2023/10/21 今週の米国経済指標まとめ
⭕ 今週の米国経済指標、米国 小売売上高(10/17)、FRBパウエル議長発言(10/19)、日本 消費者物価指数 CPI(10/20)について簡単にまとめてみました。
① 9月 米国 小売売上高 9/17
⭕ 小売売上高(前月比)
総合 結果+0.7% 予想+0.3%
✅ 今回も市場予想を上回る伸びを計上し、6か月連続でのプラスとなった。個人消費は堅調で景気を支えている構図が示された。
⭕ ガソリンスタンドが0.9%増と原油価格の高止まりの影響が大きい結果となった。自動車、ネット通販、外食もそれぞれ増加。
⭕ 比率が高い自動車売上高を除いた小売売上高も+0.6%と米国経済の堅調さが伺える。
② パウエル議長発言 10/19
⭕ 10/19、FRBパウエル議長は追加利上げの実施する可能性が低いと示唆しました。
理由として、
● 目標とする物価の安定と雇用の最大化に向け、継続的に進展している。
● 長期金利の上昇が景気にブレーキをかけ、借入コストの上昇が実質的な利上げの代わりになるとみている。
③ 9月 日本 消費者物価指数 10/20
✅ 総合 +3.0% 生鮮食品除く +2.8% 生鮮エネルギー除く +4.2%
⭕ 総合では先月より0.2%下落、生鮮食品及びエネルギーを除く指数(生鮮エネ除く)では0.1%下落
⭕ 生鮮食品を除く食料(+8.8%)が前年同月比で-0.4%低下し鈍化傾向との判断材料になるか?
ガソリン代(+8.7%)は上昇しているが、電気代(-24.6%)都市ガス代(-17.5%)が総合とコアの低下に大きく寄与している。
宿泊代(+17.9%)は相変わらずの好調、観光需要の回復で価格自体は引き続き上昇傾向にある。
④ 重要経済指標のおさらい
⑤ 利上げマップ 10/21
✅ 11/1、連邦公開市場委員会(FOMC)での市場参加者の意見は現状維持が99.9%とほぼ確実。
⑥ まとめ
⭕ 10/19、FRBパウエル議長は追加利上げの実施する可能性が低いと示唆しました。次回会合では現状維持がほぼ確実(99.9%)
★ 長期金利の上昇が景気にブレーキをかけ、借入コストの上昇が実質的な利上げの代わりになる為、利上げは不要との結論。
⭕ 米国10年債利回りが急上昇、一時5%を超える状況となり、今週の米国株式は主要3指数とも大きく下落。市場は「調整局面」を迎えている。
★ 来週は絶好の買い場となるか、否か
⭕ 日本において、10/20総務省発表、消費者物価指数はコアで2.8%と3%を切る数値となるが、植田総裁は「不確実性が高い」とし、改めて金融緩和継続を示唆している。円安観測により、為替は1ドル=150円をうかがう状況となった。
★「賃金の上昇を伴う形」で2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指す方針を改めて強調した。
★ 物価上昇圧力の寄与度が高い分類が、食品類や観光需要である事を考えると「持続的・安定的」とは言えない。
⭕ イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が長期化するようであれば、原油価格を高止まりさせるリスクを負っている。FRBにとっては好ましくない材料となった。
10/20金曜日には1バレル90ドル(WTI)を突破した。
🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)10/21現在
★ 米国10年債利回り 4.914%(10/14 4.616%)
★ 日本10年債利回り 0.836%(10/14 0.758%)
★ 1ドル=149.853円(10/14 149.565円)
★ 原油(WTI)1バレル=88.29ドル(10/14 87.72ドル)
🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 10/21現在
★ NYDOW 33,127 ▲1.61%(先週比)
★ NASDAQ 12,983 ▲3.16%(先週比)
★ S&P500 4,224 ▲2.39%(先週比)
★ 日経平均 31,259 ▲3.27%(先週比)
🔅 来週の米国経済指標
10/26 米国 実質GDP成長率 速報
10/27 米国 個人消費支出 PCE