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【公演再開!】22/2/24M『アラジン』

 こんにちは!昨日は劇団四季ミュージカル『アラジン』を観劇してきました!チケットは1週間前に念のために確保していましたが、当日の午前中に大きく落ち込む出来事があり、傷ついた心を癒してくれる観劇となりました。奇しくも、2/16(水)~2/20(日)、2/22(火)~2/23(水)と新型コロナウイルスの影響で公演中止を余儀なくされていたため、俳優さんたちの息遣いからも、やっと舞台をお届けできる!といった想いが伝わる、とても熱い舞台でした!!

・キャスト

男性アンサンブル6枠は欠枠となりました。
ピンク色で網掛けをしているのが、『アラジン』で初めて拝見するキャスト。

 実は当日の朝にキャスト変更があり、月曜日朝10時に発表されたキャストとは違う顔ぶれになりました。プリンシパルではアラジン役の厂原時也さんが一和洋輔さんに、ジャファー役の牧野公昭さんが深水彰彦さんに、カシーム役の岩崎晋也さんが川村英さんに、変更となっています。コロナの影響もあって、日々のPCR検査や綿密な体調管理を余儀なくされ、それでもなお舞台をお届けしよう、という劇団四季(もちろん演劇界全て)の姿勢は、スタンディングオベーションものです!!!幕が開いて本当によかった!!!

・キャスト毎の感想

 ここからはプリンシパルキャストを中心に、それぞれの感想を綴ります。

・ジーニー役/阿久津 陽一郎さん

 大好きな阿久津さん!!!僕が劇団四季で1番最初に「この俳優さん好き!」と思ったのは阿久津さんでした。何より声が好き。そして独特の存在感。『マンマ・ミーア!』サム役、『アナと雪の女王』アグナル王役と拝見しましたが、一目で阿久津さんと分かる存在感がありながら、役を等身大に生きている舞台上の姿に、観れば観るほど魅了されました。
 今回は、なんとジーニー!!阿久津ジーニーを観るまで死ねない、と決めていた私にとって、やっと阿久津さんのジーニーが観れる!!!と、気分は沈みながらもワクワクしながら劇場に向かいました。

 開演前のアナウンスからもう耳が幸せ!!(笑) 改めて思うのは、阿久津さんって声を自由自在に操れる達人では!?
 オーヴァーチュアが流れ、幕が開くとそこには憧れの阿久津ジーニー。今回はC席からの観劇だったのですが、全編を通してほぼ阿久津ジーニーばかりを観ていました(笑)。
 「アラビアンナイト」の狂言回しも、独特な喋り方で観客の心を惹きつけます。これは客層の問題なのか分かりませんが、浅草の提灯のくだりは反応が悪かったです…。「アグラバーを訪れたのは初めて?」で最前列の方をロックオンするのですが、あの阿久津さんの目力でロックオンされたらどうなることやら(笑)。羨ましい反面、ちょっと怖いかも(笑)。
 阿久津さんの歌い方って、本当に喋るように滑らかに歌うからめちゃくちゃ自然なんですよね!!高音も綺麗に出ていて、コンディションもバッチリといった印象です。

 洞窟で再びジーニーが登場すると、そこはもう阿久津ジーニーの独断場(笑)。前回観た道口さんのジーニーもテンションはかなり上げていましたが、阿久津さんは多分素があのテンションなんだろうな…って(笑)。これも客層の問題なのか、観客の2/3はあのテンションに追いつけてなかったですよ…。身のこなしも軽やかで、もうね、阿久津さんジーニーが「好き」としか言葉が出てこない…。アラジンの「ランプの中から出てきたっていうの?」という台詞の返答は、これまで観てきた瀧山さんは山口県出身、道口さんは茨城県出身なので方言を混ぜたユーモア溢れた答え方でしたが、阿久津さんは東京出身なのでどう答えるのだろう?と注目していたら、シンプルに「いえ、東京出身です」とちょっと食い気味に言っていて、これはこれで爆笑をかっさらっていました!FLMではダンスを軽々とこなしながら、あの声量で歌っているので本当に凄いです。最後のロングトーンは、手をアロハにさせながら、まだ出る!まだ出る!といった具合。本気で凄いよ…!

