部門雇用者数 +142,000人(予想+165,000人)
🟡 失業率 4.2%(予想4.3%)
🟡 平均時給増減 +3.8%(予想+3.7%)前年同月比

 非農業部門雇用者数が予想を下回り、7月分も89,000人に下方修正された(前回114,000人)

⭕ 8月は非農業部門雇用者数が前月比14万2000人増と、市場予想を下回る伸びにとどまった。3カ月平均では2020年半ば以来の低い伸び。失業率は4.2%と、5カ月ぶりに低下した。一時的なレイオフ増加の流れが反転したことを映している。

⭕ 8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回り、6、7月分も下方修正された。予想される米金融当局の利下げがどの程度の幅になるかを巡って、議論が活発になりそうだ。

出典元 Bloomberg 2024/9/7




④ 重要経済指標のおさらい

🟡 米国失業率低下(4.2%)、ユーロ圏 インフレ鈍化、失業率低下

非農業部門雇用者数、7月は下方修正(前回114,000)

⑤ 政策金利予想  9/7

🟡 利下げ観測 5回【4.00-4.25】
★ 2024/12/18 「58.62%」

出典元 CME FedWatch

🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)9/7現在

★ 米国10年債利回り 3.716%(8/31 3.909%)
★ 日本10年債利回り 0.842%(8/31 0.894%)
★ 1ドル=142.286円(8/31 146.204円)
★ 原油(WTI)1バレル=68.16ドル(8/31 73.65ドル)


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 9/7現在

★ 
NYDOW 40,345 ▲4.25%(先週比)+2.28%(先月比)
★ S&P500 5,408 ▲5.77%(先週比)+1.68%(先月比)
★ NASDAQ 16,690 ▲5.79%(先週比)+0.18%(先月比)
★ 日経平均 36,422 ▲5.76%(先週比)+4.57%(先月比)


🔅 来週の経済指標
9/11 CPI 消費者物価指数
9/12 PPI 生産者物価指数
9/13 ミシガン大学消費者信頼感指数 速報


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