 アルと本当に仲が良いんだな…と伝わってきますし、1幕フィナーレの「アル、君ならきっとうまくやれる」という台詞は、ジーニーにとってアルが心の底から信頼できる仲間なんだ、と訴えかけてきます。1万年間ランプの中にいて、やっとランプの外に出られたと思っても、ご主人様の無理難題な願い事を叶えさせなくてはならない、ジーニーとしての「宿命」が、ジーニーを単なる魔法使いではなく「友達」として接するアラジンと出会うことで、その宿命を変えれるかもしれない、というジーニーの心の奥底にある"願い"が、この一言に凝縮されているなぁ、と感じました。

 少し飛びますが、阿久津さんの演技力が光るシーンがあります。それは、アラジンが3つ目の願い事を「ジーニーを自由にすること」には使えない、と打ち明けるシーンです。先述の通り、ジーニーはアルをご主人様としてではなく、友達として見ていただけに、自分勝手な言動を取るアラジンを、「友達」として見ることができなくなってしまったわけです。直前までにこやかにしていたジーニーが、自らを嘲笑するように「君はそうやって人を騙してきたんだものね」というシーンは、凄い胸をグッと掴まれました。阿久津さんのジーニーは、より喜怒哀楽が激しい分、観ているこちらが感情を移入しやすいのですよね。サムを演じられている時も思いましたが、阿久津さんのお芝居は、観る人を作品の世界観に引き込むのがとても上手いです。今回も、ジーニーに同情してしまいました。それは「怒り」ではなく「悲しみ」が強くて、本当にアルは真っ直ぐな少年だし、それゆえに自分を見失ってしまう時がある。阿久津さんのジーニーは、アルがアルでなくなってしまったことに、凄く悲しんでいるのだと思います。このシーンで、更に阿久津さんに魅せられました!!!

 終始笑顔で、よくドヤ顔を決める阿久津ジーニー(笑)は最高でした!!!前々から観たい役だったので、このタイミングで観れたことに感謝です!ジーにはダンスにビッグナンバーもあるかなりの体力が必要とされる役だと思います(おまけにテンションもMAXでなければ…)。失礼ながら、阿久津さんのご年齢を考えると、そろそろキツイのでは…と思っていましたが、そんな事全くありませんでした!!!アグナル王で1幕後半からはアンサンブルに混じって出演されますが、これでは阿久津さんらしくないな、と思っていました。やはり、ジーニーのような存在感のある役でこそ、阿久津さんはとても輝いて見えますし、また機会があれば、何度でも阿久津さんのジーニーを拝見したいです!!!

・アラジン役/一和 洋輔さん

 前回『アラジン』を観た時も一和さんアルだったのですが、進化が凄い!!一番進化したと思うのは歌です。芯が凄い太くなった!!とても安定した歌声になっていて、聴きやすさが格段に上がりました。
 一和アルって、かなりチャラい印象が強かったんです。言い方悪いけど、盗むことを遊び感覚でやってるし、ジャスミンを口説く(?)時もナンパ師みたいで。男だからナンパされたことないけれども(どうでもいいですね。すみません)。でも、今回は全然違いました。確かに遊び感覚で盗んではいるんだけど、ジャスミンにどうしても振り向てほしくて、もがいている姿は、子どもっぽくもあり、誠実さを感じました。
 笑顔が素敵な一和アル、必見です。

・ジャスミン役/木村 奏絵さん

 木村奏絵さんははじめて拝見するの俳優さんですが、最近ではアリエル、ジャスミンと、ディズニープリンセスを演じることが多く、お名前はかなり前から知っていました。いやー、とても可愛いジャスミンでした。地声が少し低めで、ちょっとハスキーかな?と感じましたが、歌声は綺麗な高音で、そのギャップもいとをかし、みたいな?(昔からウケを取るのは苦手です)。冗談はさておき、奏絵さんジャスミンの大きな特徴は心の中にある弱弱しい部分です。今までに拝見した岡本瑞恵さん、平田愛咲さんのジャスミンは、結構気が強いジャスミンという認識がありましたが、奏絵さんは、「自由が欲しい!!!」というより、「他の人と同じ暮らしではなく、自分が特別扱いされていることへの不満」が強かったのかな、と思います。人を思いやる気持ちが人一倍強く、正義感溢れるジャスミンだからこそ、ジャファーがアラジンを処刑したと伝えるシーンで、「ひどい!!!」と泣き叫ぶ奏絵さんジャスミンの姿は、とても納得がいくものでした。
 ジャスミンの中では、比較的最近デビューした奏絵さん。早くもジャスミンを自分のものにしていますし、今後どんな進化を遂げるのか、とても楽しみです!!!

・ジャファー役/深水 彰彦さん

 深水さんのジャファーを拝見するのは初めてです。なんとなく喉の調子が悪そうな印象を受けました。喋り声もどこか掠れているし、「ダイヤの原石」でも一部声が出ていない箇所がありました。ですが、お芝居でとても上手くカバーされていました。
 ジャファーってヴィランの中でもかなり共感しにくいキャラだと思います。例えば、スカーであれば「愛情」を受けなかったが故にひねくれたり、アースラはトリトンの扱いに恨みを覚えたり、ところが、ジャファーに関してはそういったバックグラウンドを知りません。ジャファーは根から「悪」に染まっているのです。悪というよりかは、自分勝手の極みの方がいいかも。
 深水さんのジャファーはウケも取りますが、本当に何を考えているか分からない。真のサイコパスでした(褒めてます)。

・イアーゴ役/嶋野 達也さん

 嶋野さんは、以前オマールで拝見したことがあるものの、イアーゴは初めてです。今まで拝見したワイスさん、よしつぐさんのどちらとも違うイアーゴでした。嶋野さんのイアーゴも、真のサイコパスと言えます(褒めてます)。ずっとテンション高いし、挙動が明らかに普通でないし…。中々面白いイアーゴでした(笑)

・カシーム役/川村 英さん、オマール役/戸高 圭介さん、バブカック役/正木 棟馬さん

 戸高さんのオマールは拝見したことがありますが、他のお二方ははじめましてでした。個人的な感覚ですが、あまりお三方とも調子がイマイチだった印象です。特に歌の部分での調子は…。声が裏返ってしまったり、続かなかったりといった場面が、何回もあったわけではありませんが、チラホラ…。ダンスはキレキレですし、それぞれのキャラクターが際立っているだけに、そういった部分が気になってしまいました。今度は万全な状態でお三方を拝見したいです!!

・王(サルタン)役/青木 朗さん

 青木さんは『カモメに飛ぶことを教えた猫』博士役で拝見した以来で、深みのある歌声が印象的でした。サルタンでもその美声は健在。どころか、プリンスアリー(Rep.)では音割れしそうなぐらいの声量で歌っていました。娘にぞっこんな可愛い一面も、本当にお父さんのようでした。青木さんのサルタンは一度観たい!と思っていただけに、観れて良かったです!映画『オペラ座の怪人』でムッシュー・フィルマン役吹替された時の歌声が大好きなので、ぜひ舞台版に戻ってきてほしいです…!!

・アンサンブル

 個人的に注目していたのは、女性2枠の𠮷田 絢香さんです。今月上旬まで、『アンドリュー・ロイドウェバーコンサート~アンマスクド~』にシンガーとして出演されていて、私自身も12月に拝見しましたが、「ラブ・ネバ―・ダイ」や「ピエ・イエズ」など、大迫力の歌声で魅せてくださった絢香さんが、『アラジン』でどのように振舞われているのか、とても楽しみでした。
 絢香さんが出演されたことのある1枠と違って(1枠は侍女)、ソロが無いパートですが、ダンスの見せ所が多く、あの華やかに歌い上げていた絢香さんがバリバリ踊っている!ととても感激しました。いやー、𠮷田絢香さんすごい!

 ちょっとしたハプニングも。「プリンスアリー」のナンバー中に、男性12枠の前田 員範さんが転んでしまいました。つまずいて前に転んだ感じです。ご本人はちょっと笑っておられました(笑)。お怪我がなかったようで一安心です。

・総評

 とても楽しい観劇になりました。先述の通り、この舞台を観てもう一度やる気を取り戻す!と決めていたのですが、そんなこと決めなくても、自ずとやる気が出てきました。『アラジン』は、私が久しぶりに劇団四季を観て、四季にハマるきっかけとなった作品です。言わば、今の自分を作ってくれた作品。この日に、この作品を観れて本当に良かったです。

 ちなみにですが、今回はC席からの観劇。海劇場のC席に座るのは3回目でしたが、とても眺めが良いので気に入ってます!海劇場は音響もクリアだし、音も大きいし、凄い好きな劇場なんですよね…。爆音のマンマ観たい…!!

 また時間と、お席があれば観に行きたいと思います!!

 長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
 コロナに気を付けて、観劇ライフを楽しんでくださいね!


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